「ジャスト・マヨ」で物議を呼んだスタートアップ、ついに“卵を使わないスクランブルエッグ”を開発

ジャストの新製品「ジャスト・エッグ」

ジャストの新製品「ジャスト・エッグ」は、動物由来の成分を含まない。

  • ビーガン・マヨネーズ「ジャスト・マヨ」、卵を使わないクッキー生地などで知られるシリコンバレーのフード・スタートアップ「ジャスト」は、ついにビーガン・スクランブルエッグを発売する。
  • 新製品「ジャスト・エッグ」の開発には6年かかった。
  • 質感、風味、賞味期限など難しい課題が多かった。開発の検討を始めたのは2011年だった。

6年の開発期間を経て、シリコンバレーのスタートアップ「ジャスト(Just Inc.)」はついに卵を使わない卵を作り出した。

※同社はハンプトン・クリーク(Hampton Creek)から社名変更した。

2011年の創業以来、同社は食料品店で販売できる、動物由来成分を使わないスクランブルエッグ製品の開発を目指してきた。

現在、11億ドル(約1200億円)の企業価値を持つ同社は、ビーガン・マヨネーズ「ジャスト・マヨ(Just Mayo)」、卵を使わないクッキー生地といった製品、そして世間を騒がせた過去を持つことで知られている。

同社のミッションは、動物性食品を同じ風味を持った植物性食品に置き換えることで、我々の食生活を変革すること。

まもなく南カリフォルニアのゲルソンズ(Gelson's)、東海岸のセーフウェイ(Safeway)といった大手小売店、そして数多くの中西部の食品チェーンに「ジャスト・エッグ」が並ぶ。通常の卵の横に並ぶ予定だ。

同社にとって、ジャスト・エッグは「間違いなく看板製品」とジャストの共同創業者兼CEOジョシュ・テトリック(Josh Tetrick)氏はBusiness Insiderに語った。

だが、卵を使わないスクランブルエッグを開発するという目標は、当初の想定以上に困難なものとなった。

「卵のようにスクランブルできるものは、すぐに見つかるだろう」

ジャスト・マヨ

「ジャスト・マヨ」は卵を使っていない。

テトリック氏が卵を使わないスクランブルエッグ製品を作ろうと考えた時、同氏は当初、数カ月もかからないだろうと考えていた。だが、そうはいかなかった。

通常のスクランブルエッグと同じような質感や調理時間を実現することが難しかったばかりか、風味や色をうまく再現することも難しかった。

「開発を始めた当初は『これほど多くの植物があるのだから、卵のようにスクランブルできるものは、すぐに見つかろうだろう』と考えていた」

だが、卵を使わないレシピを考え出しても、毎回、何かしらの要素が足りなかった。

「卵のように固まるものを見つけても、植物の風味が強すぎたり、卵のような風味はあるけれど、うまく固まらなかったりした」

こうした課題に取り組んでいた同じ時期に、スキャンダルも浮上した。同社の従業員が自社製品を買い占め、売り上げを人為的に引き上げたという疑惑だ。また、同社は科学的ではなく、職場環境は不快で安全ではなかったと数名の元従業員はBusiness Insiderに語った

だが、主力となるスクランブルエッグ製品の開発が遅れていた一方で、同社は卵を使わない、おいしい代替製品をいくつも開発することに成功した。

ビーガン・クッキー生地、マヨネーズ、サラダドレッシングが同社の前身のハンプトン・クリークから発売された。そして同社は2億2000万ドル(約2500億円)の資金調達に成功した。

そしてついに、希望が見えた。豆だ。

卵を使わない卵

ジャスト・エッグ

Erin Brodwin / Business Insider

植物はジャストにとって中心的な存在。同社のミッションは、動物性食品を植物性の代替食品に置き換えることで、我々の食生活を変革することにある。

ピー・プロテイン(エンドウ豆由来のタンパク質)は、ジャスト・マヨのベース。一方、ジャスト・クッキー(Just Cookie)やクッキー生地のジャスト・ドー(Just Dough)は、ソルガムから作られている。ソルガムは家畜の飼料として広く使われている背の高いイネ科の穀物だ。

しかし、通常の卵と同じ質感、風味、そして調理時間を持つ製品を生み出すために、テトリック氏とそのチームはソルガムやエンドウ豆以外のものを探さなくてはならなかった。

そして、彼らは「緑豆」を見つけた。

緑豆は、液体状の成分に適切な粘度や栄養価を与える。消費期限は60日。

ジャストの本社を訪問した際、我々は卵を使わない卵を試食した。単体では、卵の風味とは違っているように感じた。だが、サクサクのトーストやベーグルの上に調味料と一緒に熱々で乗せれば、ほとんどの人は分からないだろうというのが我々の感想。

この新製品は、卵、乳製品、コレステロールを含まないにもかかわらず、高タンパク。9月末までに、アメリカ中の26の食料品店で販売される。価格は、1瓶12オンス(約360ミリリットル)、卵約6個分相当で7ドル99セント(約890円)。

また、アマゾンのスタートアップ支援プログラム、アマゾン・ローンチパッド(Amazon Launchpad)への参加も認められた。つまり、数カ月後にアマゾンの生鮮食品配送サービス、Amazonフレッシュでも販売されるかもしれない。

「我々はこの製品に非常に満足している」とテトリック氏はジャスト・エッグについて語った。

「6年もかかるとは思っていなかった。髪の毛には白髪も交じるようになった。だが、ありがたいことに、完成させる方法を見つけることができた」

[原文:The controversial Silicon Valley startup behind ‘Just Mayo’ has finally released what was supposed to be its signature product, after 6 years of development

(翻訳:Yuta Machida、編集:増田隆幸)

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