中国ECのJD.comが日本に購買センター開設。隠れた良品発掘、1年で仕入れ倍増へ

JD.com

物流と配送で同業他社と差別化を図る京東。写真は高級品配送チームの配送員。

Jason Lee Reuters

中国EC大手の京東集団(JD.com)は9月3日、同社にとって海外初となる購買センターを東京・大手町に開設したと明らかにした。

京東はECサイト「京東商城」のほか、海外企業向け越境ECサイト「京東全球購(JD Worldwide)」を展開。企業による店舗出店と、京東が商品を仕入れて販売する2通りの方法で運営している。

越境ECの総責任者、楊葉氏によると、同社が取り扱う海外製品の中で、日本商品の販売量は全体の21%を占め、アメリカ(22%)に次いで2番目に多い。同社は海外のより多様な商品を発掘・調達するため、2018年に入って各国に購買センター開設を決定。最初の開設先として、日本と韓国を選んだ。今後、アメリカやヨーロッパにも購買センターを置く予定。

大量生産品以外も取り扱いたい

朱丹

日韓購買センターの朱丹総経理。「個人的には資生堂、ポーラ、SK-IIの商品が好き」と話した。

日韓購買センターの責任者、朱丹氏は「これまでは、日本に営業スタッフが1人しかおらず、代理店を通じて商品を仕入れていたが、直接仕入れを手掛けることで、日本企業とのコミュニケーションがより密接になる。日本円ベースで取り引きするため、為替のリスクも回避できる」とメリットを語った。

免税手続きや国際物流を支援することで、中小企業との取引増も期待でき、これまで中国本社で行っていた売れ筋の管理やプロモーションを日本で行うことで、中国人消費者のニーズにも素早く対応できるとしている。

楊葉

越境EC事業部の楊葉総経理は「日本商品の品質は消費者から広く認められている」と話した。

楊氏によると、日本商品では、ベビー・子ども用品、化粧品、健康食品が不動の人気を誇るが、中国の消費力の拡大を受け、「ファッションや食品もポテンシャルが高い」という。また朱氏は、「爆買いが注目されてきたが、職人の工芸品など、大量生産品以外の商品も多く取り扱いたい」と語った。

今後、バイヤーなど購買センターの人員を拡充し、1年で日本商品の仕入れ量を2倍に増やす計画。

偽ブランド排除にブロックチェーン

京東は、10億人のユーザーを持つ世界最大のメッセージアプリ微信(WeChat)を運営する騰訊(テンセント)と提携している。

朱氏は、「微信や(テンセントが運営するチャットツール)モバイルQQは、京東のECサイトと接続しており、当社の売り上げの10%がテンセントのアプリ経由で生まれている。微信はSNSデータを、京東は買い物データを持っており、2つのビッグデータを活用することで、非常に効果的なプロモーションを展開できる」と強みを語った。

また、偽ブランド品などを排除するため、ブロックチェーン技術を用いて、仕入れルートの流れを追跡するなど、顧客体験の向上のためにテクノロジーに投資していると強調した。

(文・浦上早苗)

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