スタートアップ登竜門で優勝したのは名古屋大学発・物流AIベンチャー「オプティマインド」:ICC京都

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ICC京都のスタートアップカタパルトに登壇した全14社の起業家。

ベンチャーの共創カンファレンス「ICCサミット KYOTO 2018」が9月3日に開幕した。4日間にわたるイベントの初日朝イチの目玉はベンチャーの登竜門、「スタートアップカタパルト」だ。

選抜された登壇14社のプレゼンバトルを勝ち抜いて優勝したのは、名古屋大学発の物流AIベンチャー、オプティマインドだった。

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優勝したのはオプティマインド。優勝バナーを掲げるのは、代表を務める松下健氏。

オプティマインドは名古屋大学出身者を中心とした学生起業ベンチャー。代表の松下健氏は1992年生まれ。複数の目的地を一筆書きにした最短配送ルートを算出する、組み合わせ最適化アルゴリズムの技術を武器に、ラストワンマイルの物流ルートの最適化に特化したクラウドサービス「Loogia」をリリースしている。

Loogiaで物流業界に勝負する理由を、荷物の数が増えて配送が複雑化している一方で、ドライバ不足の現状がある。10年後には24万人が不足するのに、効率化が進んでいないと説明する。

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Loogiaでのルート表示例。

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10年後、ドライバーは24万人不足すると試算。コストもさることながら、人材の確保の観点で「効率化」は大きな課題になっている。

オプティマインドは日本郵便のオープンイノベーションプログラムに採択されており、配送車両を使った実証実験を開始している。関係者によると、複数の企業も含めた実証を今秋を目処に終え、さらに精度を高めていくという。

物流業界には、クロネコヤマトのヤマト運輸や佐川急便といった大手宅配便プレーヤーのみならず、自販機の補充や各種営業のルート配送を含めると中小のプレーヤーが数多くいる業界だ。オプティマインドによると、ルート算出のIT化を進めているのは一部の大手のみで、多くの企業が紙ベースの作業によってルート決定を人力で設計しているという。

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日本郵便とのPoC(実証)の例。ルート最適化をAIが担うことで、作業時間全体の短縮につながり、新人ドライバーであっても効率の良いルート作成と宅配が可能に。

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酒販会社の実証事例。

日本郵便との実証では、従来、新人が44分かかっていたルート作成作業をAIによって6分に短縮、また配送に要する時間も12分短縮し、全体として50分の時間短縮ができるなど、実効性があることが確認できている。

Loogiaでは、単に配送経路をアルゴリズム算出するだけではなく、物流に特化した実地データのフィードバックも生かしている。たとえば、ルートの中でトラックがどの位置に停車したか、停車時間、避ける道といった、経験値データもフィードバックしてアルゴリズムに活かす。

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オプティマインドブースにて。名古屋大学の博士課程在籍のメンバーもいる。

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GPSなどデータ取得からのフィードバック、学習、入力、最適化のサイクルを回し、ルート最適化の精度を上げていく。

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配送のルート最適化は、単なるグーグルマップのルート検索とは必要な要素が全く違うことが分かる例。配達時の停車時間、停車場所など地図だけでは分からないデータが、効率化には重要になる。

(文、写真・伊藤有)

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