14カ月前倒し、アメリカ海軍の次の原子力空母「ジョン・F・ケネディ」順調に建造中

建造中の原子力空母「ジョン・F・ケネディ」

原子力空母「ジョン・F・ケネディ」の船尾下部をクレーンを使って設置。バージニア州ニューポート・ニューズにあるニューポート・ニューズ造船所にて。2017年6月22日。

US Navy

  • アメリカ海軍の次のフォード級空母「ジョン・F・ケネディ」が、建造工程全体の中間点を迎えた。
  • 巨大な船体後部のモジュールの設置が8月末に完了。
  • ジョン・F・ケネディは、海軍が購入を予定しているフォード級空母4隻のうちの2番艦。しかし、まだ解決しなくてはならない問題が残っている。

アメリカ海軍の次の原子力空母「ジョン・F・ケネディ(USS John F. Kennedy、CVN 79)」は2018年8月末、最後のスーパーリフトの据え付けを終え、建造工程全体の中間点を迎えた。建造を手がける造船企業ハンティントン・インガルス・インダストリーズ(Huntington Ingalls Industries)がリリースで明らかにした。

同社がジョン・F・ケネディの建造に採用しているモジュール工法では、より小さなセクションを組み合わせてスーパーリフトと呼ばれる巨大なモジュールを作る。スーパーリフトは、あらかじめ配線や配管、換気、その他の設備工事を終えてから、空母本体に据え付けられる。

今回据え付けられた最後のスーパーリフトは、格納庫と飛行甲板の間の船体後部を構成する。ジョン・F・ケネディに使われるスーパーリフトの中で最も重いものの1つで、19のより小さなセクションで構成されている。重さは905トン、セミトレーラー約25台分。長さは約24m、幅は約34m、4層構造になっている。

下の動画では、ハンティントン・インガルスのニューポート・ニューズ造船所で、巨大なスーパーリフトが1050トンのガントリークレーンを使って据え付けられる様子を見ることができる。

スーパーリフトは空母本体に据え付けられる前に、ポンプ、配管、照明、換気装置など、さまざまな設備の取り付けを完了済み。

モジュール工法の採用により、ジェラルド・R・フォード級空母の1番艦「ジェラルド・R・フォード(USS Gerald R. Ford)」よりも14カ月早く、建造工程の中間点に達したと同社は語った。

「より高度なレベルで先行的に各種装備を取り付けることで、空母の建造は大幅に進歩した。これまでにない大型艦の建造とさらなるコスト削減が実現した」と同社のジョン・F・ケネディ建造プログラム担当バイス・プレジデント、ルーカス・ヒックス(Lucas Hicks)氏はプレスリリースで述べた。

建造中の原子力空母「ジョン・F・ケネディ」

船体後部への最後のスーパーリフトの据え付け。2018年8月。

Huntington Ignalls

ハンティントン・インガルスは2011年2月、起工式を行い、ジョン・F・ケネディの建造に着手。2015年8月にはキールの据え付けを終え、2017年6月には構造面の工程の50%が完了した。

2018年はじめには、同社はジョン・F・ケネディの構造面の工程が70%、さらには75%まで進んだと発表。「スーパーリフトなど複数の構造物が設置されたことによるもの」と同社のメディア・リレーション・マネージャー、ドゥエイン・ボーン(Duane Bourne)氏はメールで述べた。

そして8月末、新たに1000トン近いスーパーリフトが据え付けられたことで、ジョン・F・ケネディの建造は、構造物を含めた全体の工程の中間点に達した。

同艦は今後、2019年第4四半期までに乾式ドックから艤装バースへ移される予定、これは当初の計画より3カ月早い。ヒックス氏は2019年11月に命名および進水式を行い、2022年6月にアメリカ海軍に引き渡される予定と4月に語った

初の自力航行を行う原子力空母「ジェラルド・R・フォード」。

初の自力航行を行う原子力空母「ジェラルド・R・フォード」。2017年4月。

US Department of Defense

ジョン・F・ケネディは、電磁式カタパルト(EMALS)や先進型着艦拘束装置(AAG)など、フォード級として数々の新機能を搭載している。EMALSとAAGはそれぞれ、艦載機の発艦と着艦をサポートする機能(なお、1番艦のジェラルド・R・フォードにはない機能として最も有名なものは、男性用小便器)。

ジェラルド・R・フォードは2017年6月、予定よりも2年遅れで海軍に引き渡され、同年就役した。建造費は約129億ドル(約1兆4300憶円)、見積額を23%上回った。現在、さまざまな問題に直面しており、実戦配備に向けて就役後の作業が続けられている

アメリカ海軍とハンティントン・インガルスは、1番艦のジェラルド・R・フォードの建造で得た教訓を今後の空母に生かすと述べた。だが、政府監査院(Government Accountability Office)はジョン・F・ケネディの建造予算114億ドルは信頼性が低く、ジェラルド・R・フォードの建造で得られた教訓が考慮されていないとの評価を2017年夏に下した。国防総省もこの評価に一部同意した。

ジョン・F・ケネディは、アメリカ海軍が購入を予定しているフォード級空母4隻のうちの2番艦。その次のフォード級空母「エンタープライズ(Enterprise)」はすでに建造が始まっており、2017年8月に起工式が行われた。

[原文:The US Navy's next supercarrier is 50% complete — watch the latest 1,000-ton chunk drop into place

(翻訳:高橋朋子/ガリレオ、編集:増田隆幸)

ソーシャルメディアでも最新のビジネス情報をいち早く配信中