驚きのバッテリー駆動 最大1カ月! カシオ「Pro Trek Smart WSD-F30」実機 最速レポート

Pro Trek Smart WSD-F30

カシオのアウトドア向けスマートウォッチ「Pro Trek Smart WSD-F30」がIFA 2018でお披露目となった。

ドイツ・ベルリンにて開催された家電の展示会「IFA 2018」。家電やPC、スマートフォンなどの展示が主流のなかで、異彩を放っていた日本メーカーのブースがカシオ計算機だ。同社は、新型スマートウォッチ「Pro Trek Smart WSD-F30」をIFA 2018に合わせて新発表した。2016年の実質的な初代モデルの発表以来、独自の進化を続けているアウトドア系スマートウォッチの最新の進化を解説する。

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最長で約1カ月駆動可能になった最新モデル「F30」

WSD-F30と前世代機の比較

写真左から第2世代目であるWSD-F20、第3世代目のWSD-F30。WSD-F30の方が小さくて軽い。

WSD-F30は、カシオのアウトドアギアシリーズの「Pro Trek」のうち、グーグルのスマートウォッチ向けOS「Wear OS by Google」(以下、Wear OS)を搭載したモデルの第3世代にあたる。

第2世代の「WSD-F20」と比べて、ケース幅は約3.9mm減の約53.8mm、厚さは約0.4mm減の14.9mmと小型化。合わせて、ディスプレーも1.32インチから1.2インチへと小さくなった。WSD-F20から引き続きカラーとモノクロの2層構造ディスプレーを採用する(今回、カラー側は有機ELを採用)。

WSD-F30

1.2インチの有機ELディスプレーとモノクロ液晶の2層構造。小柄だが、米国防総省が定めた「MIL-STD-810G」に準拠するタフネス仕様。

この構造により、Wear OSやGPSなどの機能を制限してモノクロ側での時刻や気圧、高度、方位情報を表示する「マルチタイムピースモード」時には、約1カ月間という非常に長い連続駆動時間を実現している。

IFA会場の説明員によると、こうした小型化や情報表示を維持した上での駆動時間の長時間化は「Pro Trekのメインターゲットであるアウトドア活動を愛する人々に快適に使ってもらうため」と話している。

WSD-F30を装着してみた

「マルチタイムピースモード」は、Wear OSの機能をオフにして、モノクロで各種情報を表示する。登山時など長時間充電できない時も安心して使える。

筆者は約4年間ほどスマートウォッチを使っているが、WSD-F30の実機を触ってみると驚くほどコンパクトで、しかも軽く感じた。同社はメインの用途は「アウトドア向け」と話すが、このサイズ感と長い駆動時間は、日常使いにも申し分ないものだ。

カシオのスマートウォッチの販売台数は4倍の伸び

CASIO Booth in IFA 2018

IFA 2018のカシオブースには、同社とPro Trekのロゴと一緒に、「Wear OS by Google」の文字が大きく掲示されていた。

約1カ月のマルチタイムピースモード時は犠牲となってしまうが、Waer OSの機能も非常に快適なものだった。カシオのブースでは、グーグルが8月29日に発表したWear OSの最新バージョンをインストールした実機を展示していた。これは、筆者が見る限りIFA 2018の会場でカシオだけだった。

同説明員によると、カシオとグーグルはスマートウォッチの開発で緊密な連携関係にあり、WSD-F30は開発段階からグーグル側とコミュニケーションをとりながら、製品化を進めたという。実際、IFA 2018に合わせた発表会ではグーグル側のWear OS担当者も登壇し、デモを行った。

Wear OS by Google

最新版のWear OS by Googleは、UIの更新により「Google アシスタント」と「Google Fit」への誘導が強化された。IFA 2018会場内ではグーグルが至るところでGoogle アシスタントの宣伝活動を行っており、この機能は名実ともにグーグルの注力分野と言える。

このようにカシオがスマートウォッチの開発に注力する理由は、「スマートウォッチの売り上げの伸びがある」(同説明員)からだ。具体的な出荷台数などは公開されていないが、「WSD-F20(2017年4月発売)の販売台数は、(最初のモデルの)WSD-F10(2016年3月発売)の4倍ほどにものぼっている」としている。

時計メーカーとして大きな実績を持つ同社にとっても、スマートウォッチの存在は決して軽いものではないようだ。

新型Apple Watchや新SoCの公開も期待

WSD-F30

今後も変化するスマートウォッチ市場で、Pro Trek Smartは存在感を示せるか。

IDCが2018年9月4日に公開した調査結果によると、スマートウォッチを含むウェアラブル市場は、2018年第2四半期で48億ドル(約5328億円)の規模で、昨年同期比で8.8%の成長を遂げている。

これは日本を除くアジアや中東などで、中国シャオミなどの単機能なスマート活動量計が好評を得ている影響が大きい。IDCのアナリストは「新規参入メーカーも増えており、今後高機能なスマートウォッチの需要も高まっていく」と予測している。

Apple Special Event 2018

アップルのApple Special Event告知ページ。

出典:アップル

実際、スマートウォッチ業界は今後、大きな動きがあるだろう。

2018年第2四半期トップシェアの17%を占めるのはアップルだが、同社が日本時間9月13日午前2時の発表会では新型iPhoneに加えて第4世代のApple Watchを発表するのでは、という予想もある。

また、スマートフォン向けなどの半導体メーカー大手であるクアルコムも9月10日に新型ウェアラブル向けSoCを発表する見通しだ。

※SoCとは:
System on a Chipの略。1チップでコンピューターを実現する統合半導体のこと。

WSD-F30の日本発売は2019年1月で、メーカー希望小売価格は6万1000円(税抜)となる予定だ。

(文、撮影・小林優多郎)

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