コストコは寛大な返品ポリシーで知られている。
Tim Boyle/Getty Images
- コストコは非常に寛大な返品ポリシーで知られている。年間最低でも60ドルを支払っている会員は、商品に不満があれば、ほぼすべての商品をいつでも返品できる。
- 少なくともハワイにある1店舗は、この返品ポリシーを最大限に利用する観光客のターゲットになっている。一部の顧客は、シュノーケルやカヤックなど、明らかに旅行中に使ったと思われるビーチ用品を返品している。
- 度重なる返品は、メンバーシップを現実的に危険にさらす可能性がある。
例外はあるものの、コストコの寛大な返品ポリシーのおかげで、会員はレシートがなくても、ほぼすべての商品をいつでも返品できる。
クリスマスツリーを1月に返品したり、食べ終えて骨と脂だけになったステーキや空のワインボトルを返品するなど、同社の返品ポリシーを限界まで利用している会員がいることは今や公然の秘密。
少なくともハワイにある1店舗は、明らかに同社の返品ポリシーを最大限に利用する観光客のターゲットになっている。
4年前に引退してマウイ島での生活を始めた、コストコ会員歴30年以上のジェームズ・ゴールデネッツ(James Goldenetz)氏によると、明らかに休暇中に使ったと思われる商品を返品している観光客を見かけることは珍しくない。
同氏の最寄りのコストコはカフルイ空港の近くにあり、海沿いのホテルやコンドミニアムに向かう途中で、休暇中に使うアイテムを購入するには最適な場所と同氏は述べた。
使用済みのシュノーケル、半分飲んだウォッカ
ハワイはお金のかかる旅行先として知られている。必需品のほとんどは輸入品のため、価格も高い。パーソナル・ファイナンスサービスのMoneyRatesによると、ハワイの生活費はアメリカの平均よりも88%高い。
ゴールデネッツ氏は、おそらく休暇のためだけに購入したと思われるカヤックやシュノーケル、マスクといった明らかに使用済みのビーチスポーツ用品を返品する会員を数多く見かけたことがあると語った。
「もはや笑える」とゴールデネッツ氏。
これらの会員たちは、お金を節約するために返品しているのだろう。家の近くのコストコには、トロピカルな休暇に必要な道具が売っていないのかもしれない。
ゴールデネッツ氏は、使用したビーチサンダルから半分飲んだウォッカまで、観光客がありとあらゆるものを返品する場面を見たことがある語った。そして、会員たちはカヤックを400ドルで買い、1週間後に返品することで、レンタル料金を節約しているのだろうと述べた。
「こうした行為を禁止する法律があるべき」と同氏は付け加えた。
また同氏はコストコの店員は会員たちの意図に疑問を持っていないようだと語った。
「店員は笑顔で、仕事の一環として対応している」
度重なる返品は“しっぺ返し”となる可能性がある
マウイ島のコストコに並ぶアロハシャツ。
Yelp/Brandon Z.
ハワイには、コストコが7店舗ある。
我々はマウイ島にある店舗とオアフ島にある店舗に、観光客からの返品レベルは高いのかどうかを質問したが、カスタマーサービス担当者はコメントしなかった。
だが、マウイ島のカスタマーサービス担当者は、この類の返品があることを認めた。
この件について、コストコの広報担当者にコメントを求めたが、まだ返答はない。
トリップアドバイザーの2013年のスレッドでは、あるユーザーがゴールデネッツ氏がよく足を運ぶマウイ島の店舗で返品ポリシーを悪用したことを明かしている。
「もしあなたが私のように、時々コストコのメンバーシップに対するモラルが欠如しているなら、年会費を払っている特典と全商品に適用される返品ポリシーを活用して、ビーチ用品を現地で購入し、思う存分使って、最終日に返品すればいい」とそのユーザーは投稿した。
「元のパッケージは不要、コンピューターで会員アカウントとともに購入履歴が保存されているからレシートすら要らない。ただ商品を返品し、理由を聞かれたら、『思っていたのと違った』と伝えるだけ」
そして、これまでの食料品の買い物や会員費に支払ってきた金額がこうした行為を正当化してくれるので、何も感じないと続けた。
しかし、この考え方に落とし穴がないわけではない。返品が多すぎる、あるいは不適当な返品が多すぎる場合、メンバーシップが取り消されるケースがあると2018年8月、Business Insiderは伝えた。
「会員がコストコの商品に満足できない場合、会員費を返金し、メンバーシップを取り消すことがある。この判断は、ケースバイケースで行われ、決定は各店舗のマネージャーに委ねられる。さらに、会員特典および条件の悪用を理由にメンバーシップを取り消すこともできる」とコストコの広報担当者は8月、Business Insiderに語った。
(翻訳:Yuta Machida、編集:増田隆幸)