ナイキの新しい広告を見てスニーカーを燃やす人々、その理由は?

抗議のために燃やされるナイキのシューズ

抗議のために燃やされるナイキのシューズ。3日に投稿された動画より。

Sean Clancy/Twitter

  • ナイキは新しい広告キャンペーンにコリン・キャパニックを起用した。NFLの試合前の国歌斉唱中に黒人に対する人種差別や不当行為に抗議する意味で片膝をつき、起立することを拒否した1人目の元NFL選手。
  • そして、キャパニックの行為に反対する人たちがナイキ製品を破壊する動画をすぐに投稿し始めた。

アメリカでは、コリン・キャパニック(Colin Kaepernick)を起用したナイキの新しい広告に抗議して、人々が所有するナイキ製品を破壊している。キャパニックは、警察による人種差別に抗議して試合前の国歌斉唱の際に片膝をついていたことでトランプ大統領の怒りをかった元NFLのクォーターバック。

キャパニックは2016年8月、試合前の国歌斉唱中にベンチに座っていたことで議論を巻き起こした。起立しない理由を聞かれた彼は、武器を持っていない黒人男性が警官に射殺された事件に対する抗議と語った。

彼はそれ以降、国歌斉唱中は常に片膝をついた。キャパニックは2017年シーズン以降、チームとの選手契約がないが、複数の選手がこの慣習を受け継いでいる。

9月3日夜(現地時間)にスタートしたナイキの新しいキャンペーンには、キャパニックの顔写真とともに、「何かを信じろ。たとえすべてを犠牲にしても(Believe in something. Even if it means sacrificing everything.)」とある。

「何かを信じろ。たとえすべてを犠牲にしても(Believe in something. Even if it means sacrificing everything.)」 #JustDoIt

しかし、国歌斉唱中に膝をつく行為は昨年、アメリカの世論を二分した。トランプ大統領は国旗と軍を侮辱する行為と批判した。

そして3日、ナイキのシューズを燃やしたり、トレードマークを靴下から切り取ったり、二度とナイキ製品を購入しないと語る人たちの動画がすぐにネットに溢れた。

多くの投稿には、ナイキのスローガン「Just Do It」をもじったハッシュタグ「#JustBurnIt」が入っている。

ナイキへ。新しい広告でコリン・キャパニックを支持しているため、アメリカ人の1人として、私はもう貴社を応援することはできない」 #boycottNike#IStandForOurFlag

「最初はNFLが、スポーツと国家のどちらを選ぶかを私に強要した。国家を選んだ。今度はナイキが、お気に入りのシューズか国家かと迫っている。国旗と国歌はいつから侮辱の対象になった?」

カントリー・ミュージシャンのジョン・リッチ(John Rich)は、一緒に仕事をしている元海兵隊の音響技術者が、抗議の意味で靴下からナイキのトレードマークを靴下から切り取ったとツイートした。

「うちの音響担当が靴下からナイキのトレードマークを切り取った。元海兵隊。ナイキ、準備をしろ。数百万人が同じことをする」

ツイッターユーザーのArtenenAeolusもナイキ製品を燃やしている男性の動画を投稿した(今は削除されている)。

ツイッターユーザーのArtenenAeolusが投稿していた動画のキャプチャ。

ツイッターユーザーのArtenenAeolusが投稿していた動画のキャプチャ。

Twitter/ArtenenAeolus

ツイッターユーザーのArtenenAeolusが投稿していた動画のキャプチャ。

同上。

ArtenenAeolus/Twitter

Kolten Conradは、一式をゴミ箱に捨てることにしたようだ。

ナイキコリン・キャパニックを支持していることが分かったから」 #BoycottNike

Facebookに投稿された動画には、「I just did it」と発言する男性が映っている。

別の人もナイキのシューズを燃やしている動画をFacebookに投稿した。「もう二度とナイキのシューズを履くことはない」と語る男性の声が聞こえる。

これらの抗議がナイキにどのような影響を与えるかは分からない。同社の直近の会計年度の売上高は345億ドル(約3兆8400億円)

「ナイキは計算済み。問題はないだろう」と俳優のザック・ブラフ(Zach Braff)はツイートした。そして皮肉たっぷりに付け加えた。

「でも、お願いだから、靴下は燃やして」

またブルームバーグのアナリスト、チェン・グラズティス(Chen Grazutis)は4日、「長期的な関係と今後10年にわたって双方に利益をもたらす契約は、今起きている議論より重要となる可能性が高い」と語った

片膝をつく選手たち

Thearon W. Henderson/Getty

キャパニックの抗議は、世界中から支持と批判を集めた。

数十人のフットボール選手やバスケットボール選手、またチアリーダーやバンドメンバーが国歌斉唱時に片膝をついたり、座わり込んだ。

トランプ大統領は、キャパニックに続いた選手を非難した。

トランプ大統領は2017年9月、NFLのオーナーは国歌斉唱中に片膝をつく選手のプレーを禁止すべきと示唆した。

「誰かが我々の国旗を侮辱した時に、NFLのオーナーが『今すぐ、あいつをフィールドから追い出せ』と言うのを見たくないか?」と大統領は支援者集会で語った。

また大統領は以下のようにツイートした

「この膝つき問題は人種とは関係ない。これは我々の国家、国旗、国歌に対する敬意の問題。NFLは敬意を払わなくてはならない!」

「トランプ大統領は、NFLのオーナーたちが国歌斉唱に抗議している人に『今すぐ、あいつをフィールドから追い出せ』と言うことを願っている」

[原文:People are destroying their Nike shoes and socks to protest Nike's Colin Kaepernick ad campaign

(翻訳:Yuta Machida、編集:増田隆幸)

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