スターバックスが砂糖の少ないフラペチーノをテスト販売中、だがまだ不十分か

スターバックスのフラペチーノ

スターバックスはフラペチーノの砂糖を減らそうとしている。

Photo courtesy of Starbucks

  • スターバックスは砂糖を減らしたフラペチーノを600店でテスト販売している。同社はフラペチーノをより健康的なものにしようと2年間、取り組んできた。
  • 新旧を比較してみたが、新しくなったフラペチーノのカロリーは従来のものから大きくは変わっていなかった。
  • 改良されたフラペチーノと、他の砂糖が多い飲料も比較してみた。

スターバックスは従来よりも砂糖が少ない新しいフラペチーノをテスト販売している。しかし、他の砂糖の多い飲料と比較してみると、スターバックスの取り組みは消費者の心を再びキャッチできるだろうかという疑問が浮かんでくる。

7月30日(現地時間)、スターバックスは改良したフラペチーノをカリフォルニア州、ミズーリ州、ロードアイランド州の600店舗で販売していると発表した。

新製品は従来のものよりもカロリーや砂糖が少ない。スターバックスの広報担当者は同社は今後、この新しいレシピのフラペチーノのみを販売するとBusiness Insiderに語った。これは同社の“最も甘い”飲料から砂糖を25%カットするという取り組みの一環。

この変更にあたって同社は多大な労力を投入し、2年間にわたって社内テストを行ったと同社幹部はウォール・ストリート・ジャーナルに語った

ウォール・ストリート・ジャーナルによると、スターバックスは改良されたレシピを展開する前に「20タイプのクリーム、70種類のバニラ・エッセンスをテストし、適切な量のバニラ・エッセンスが出てくるディスペンサーを新たに開発した」。

人気のコーヒー飲料に含まれている砂糖

コーヒー飲料に含まれている砂糖の量

Shayanne Gal/BI Graphics

しかし、スターバックスのフラペチーノと他の砂糖が多い飲料を比べてみたところ、1つの疑問が浮かんだ。

スターバックスの努力は、消費者に再びフラペチーノを買わせるのに十分だろうか?

確かにフラペチーノの砂糖を減らすという良い取り組みを行った。しかし、カロリーは依然としてかなり高い。従来のフラペチーノがホールミルク(乳脂肪4%程度)を使っていたことに対して、新しいフラペチーノが低脂肪乳(乳脂肪2%程度)を使っているにもかかわらず。

実際、“古い”キャラメル フラペチーノを低脂肪乳でオーダーした場合のカロリーは410カロリー、新しいレシピより40カロリー高いだけに収まる。

また、フラペチーノに含まれる砂糖を考えた場合、別の問題もある。確かに同社は大きな進歩を遂げたが、消費者を納得させるには不十分かもしれない。砂糖はここ数年、非難の的となっている。多くの研究が健康に与える悪影響を指摘しているためだ。

アメリカ食品医薬品局(FDA)は1日の砂糖摂取量を50グラム以下に抑えることを推奨している。スターバックスの新しいフラペチーノに含まれる砂糖は49グラム。推奨量に収まっているが、わずか1グラム少ないだけ。推奨摂取量ギリギリの新しいフラペチーノが健康意識の高い消費者の心をキャッチすることは難しいだろう。

スターバックスは消費者に再びフラペチーノを注文してもらうための打開策に必死に取り組んでいる。同社は2018年7月、直近の四半期決算においてアメリカの既存店売上高の伸び率は、わずか1%だったと発表。フラペチーノの売り上げ低迷の打撃を受けた結果となった。同社幹部は消費者が砂糖の多い飲料からシフトしていることを原因にあげた。

とはいえ、数年間の取り組みでもフラペチーノの成分にこれくらいの違いしか作り出せないのであれば、レシピの再調整は同社が望んでいる勝利にはつながらなさそうだ。

[原文:Starbucks is testing a Frappuccino with less sugar, but comparisons to other drinks reveals the change may not be enough to win back customers (SBUX)

(翻訳:Yuta Machida、編集:増田隆幸)

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