マー氏は9月10日に54歳の誕生日を迎える。
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- アリババのジャック・マー会長は、9月10日に引退する予定だとニューヨーク・タイムズに語った。
- この報道に先駆け、ブルームバーグのインタビューに応じたマー氏は、今後、教育を中心とした慈善活動のために、より多くの時間と資金を注いでいくと語っていた。
- この動きは、マイクロソフトを後にする前のビル・ゲイツ氏にそっくりだ。
- 同氏はアリババの共同創業者で、現在は会長を務めている。2013年まで同社CEOだった。
アリババのジャック・マー会長は、9月10日に引退する計画だ。取締役にはとどまり、経営に対する助言は続けるという。9月7日、ニューヨーク・タイムズが報じた。
10日に54歳の誕生日を迎えるマー氏は6日、今後は慈善活動のために、より多くの時間と資金を注いでいくとブルームバーグに語っていた。
2014年に設立された『ジャック・マー財団』は、中国の教育システムの向上(中でも地方の教育)をその主な目的としている。2017年には、地方の貧困撲滅のため、今後10年にわたって教師のトレーニング・プログラムに3億元(約48億7000万円)を提供すると約束した。
アリババを創業する前は英語教師として働いていたマー氏は、「いつか近いうちに、教育の世界に戻るつもりだ。アリババのCEOでいるより、自分にはずっとうまくやれると思う」 とブルームバーグに語った。
この動きは、マイクロソフトのCEOを辞める6年前の2000年に、慈善活動を行うための自身の財団を設立したビル・ゲイツ氏にそっくりだ。
ヘルスケアと貧困問題の解決のため、ビル&メリンダ・ゲイツ財団を運営しているゲイツ氏とその妻は2018年8月、アメリカで最も惜しみない慈善家に選ばれている。
マー氏はブルームバーグに語った。「ビル・ゲイツ氏から学ぶことは多い。彼ほどリッチには決してなれないが、早めにリタイアすることだけは、彼よりうまくやれそうだ」
AP / Kin Cheung
アリババは中国最大のeコマース会社だ。その事業は、オンライン・ショッピングからクラウドコンピューティング、食事の配達まで多岐に渡る。同社の直近の事業年度の売り上げは、1580億元(約2兆5600億円)だった。
マー氏は2013年にアリババのCEOから退いたが、会長として会社にとどまり、存在感を示し続けている。
フォーブスによると、その純資産は約390億ドル(約4兆3300億円)にのぼり、マー氏は中国で2番目、世界で20番目に裕福な人物だ。
同氏には、エキセントリックなビリオネアの一面もある。2017年には会社のパーティーでマイケル・ジャクソンの衣装を身に付け、ステージで踊ったほか、自らのカンフー映画に出演し、8人の有名武道家を太極拳の力で倒した。
(翻訳、編集:山口佳美)