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ボーイング777のライバル、エアバスの最新鋭機A350-1000

エアバスA350-1000試験機

ファンボロー国際航空ショー2018で、着陸するエアバスA350-1000試験機。

Airbus

  • エアバスA350-1000が2018年はじめ、ローンチカスタマーであるカタール航空で就航した。
  • ここ数年で登場した、炭素繊維強化プラスチックを使った低燃費の次世代航空機の中でも最新鋭機。
  • A350-1000はボーイング777-300ERのライバル機であり、ボーイング747ジャンボジェットをリプレースする機と考えられている。

エアバスA350-1000が2018年2月、ローンチカスタマーであるカタール航空で就航した。ここ数年に登場した、炭素繊維強化プラスチックを使った低燃費の次世代ワイドボディの最新鋭機。

ボーイング747やエアバスA380といった4発エンジンの大型機は主力機としての地位を急速に失い、より小型で燃費に優れた双発のワイドボディ機が長距離路線の主力機となっている。実際、ヴァージン・アトランティック航空は747-400を、今後数年かけてA350-1000にリプレースする予定。

ボーイング777は1994年のデビュー以来これまでに1988機が販売され、最も成功した双発ワイドボディ機となっていた。特に2002年に登場したボーイング777-300ERは最も人気のモデルで、旅客機の総販売機数の約42%を占めている。

一方、エアバスは890機のA350を受注、うち168機がA350-1000だ。

A350-1000が登場するまで、エアバスは777-300ERの真のライバル機を持っていなかった。A330-300は大きいが航続距離が短く、4発エンジンのA340-600は航続距離と座席数は十分だったが、効率性が大きく劣った。

実際、カタール航空はA350-1000と777-300ERの両方を運航している。

「A350-1000は非常に優れた性能を発揮している」と7月、ファンボロー国際航空ショー2018においてカタール航空グループのCEOアクバ・アル・バクル (Akbar Al Baker)氏は語った。

「実際、我々の想定よりも優れている」

エアバスによると、777などの前世代機と比較して、A350は燃費および運航コストを25%削減することができる。

「まさにそのとおり」とアル・バクル氏はA350の燃費効率について語った。

「これがボーイングがエアバスA350-1000の燃費効率に対抗して、777Xを発表した理由」

カタール航空はまた、2020年就航予定のボーイングの次世代機777Xを60機発注している。

カタールの首都ドーハにあるハマド国際空港を拠点とするカタール航空は2014年には、より小型のエアバスA350-900のローンチカスタマーでもあった。

ファンボロー航空ショーでエアバスは、A350-1000のデモフライトを行い、カタール航空は来場者とマスコミにA350-1000を披露した。

新しいエアバスA350-1000を詳しく見てみよう。

ファンボロー国際航空ショーには2機のA350-1000が登場。1機はデモフライト用。

デモフライトを行うエアバスA350-1000

Business Insider/Benjamin Zhang


もう1機はローンチカスタマー、カタール航空の地上展示用。

カタール航空のエアバスA350-1000

Business Insider/David Ibekwe


2018年2月、初号機がカタール航空で就航。

カタール航空のA350-1000、初号機

Business Insider/David Ibekwe


地上展示用はカタール航空の2号機、5月に就航したばかり。

カタール航空A350-100、2号機

Business Insider/David Ibekwe


全長73.78メートル、胴体幅5.61メートル、翼幅64.75メートル。

エアバスA350-1000

Benjamin Zhang/Business Insider


A350-1000は兄弟機A350-900よりも約7メートル長いほか、6車輪の主脚で見分けることができる。

A350-1000の主脚

Business Insider/David Ibekwe


巨大なロールス・ロイス トレントXWB-97エンジンが2基。それぞれ9万7000ポンドの推力を生み出す。

ロールス・ロイス トレントXWB-97エンジン

Business Insider/David Ibekwe


エアバスによると、航続距離は1万5557キロメートル。

エアバスA350-1000

Business Insider/Benjamin Zhang


機内へ。

エアバスA350-1000

Business Insider/David Ibekwe


カタール航空のA350の座席は2クラス構成。ビジネスクラスとエコノミークラス。

カタール航空A350-1000の機内

Business Insider/David Ibekwe


前方はビジネスクラスが46席。「Qスイート(Qsuite)」と呼ばれる。

カタール航空のA350-1000のビジネスクラス「Qスイート」

Business Insider/David Ibekwe

出典 : SeatGuru

各シートには21.5インチの機内エンターテイメント用ディスプレイが設置され、4000本の映画、テレビ番組、音楽チャンネルなどを楽しむことができる。

カタール航空のA350-1000のビジネスクラス「Qスイート」

Business Insider/David Ibekwe


垂直尾翼に設置されたカメラからのライブ映像も見られる。

カタール航空のA350-1000のビジネスクラス「Qスイート」

Business Insider/David Ibekwe


ボタン1つでシートはベッドに変わる。

カタール航空のA350-1000のビジネスクラス「Qスイート」

Business Insider/David Ibekwe


ボタン。

カタール航空のA350-1000のビジネスクラス「Qスイート」

Business Insider/David Ibekwe


ウィンドウ・シェードは電動。

カタール航空のA350-1000のビジネスクラス「Qスイート」

Business Insider/David Ibekwe


壁側のシートの造りは極めて伝統的。

カタール航空のA350-1000のビジネスクラス「Qスイート」

Business Insider/David Ibekwe


だが中央列のシートはユニーク。さまざまに変更できる。

カタール航空のA350-1000のビジネスクラス「Qスイート」

Business Insider/David Ibekwe


例えば、シートの間のパーティションを下げて、会議のためのオープンスペースにできたり、

カタール航空のA350-1000のビジネスクラス「Qスイート」

Business Insider/David Ibekwe


一緒に素敵な食事を楽しむことができる。

カタール航空のA350-1000のビジネスクラス「Qスイート」

Business Insider/David Ibekwe


上から見たところ。

カタール航空A350

Qatar Airways

※カタール航空の広報用写真より

2つのシートをつなげば、ダブルベッドになる。

カタール航空のA350-1000のビジネスクラス「Qスイート」

Business Insider/David Ibekwe


Qスイートの後方には、281席のエコノミークラス。

カタール航空のA350-1000のエコノミークラス

Business Insider/David Ibekwe

出典 : Seatguru

3-3-3列構成で、1列9席。

カタール航空のA350-1000のエコノミークラス

Business Insider/David Ibekwe



シート間隔は80センチ程度。バットマンのような照明も!

カタール航空のA350-1000のエコノミークラス

Business Insider/David Ibekwe


各シートには機内エンターテイメント用ディスプレイ、電源プラグ、USBプラグ。

カタール航空のA350-1000のエコノミークラス

Business Insider/David Ibekwe


合計で327シート。すべてをエコノミークラスにすれば、最大440シートとなる。

カタール航空のA350-1000

Business Insider/David Ibekwe


エアバスはこれまでに168機のA350-1000を受注している。

エアバスA350-1000

Business Insider/Benjamin Zhang


[原文:Check out the new Airbus jet that will rival Boeing's 777 and replace the 747 jumbo jet

(翻訳:Hughes、編集:増田隆幸)

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