John Bazemore/AP
- アメリカで物議を醸しているNFLの元クオーターバック、コリン・キャパニック氏を起用した広告がリリースされてから、ナイキ(Nike)の人気がミレニアル世代の投資家の間で高まっている。
- ミレニアル世代に人気の株取引アプリ「ロビンフッド(Robinhood)」では今週、1万5191人の投資家がナイキを自身のポートフォリオに加えた。先週から45%増えた。
- アメリカのトランプ大統領は5日(現地時間)、ツイッターでナイキの広告を批判した。
- ナイキは、より若い世代にリーチしようとしていると、アナリストは指摘する。
- ナイキの最新の株価情報はこちら。
コリン・キャパニック氏を起用し、アメリカで物議を醸しているナイキの広告は、少なくともミレニアル世代の投資家向けには成功したようだ。若い投資家の間で人気の株取引アプリ「ロビンフッド」のデータから分かった。
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ナイキは「Just Do It」のスローガンの30周年記念キャンペーンに、国歌斉唱の際に片ひざをつくことで人種差別に抗議したNFLの元クオーターバック、キャパニック氏を含む複数のアスリートを起用していた。
キャンペーンが3日に明らかになると、ナイキ株は今週、2%下落した。しかしその一方で、ロビンフッドでは今週、1万5191人の投資家がナイキを自身のポートフォリオに加えた。先週から45%増えた。Business Insiderがデータを確認した。
「ロビンフッドの投資家たちは、ナイキ株を売るよりも300%以上買っている。先週は12%だった」
ロビンフッドのデータ・サイエンティスト、サヒル・ポダー(Sahill Poddar)氏は4日、Business Insiderに語った。「ナイキ本社があるオレゴンの投資家たちは、ナイキ株を売るよりも850%以上買っている」
同アプリで、ナイキは37番目に人気の銘柄で、先週の57位から順位を上げている。
国歌斉唱の際に選手が片ひざをつく抗議行動をめぐっては、NFLのシーズンが始まる中、再度注目を集めそうだ。この行為はアメリカのトランプ大統領の怒りを買った。大統領は5日、キャパニック氏を起用したナイキの広告について、ツイートしている。
「ナイキは間違いなく(消費者の)怒りとボイコットに殺されるだろう」
トランプ大統領はつぶやいた。「こうなることを、彼らは想像しなかったのだろうか? 」
オッペンハイマー(Oppenheimer)のアナリスト、ブライアン・ナゲル(Brian Nagel)氏によると、ナイキは短期的には苦労するが、長期的には得る物の方が大きいという。MarketWatchによると、ナゲル氏は、ナイキは政治的な思想とは関係なく、アスリートとそのストーリーを通じて、業界を「ざわつかせよう」としているのだと指摘する。
ナイキの株価は2018年に入ってから、29%上昇している。
[原文:Nike's controversial bet on Kaepernick has millennial investors piling into the stock (NKE)]
(翻訳、編集:山口佳美)