家族を養う唯一の方法が売春だった…… ベネズエラの経済危機で、追い詰められる女性たち

取材

スカイ・ニュース(Sky News)の取材に応じるベネズエラ人女性。

Sky News

  • ベネズエラは深刻なインフレ、停電、食料不足に苦しんでいる。
  • その結果、複数のベネズエラ人女性たちが隣国コロンビアで売春を始めている。スカイ・ニュースが報じた。
  • 報道によると、国境に近いコロンビアの街では、売春宿で働いている女性のほぼ全員がベネズエラ人だという。
  • スカイ・ニュースの取材に応じた女性たちは、ベネズエラのインフレと食料不足はあまりにひどく、家族を養うには他に手段がないと語っている。

ベネズエラの経済危機によって、生計が立たないとして、複数のベネズエラ人女性が隣国コロンビアで売春を始めている。スカイ・ニュースが報じた

ベネズエラとの国境に近いコロンビアの街ククタでは、生活のために売春宿で働くベネズエラ人女性の流入が増えているという。

こうした女性たちを含め、多くの人々がハイパーインフレや深刻な停電食料や医薬品不足といったベネズエラの国の経済破たんにより、国を出ざるを得なくなっている。

スカイ・ニュースによると、ククタの売春宿で働く60人の女性のうち、2人のコロンビア人を除き、全員がベネズエラ人だ。客1人あたりの料金は、少なければわずか33ドル(約3700円)だという。

「これまでに比べれば、何でもマシよ」

ある女性は語った。

「やらなきゃどうにもならないから、やっているの」

また別の女性はスカイ・ニュースの取材に対し、家族を養う唯一の方法が売春だったと語った。

女性たちはベネズエラを一時的に離れているだけで、正式な移民の証明書を持っていないため、合法的に仕事を得ることができないのだと、スカイ・ニュースは指摘する。

長蛇の列

食料を手に入れるため、列に並ぶベネズエラの人々(2018年8月23日)。

Reuters

この経済危機に対し、ベネズエラ政府は極端な手段に出た。同国のマドゥロ大統領は20日、米1袋の値段を250万ボリバルにまで上げたハイパーインフレを食い止めるため、通貨ボリバルからゼロを5つ取るデノミネーション(通貨単位の変更)を実施した。

[原文:Venezuela's economic crisis is so bad that some women say they're turning to sex work to survive]

(翻訳、編集:山口佳美)

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