ネット姑にからまれ、下着写真でフォロワー失う…インフルエンサー稼業はラクじゃない

インフルエンサー

インフルエンサーの苦労話を、当事者が赤裸々に語りました。

大きな影響力を持ち、企業から重宝される「インフルエンサー」。

時には厄介なアンチに絡まれたり、クライアント企業から苦手な案件をお願いされたり、案外良いことばかりではないようだ。

インスタグラマーやブロガー、YouTuberとして大きな影響力を持つ女性たちが8月29日、体験型マーケティングのカンファレンス「BACKSTAGE 2018」に登場し、苦労話や「こんな案件は嫌だ!」という実体験を赤裸々に告白。インフルエンサーの視点から、企業が案件を発注するときのポイントも解説した。

ママインフルエンサーに厳しい「ネット姑」

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イベントに登壇した、インフルエンサーたち。学生からママ、読者モデルと幅広く、とっておきの1枚や動画を撮ったり、投稿したりするアレンジ能力は、「プロ」だ。旅行にいっても、とっておきの1枚が撮れるのでは、とつい気を取られ、素直に楽しめなくなる経験も。

「ママのインフルエンサーとしてやっているので、ネット姑が出てくる」

SNS上での嫁姑問題を語ったのは、ママモデルの女性。ブログやインスタグラムを活用している。

「料理の画像を載せると、『果物の切り方が雑ですね』と書かれたり、子どもがお気に入りで着ている服を投稿すると、『いつも同じ洋服しか着せていない』『買ってあげてください』というコメントがけっこう来ます」

こうしたコメントを繰り返すユーザーは「ネット姑」と呼ばれるようだが、自身の対応は「スルー。そうしないと盛り上がってしまうから」という。

「ちょっと顔が丸くなったね」と指摘されたり

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フォロワーからは計り知れない苦労を、インフルエンサーたちはしている。しかし、彼女たちは地道な努力でファンを獲得し、かつ逃さない術を持っている。

東京大学大学院の学生で、著名なインスタグラマーでもある女性は、「(SNSに)アップすることはイベントとかメイク、服の話に偏るので、よく『学校に行っているの?』と聞かれる」とか。そんな詮索とは裏腹に、女性は1日に1度は研究室に通い、職場でのメンタルヘルスの研究をしているという。

また、「ちょっと顔が丸くなったね」「腕がたくましくなったね」とか、「ふくよかになったね」「旅行で食べ過ぎたんじゃない」とコメントで指摘されることも。

「気を遣った言い方をしてくれる人もいますが、そっとしておいてほしいところでもあります。でも、コメントには極力答えるようにしています」(女性)

フォロワーを維持するためには、地道な努力と忍耐が必要とされるようだ。

下着「ブツ撮り」投稿で300フォロワー減

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下着案件は、さすがのインフルエンサーたちも悩みどころ。男性向けにアピールするような投稿ではなく、ヘルシーな印象の投稿にすると、女性向けのアプローチもできるかもしれない。登壇者たちは、イベントに参加していた企業に向けて、そんなアドバイスもしていた。

出典:Shutterstock

企業からの依頼案件で、下着を投稿するのが苦手と告白した登壇者も。

ママ雑誌の読者モデルでブロガーの女性は、「(下着案件は)けっこう来るし、ギャラが高い」とした上で、「着用しないで下着だけを撮る『ブツ撮り』なら、とお引き受けしましたが、実際に投稿してみると、フォロワーが300人も減りました」と明かした。

「ママとして、よく子どもの写真を投稿しているので、女性としての側面を表に出すのは、私のフォロワーには合わなかったみたいです」

自分の写真がいつの間にか出会い系に…

自分の投稿画像を流用された経験を明かしたインフルエンサーも複数いた。

美容系インスタグラマーの女性は、中国の化粧品店で自身の写真を無断で使われていたという。中国にいる友人から「コスメ店に(この女性の)写真があるよ」との指摘を受けて、発覚した。「日本人愛用」などと宣伝のように使用されていた。「日本人のフォロワーしかいないと思っていたので」と話し、「気付きようがなくて、怖い」と不安を口にした。

別の登壇者も、フェイスブック上で、出会い系のアカウントに自身の写真が使用された経験を紹介。「削除依頼をしてもなかなか対応してもらえなかった。インスタグラムでも(同様の事例を)見つけた」と明かした。

投稿内容はインフルエンサーに委ねるべし

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モノトーンの風景が多かったり、路上のゴミの問題があったり、日本の都会で「インスタ映え」を探すのはなかなか難しいという。もし「映え」のスポットを見つけても、たいてい混んでいて、インフルエンサーは苦戦。カフェなどで、インスタの枠を置いて「映え」を演出するのはあまりオススメではなく、自然な「映え」が人気なようだ。

さて、こうした大きな影響力を持つインフルエンサーたちに、企業はどのように仕事を発注したらいいのか。

百貨店とのコラボの実績を持つインフルエンサーの女性は、「投稿のスタイルは、(発注者から)指示を受けたものではなくて、インフルエンサーの世界観を持たせた方が、自由に伸び伸びと商品の良さを引き出せると思う」と話す。

インフルエンサーは、クライアントの意図を汲みながらも、独自の世界観を介して自らのフォロワーに合う投稿を実現できる。企業の指示でガチガチに固められた投稿では、結果的に情報が拡散しない可能性があるという。

インフルエンサーは「プロ」であると、この女性は強調する。日中は1日数件のアポイントを1時間単位でこなし、その合間に「映えるところ」に足を運び、帰宅後は投稿の準備をしていて夜中になることもある。

案件に合う写真を撮るため、「1時間半かけてひまわり畑まで行って、日差しにさらされながら1000枚ぐらい写真を撮ったり……時間とお金、労力をかけている」という。自分の世界観とクライアントのニーズ、フォロワーの感覚が重なり合う1枚の写真を撮ることに、インフルエンサーたちは必死なのだ。

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1枚の写真のために、日照りの中、遠方まで出かけたり、ナイトプールの中には入らず、何度も着替えをしたり。クライアントからやり直しを言われれば、またやり直し。スケジュール管理も大変で、企業からのリマインドはありがたいという。

YouTuberの女性は、「たくさんのYouTuberが同じ商品について投稿していて、しかも、みんなオリエンテーション資料に沿って動画を撮るので、同じような投稿になりがち」と指摘。

「投稿の順番によっては、視聴回数が(複数に割れて)減り、『お前もか』というコメントが来たりする」とのことで、むやみに多くのインフルエンサーに案件を発注すると、マイナスに働く可能性もあるようだ。

(文、撮影・木許はるみ)

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