これまでアップルは、自動運転車の開発を行っていることを公式に認めていなかった。
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アップルが「電話」に続き、いよいよ「自動車」の再発明に乗り出す。同社はカリフォルニア州で自動運転車をテストするための認可を受けた。またこれは同社が、成長を支える新たな市場を必要としていることも示している。
4月14日金曜日、カリフォルニア州車両管理局(DMV)のウェブサイトに、自動運転車のテストの認可を受けた企業として、テスラやグーグルなどに加えて、アップルが追加された。
車両管理局の広報担当者はBusiness Insiderに対し、「本日2017年4月14日、カリフォルニア州車両管理局はアップルに自動運転車のテストに関する認可を与えた。認可は、2015年モデルの3台のレクサスRX450hと6人の運転手が対象」と語った。
公道で自動運転車のテストを行う際には事前に申請しなければならない。これまで自動運転車の開発を行っていることを公式に認めていなかったアップルの水面下の動きが、ようやく表面化した。
アップルは、公道での自動運転車のテストについてコメントを拒否しており、「機械学習と自律システムに重点的に投資している」との従来のコメントを繰り返した。
ついに自動運転車に乗り出すアップル
レクサスRX450hが自動運転の実験車両として使用される。
Lexus
グーグル、Uber、フォード、テスラ、GMなど、IT業界と自動車業界は、自動運転車の開発という野心的な競争の真っ最中だ。テスト車両の屋根や側面には、レーダーやセンサー、カメラなどが取り付けられている。サンフランシスコではもはやお馴染みの風景となっている。
自動運転車が広く普及するには、技術的な課題はもちろん、政治や規制上の問題も残されている。しかし、専門家は自動運転車市場は今後、数十億ドル規模に成長すると見ている。
アップルが自動運転車に取り組んでいることは公然の秘密だった。カリフォルニア州サニーベールなど、同社の複数のサテライトオフィスでは、1000人規模のスタッフが「プロジェクト・チタン」と名づけられた、特別なプロジェクトに従事していると見られている。またアップルは、企業が秘密裏に自動運転車をテストできる、プレイベートな試験コースとすでに関係を持っている。
以前、同社CEOのティム・クック氏は、「しばらくはクリスマス・イブのまま(編集部注:プレゼントは次の日=発表はまだないという意味と思われる)」と述べた。
ブルームバーグによると、昨年、プロジェクトには複数の課題が持ち上がり、同社のベテランエンジニア、ボブ・マンスフィールド(Bob Mansfield)氏が新たな責任者となった。同氏はプロジェクトの見直しを行い、新たな目標を設定したという。アップルは車両本体ではなく自動運転ソフトウェアの開発に注力していると思われるが、プロジェクトの実体はまだ謎に包まれている。
ブルームバーグは、アップルが今年末までに自動運転車に関して、何らかのメドをつける見通しだと報じている。
[原文:Apple has an official permit to test self-driving cars in California, DMV confirms (AAPL)]
source:Lexus
(翻訳:Satoru Sasozaki)