8月1日から原宿にオープンしたWeWork Icebergを拠点に働いています。渋谷区神宮前でのオープンが決まったことを知り、7月の内覧に参加したのですが、その日に即入居を決めました。
すでに入居から1カ月余りが経ちますが、とにかく満足度が高い!です。
それはもう、僕の人生で“良かったと思える意思決定ベスト5”に入るほどの満足度の高さ。イノベーションを起こしたいと思うスタートアップほど、ここに入るべきだと思います。
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西村さんが入居したWeWork Iceberg。
撮影:浜田敬子
そもそもなぜ僕がWeWorkに注目していて、オープンと同時に入居を決めたかというと、2017年10月にラスベガスで開催されていたHRテクノロジーカンファレンスに参加するため渡米した際に、ロサンゼルスのWeWorkを実際に見ていたこと。午後3時くらいなのにみんなビール飲みながら仕事していて楽しそうだなーと強い印象に残りました。
さらに帰国してすぐ、Business Insider JapanのイベントでWeWorkの日本法人CEOのクリス・ヒル氏と、石山アンジュさんと対談する機会があったのですが、そこでクリス氏へ率直に「WeWorkのようなオープンマインドな価値観は、日本企業ではなかなか受け入れられないのでは?」と尋ねてみました。
すると彼は、大手企業ほどオープンイノベーションを起こすための働く場所について非常に興味を持っている、さらに、日本での展開について1〜2年での撤退なんてまったく考えておらず、やりきるつもりの強い意思でやっていると話してくれました。CEO自身の口からこのような想いを聞けて、これは上手くいくと確信、そのときはまだ六本木と新橋、銀座へのオープンしか決まっていなかったのですが、渋谷エリアでのオープンが決まったら僕も必ず入ります、と約束していたのでした。
スタートアップがweworkに入るべき3つの理由
1.仕事をするために必要な環境がすべて揃っている
WeWorkはワークエクスペリエンスが非常に高いです。仕事をするために必要なものがすべて揃っています。
WeWork Iceburgの入り口。表にはカフェがあり、外部の人も利用できる。
撮影:浜田敬子
3つの利用プランからニーズに合わせて選ぶことができます。
- ホットデスク フリーアドレス制、リモートワーカーにはおすすめ
- 専用デスク 固定の専用デスク、毎日利用する個人や小規模のスタートアップ向け
- プライベートオフィス 個室、10人以上規模のスタートアップ向け
僕は利用頻度が高いため、専用デスクプランで契約しました。1階から7階までのオフィススペースの中で、自分のワークスペースを持ちつつ、カフェなどの各フロアの共用スペースを自由に使うこともできます。
共用設備としてある小さな個室は電話会議や集中スペースに使えますし、各フロアに会議室もあり、1人でもWeWorkのメンバーがいれば予約して利用できるので社外のメンバーを招いた会議もできます。
僕も定期的に勉強会やイベントを主催していますので、ぜひWeWorkに来てみたい方は参加してみてください。
2.WeWorkというコミュニティに参加できる
WeWorkに備わっている「コミュニティーソーシング」機能の価値は高いという西村さん(写真はシンガポールのWeWorkです)。
Shutterstock/mentatdgt
僕はWeWorkのことをコワーキングスペースではなく、ビジネスコミュニティだと認識しています。そのコミュニティに参加できること自体の価値が高いと感じています。
毎月十数万円という金額は決して安いとは言えませんが、このコミュニティに参加するためのチケットを持っているようなもの。体験を買っている、そのための投資と捉えています。
特に僕がお伝えしたいメリットは、WeWorkに成立している「コミュニティーソーシング」を活用できることです。
コミュニティソーシングというのは造語なのですが、コミュニティ内で発生するアウトソーシングのようなもので、WeWorkでは、入居する人・企業同士で業務の委託・受託がスムーズに行なわれており、そこに乗っかることができるということです。
会社を取り巻く環境は、社内or社外 という2層構造で捉えることが一般的ですが、その社内と社外の間にWeWorkという3層目のコミュニティが存在しているようなイメージです。そして、社内ではないけれども社外とまでもいかないコミュニティーに向けて、業務を委託/受託することができるのが、このメリットです。
我ながら驚いたのですが、僕も入居した翌日、共有カフェで話しかけてくださった方から採用の相談をもちかけられ、その場で顧問契約が生まれました。ありがたいことに月額の利用費を入居翌日にペイできてしまったのです!
このようなコミュニティ形成ができている理由のひとつとして、WeWorkには各拠点ごとにコミュニティマネージャーが存在しており、メンバー同士がつながりやすくなる仕組みがかなり整備されていることが挙げられます。
例えば、オフィス内に設置されているデジタルサイネージに入居する企業や個人の紹介が流れていたり、WeWorkメンバー専用のスマホアプリでコミュニケーションがとれたり(アプリはFBメッセンジャーのような機能も備えています)。
WeWork内ではビジネスコミュニケーションがより円滑になると西村さんは言う。
撮影:矢野 拓実
また、個室には小〜中規模のスタートアップ企業が入っていますが、個室を仕切る壁はすべて完全なガラス張り。社外の人間からも丸見えになってしまう完全にオープンな空間が広がっています。そうしたオープンマインドな価値観に共感できるメンバーのみが入居しているため、快く頼り頼られることが当たり前の世界観が生まれているのだと思います。
こういったWeWork経済圏ともいえる環境はBtoBビジネスを展開する企業との親和性が高いとも感じています。人材採用、広告マーケ、制作会社、システム開発会社などはまずWeWork内の企業に自社サービスを採用してもらいやすい環境です。
オープンすぎるくらいオープンなWeWorkの価値観に共感した上で毎月安くはない金額を払ってでも働きたいというイノベーターマインドな人が多い、ということも一つの価値だと思います。
3.ブランドを借りて経営に活用できる
最後にひとつ。WeWorkブランドを借りられるということも、スタートアップにとっては非常に大きなメリットとなります。それは主に採用コストに効いてきます。
知名度がまだないスタートアップでも、WeWorkに入っている時点で興味を持ってもらいやすいです。
そしてなんと、We Work Icebergでは12時半からビールが飲み放題になります(笑)。とりあえず、話を聞いてみませんか?というお誘いも「WeWorkにビールでも飲みにきませんか?」とよりカジュアルに誘うことができる。友人やお客様をつい呼びたくなるようなホストエクスペリエンスの高い環境があります。
そういった環境なので、採用だけではなく社外の方との打ち合わせもWeWork内の会議室で済んでしまいます。移動コストや飲食費用がかからないというのはスタートアップには非常に嬉しいメリットです。
ちなみに、通常はこちらから依頼した打ち合わせは先方のオフィスまで伺うべきかと思いますが、「お伺いするつもりですが、もしご興味あればWeWorkにいらっしゃいませんか?」と申し出ると、皆さん一度は来てみたいという気持ちがあるのか、7割くらいの方はWeWorkのオフィスまで来てくれます!
(文・西村創一朗)