EC出遅れのイケア・ジャパン、巻き返し図る「デジタル戦略」強調

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イケアは8月29日、2019年度の事業戦略を発表した。

これだけが唯一の方法だと、私たちは分かっています。24時間365日、顧客が買い物をしたいときに、私たちはそこにいなければならないのだと

8月29日、イケア・ジャパンの2019年度(2018年9月〜2019年8月)の事業戦略などの説明会で、ヘレン・フォン・ライス社長はイケアの「デジタル戦略」について言及した。

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イケア・ジャパン社長のヘレン・フォン・ライス氏。

イケア・ジャパンがオンライン販売を開始したのは2017年4月。2018年度は、売り上げの5%以上がオンライン販売によるものになる見込みだ。オンラインでの人気商品のトップ10はすべて家具だともいう。

イケアがオンライン化を急ぐ背景には、業績の伸び悩みがある。イケア・ジャパンの2017年8月期の売上高は740億円で、前期比4%減だった。ライバルのニトリは31期連続増収増益を果たす中(2018年3⽉の発表より)、明暗が分かれている。

AR活用したアプリ

EC比率5%というのも決して高い数字ではない。経済産業省の電子商取引に関する市場調査によると、2017年における「雑貨、家具、インテリア」のEC化率は20.4%。前年の市場規模と比較しても10%近く伸びており、市場全体がEC化の後押しをしていると捉えるべきだろう。

イケアは「イケアならでは」のデジタル戦略で巻き返しを狙う。2017年、イケアはAR(拡張現実)を活用して自宅のスペースに家具を置いたらどのように見えるかを確認できるアプリ「IKEA Place」を発表し、話題を呼んだ。

関連記事:イケアとアップルがARアプリ開発 —— 部屋に家具をバーチャル配置

2018年からは、グーグルや米オンラインフードデリバリー大手のGrubhub(グラブハブ)でのマーケティング統括の経験を持つバーバラ・マーティン・コッポラ氏をグループのチーフ・デジタル・オフィサー(CDO)に迎え、世界的にデジタル戦略を進めていく。

使い捨てプラスチック製品の販売中止

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イケアは2018年、設立から75周年を迎える。

今回の説明会では、東京都心部への出店計画も明らかにしたが、その新店舗にも「外でデジタル・プロジェクションが見られるような」工夫を凝らすことを検討しているとライス氏は語った。

日本での業績が伸び悩んでいる一方、グループ全体で見れば依然としてイケアは家具量販店の世界最大手だ。

プレスリリースによると、2017年、イケア・グループの小売の売上高は前年比4%増の約400億ドル(約4兆4000億円)だった。

さらにイケアは全世界的に環境保護の取り組みを強化している。今回の説明会では、2020年までにストローなど使い捨てのプラスチック製品の販売を中止すること、すべての製品を再利用・リサイクルなどができるようにデザインすることが発表された。

説明会では、「年齢、ジェンダー、性的指向などのすべてのアイデンティティに対して包摂的な職場環境をつくるために尽力する」ことも語られた。女性活躍にも力を入れており、イケア・ジャパンでは管理職の約半数が女性だという。

(文・写真、西山里緒)

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