アマゾンはメルセデス・ベンツの新型商用バン「スプリンター(Sprinter)」を2万台購入する。
Reuters/LINDSEY WASSON
- アマゾンは9月5日(現地時間)、新しい配送プログラムで使用するためにメルセデス・ベンツの新型商用バン「スプリンター」を2万台購入すると発表した。
- 2018年6月に発表された配送プログラムは、FedEx、UPS、米国郵政公社のような配送大手への依存を軽減するためのもの。
- 2万台の新しいバンは、配送プログラムへの大きな投資。だが、その数はまだ大手の車両数よりも少ない。
アマゾンは新しい配送プログラムに全力で取り組んでいる。
同社は9月5日(現地時間)、自社の配送ネットワークを拡大するためにメルセデス・ベンツの新型商用バン「スプリンター(Sprinter)」を2万台購入すると発表した。バンはアマゾンの荷物を配送する会社を起業する人に提供される。
アマゾンは6月、新しい配送プログラムを発表、起業して配送パートナーになり、100人の従業員で、40台の車両を運用すれば、年間30万ドル(約3300万円)の利益が得られると語った。新しいバンは、アマゾンが所有、管理するのではなく、車両管理会社から起業した人にリースされる。
だがバンはアマゾンの手によってデザインの統一が図られ、ブルーのプライム・ロゴが描かれる。
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バンの購入は、配送パートナーの起業を支援することで、UPS、FedEx、米国郵政公社といった現行の配送企業への依存を減らそうというアマゾンの計画の一環。発注したバンの台数は、世界で約11万9000台を運用しているといわれるUPS、10万台以上のFedExエクスプレス(航空便)の車両と6万台以上のFedExグラウンド(宅配便)の車両を保有するいわれるFedExと比べると、まだはるかに少ない。
アマゾンの広報担当者は、配送プログラムへの申し込みは「数万件」に上った。第1弾として約500件を選ぶ見込みとウォール・ストリート・ジャーナル に語った。
アマゾンのワールドワイド・オペレーション担当シニア・バイス・プレジデントのデイブ・クラーク(Dave Clark)氏は、2万台の発注は「驚異的な反響」のために当初の発注数を増やしたことを反映したものとメルセデス・ベンツとの共同声明で述べた。
アマゾンは、プライム会員への特典の一環として迅速な配送を実現するために、すでに数百の配送企業と提携している。新しいバンは、同社にとって自社配送ネットワーク構築への大きな第一歩。
同社にとって増大する配送コストは、同社のビジネスの最も重要な部分をよりコントロールしようとする取り組みの大きな要因となっている。
今年、アマゾンがアメリカ証券取引委員会に提出した年次報告書によると、配送コストは2015年の115億ドル(約1兆3000億円)から、2017年には2倍近くの217億ドル(約2兆4000億円)に上っている。
(翻訳:一柳優心、編集:増田隆幸)