成長続くペットボトル飲料水に「環境問題」の死角

パリス・ヒルトンによる

Nano Drop

ボトルドウォーターの売り上げが過去最高を記録したアメリカで、ペットボトルの購入を避ける人が増えている。 コンサルティング会社ビバレッジ・マーケティング(Beverage Marketing Corporation)の調査によると、昨年アメリカではボトルドウォーターの消費量が128億ガロン(約485億リットル)に達し、炭酸飲料の消費量を上回った

健康志向の消費者が炭酸飲料から乗り換え、ボトルドウォーターの売り上げは爆発的な成長を見せている。 しかしそれは、企業による戦略によるものだとの批判も挙がっている。

「ボトルドウォーターをやめるのは、母なる地球と財布に優しい」

ペットボトル容器の撤廃を提唱する団体「Ban the Bottle」はそう主張する。 Ban the Bottleによると、毎年380億本ものペットボトル容器がリサイクルされず無駄になり、その額は10億ドル(約1090億円)以上にもなる。また、ペットボトルの生産は環境に大きな負荷がかかる。アメリカ国内のペットボトル容器の需要を満たすには、自動車130万台の1年間の燃料に相当する年間1700万バレル(約27億リットル)の石油が必要だ。

「Ban the Bottle 」のキャンペーン。

「Ban the bottle」は成功! 生徒たちは使い捨てペットボトルから再利用できるボトルに替えました。

イギリスでは、ボトルドウォーターの禁止、もしくは課税する動きが高まっている。ロンドン議会の環境委員会は2月、プラスチックボトルが都市に与えている影響についての調査を開始した。

また、ボトルドウォーターを販売する企業は、水の調達方法をめぐっても反感を買っている。 ボトルドウォーター生産でアメリカ国内1位のネスレは昨年9月、カナダの小さな自治体が購入を予定していたオンタリオ州の井戸を買収し、不買運動にさらされた。また、同社は昨年11月にも、ミシガン州の水源でさらに水をくみ出そうとし、非難を浴びた。 ネスレは、コミュニティとの妥協点を模索するとしているが、これらの出来事は、ボトルドウォーターへの反発を高める形となった。

サンバーナディーノの住民とレッドランズ大学の学生は、ネスレがボトルドウォーター生産から撤退するよう呼びかけています。

残念ですが、フリント(ミシガン州の都市)で売られているボトルドウォーターは、ネスレによってミシガン湖から吸い上げられている、ただ同然の水です。

お騒がせセレブリティとして知られるパリス・ヒルトンでさえも、ボトルドウォーター撲滅を呼びかけている。

「ペットボトルは地球を汚染しています」

水を炭酸水に変換する機械を販売するソーダストリーム(SodaStream)が今月発表した広告の中で、パリス・ヒルトンはそう語った。

「2003年ごろに、店でボトルドウォーターを買って持ち帰っていた自分の姿を思い出してみてください。ばからしいことをやっていました」

以前、The Weekはボトルドウォーターの流行を「今世紀最大のマーケティングの成功例」と呼んだ。ペットボトルの水が炭酸飲料よりも健康的な選択であることを、消費者に植え付けるのに成功したのだ。 しかし人々は最近になって、ボトルドウォーターがカロリーと糖分を減らす選択肢であるとしても、その存在が大きな負荷になっていることに気付き始めている。

source:Nano Drop

[原文:Bottled water is the new smoking — and the industry is starting to face a backlash

(翻訳:Wizr)

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