意外に多い? 同族経営の大企業9社

マイケル・デル

1980年代にアイデアを思いついて以来、デルのトップを務めるマイケル・デル。

Justin Sullivan/Getty Images

  • 規模にかかわらず、創業以来、同族経営となっている企業は多い。
  • LGは創業以来の同族経営で、現在4代目。
  • ホールマークは1910年の創業以来、ホール家が経営している。

同族企業には、特別な何かがある。

現在、競争を制している同族企業のみならず、苦労して同族経営を守っている企業からも学ぶことは多い

同族経営を維持することは素晴らしいこと。しかも、人気ブランドにも案外なほど同族経営の企業が多い。見てみよう。

ナイキ(Nike):ナイト(Knight)家が経営。創業1964年。

ナイキの店舗入り口

ナイキ。

Business Insider/Jessica Tyler

ナイキの創業メンバーの1人、フィル・ナイト(Phil Knight)は1964年の創業当時、オレゴン大学の陸上選手だった。コーチのビル・ボワーマン(Bill Bowerman)も創業メンバーの1人。

フィル・ナイトの息子、トラビス・ナイト(Travis Knight)は2015年、取締役会のメンバーに任命され、父親と後を追うことになった。

現在、ナイキの時価総額は1103億ドル(約12兆3000億円)、年間売上高は約352億6000万ドル(約3兆9300億円)。

マース(Mars):107年の歴史を通じて、ずっと同族経営。

m&m’sチョコレート

マースはM&M’sを生み出した。1日4億個を生産。

Isaac Brekken/Getty Images for Mars Chocolate North America

フランク・C・マース(Frank C. Mars)は1911年、自家製のバタークリーム・キャンディーの製造、販売を始めた。現在ではチョコレートバーのマース(Mars)、スニッカーズ(Snickers)、M&M'sなどのチョコレート菓子で知られている。

またリグレーズ・ガム(Wrigley's gum)、アンクル・ベンズ・ライス(Uncle Ben’s rice)、ユーカヌバ・ペットフード(Eukanuba pet food)なども販売している。

2017年の売上高は350億ドル(約3兆9000億円)。マース家がマース・インコーポレイテッド(Mars Inc.)の取締役会のメンバーとなり、同社を所有している。一族の資産は推定780億ドル(約8兆7000億円)

ホールマーク・カーズ(Hallmark Cards):創業1910年。

ホールマークのグリーティング・カード

ホールマークはアメリカ最大のグリーティング・カード製造会社。

lentamart/Shutterstock

ホールマーク・カーズは1910年、ジョイス・クライド・ホール(Joyce Clyde Hall)が、お金を稼ぐためにポストカードを売り始めたことからスタートした。以来、アメリカで最も古いカード製造会社となった。

同社は現在、創業者の孫であるドナルド・J・ホール(Donald J. Hall)とデイビッド・E・ホール(David E. Hall)の2人が経営している。

ホールマークの年間売上高は約40億ドル(約4500億円)、アメリカ国内で毎年65億枚以上のカードを販売している

エル・エル・ビーン(L.L. Bean):創業1912年。

L.L.Beanのブーツのオブジェ

創業者のレオン・レオンウッド・ビーンはハンティングの後、同社を象徴するブーツのアイデアを思いついた。

Helioscribe/Shutterstock

1912年、レオン・レオンウッド・ビーン(Leon Leonwood Bean)はレザーとラバーを組み合わせた画期的なシューズを発明した。ハンティングから戻ると、足が濡れ、冷たくなっていたことがきっかけだった。

以来、同社は成長を続けている。2015年には16億ドル(約1800億円)を売り上げた

ビーン家の資産は現在、19億ドル(約2100億円)。創業者のひ孫、ショーン・ゴーマン(Shawn Gorman)が会長を務める。

ウォルマート(Walmart):ウォルトン(Walton)家が経営。1962年、1号店オープン。

ジム・ウォルトン

創業者サム・ウォルトンの息子、ジム・ウォルトンはウォルマートの取締役会のメンバーを務めた。

Rick T. Wilking/Getty Images

ウォルマートの創業者、サム・ウォルトン(Sam Walton)は1962年、1号店をアーカンソー州にオープンした。以来ウォルトン一族は、会長など同社で数多くの役割を担い、今も株式の過半数を保有している。

ウォルトン家はアメリカで最も裕福な一族ブルームバーグによると、資産総額は1632億ドル(約18兆2000億円)、ジェフ・ベゾスやビル・ゲイツ、ウォーレン・バフェットを上回る。

ウォルマートの時価総額は現在、2462億ドル(約27兆4000億円)。売上高は5003億4000万ドル(約55兆8000億円)、1日あたりの顧客数はカナダの人口(約3700万人)以上と伝えられた。

ハースト・コーポレーション(Hearst Corporation):現在300以上の雑誌を出版。創業1887年。

ハーストの雑誌『COSMOPOLITAN』

ハーストは世界中で300以上の雑誌を出版している。

ArtCookStudio/Shutterstock

ハーストは1880年代後半、ウィリアム・ランドルフ・ハースト(William Randolph Hearst)が「サンフランシスコ・エギザミナー(San Francisco Examiner)」1紙で始めた。以来、同社は世界で最も有名なメディア企業に成長した。

ハーストは現在、世界150カ国以上に360の子会社を保有、従業員は2万人を超える。

ウィリアム・ランドルフ・ハーストの孫、ウィリアム・R・ハースト3世(William R. Hearst III)が現在、会長を務める。一族67人で、推定280億ドル(約3兆1000億円)の資産を保有している。

LG:創業1947年、現在4代目。

LGのロゴ

David Ramos/Getty Images

エルジーの歴史は、化学およびエレクトロニクス産業のイノベーションにフォーカスした、ラッキー化学工業の創業から始まった。今ではエレクトロニクスと家電製品で知られている。

同社は1947年、ク・インフェ(具仁会)が創業、息子、そして孫のク・ボンム(具本茂)へと引き継がれ、2018年にボンムが亡くなると会社は養子に託された。

昨年の売上高は、554億ドル(約6兆2000億円)

デル(Dell):1984年の創業以来、マイケル・デル(Michael Dell )がトップを務める。

マイケル・デル

デル・テクノロジーズの創業者兼CEO、マイケル・デル。

Justin Sullivan/Getty Images

マイケル・デルは1984年の創業以来、デルを率いている。同社は1992年、アメリカの大手企業500社の売上高ランキング、フォーチューン500(Fortune 500)にランクイン。マイケル・デルは最も若いCEOとなった。当時27歳。

53歳となった今でも、マイケル・デルは同社を率いている。だが最近は、多くの点を見直している。2016年、ストレージ大手のEMCをテック業界史上最高額で買収、EMCを非公開化し、社名を「デル・テクノロジーズ(Dell Technologies)」に変更した。デル・テクノロジーズの時価総額は約570億ドル(約6兆4000億円)

コムキャスト(Comcast):ロバーツ(Roberts)家がミシシッピ州で創業。

ブライアン・ロバーツ

父ラルフ・ロバーツに続き、息子ブライアン・ロバーツがコムキャストの社長となった。

Ethan Miller/Getty Images

コムキャストはラルフ・ロバーツ(Ralph Roberts)が1963年、ミシシッピ州テューペロで小さなケーブルテレビ会社として設立した。当時の契約者はわずか1200人。1980年代半ば、同社は拡大を始め、最終的に現在の姿となった。

時価総額は1426億ドル(約15兆9000億円)2017年現在、ケーブルテレビの契約者数は2250万人、ブロードバンドの契約者数は2510万人

ラルフ・ロバーツと、1990年に社長に選任された息子のブライアン・ロバーツ(Brian Roberts)は、同社の歴史の大部分で一緒に仕事をした。

※敬称略

[原文:11 of your favorite companies that are family owned

(翻訳:Ito Yasuko、編集:増田隆幸)


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