Sponsored

三田紀房×アメックス清原社長、「キャッシュレス社会」を徹底討論──生き方、働き方はもっと自由に

左から清原正治氏と三田紀房氏

左からアメリカン・エキスプレス社⻑の清原正治氏、ベストセラー漫画家の三田紀房氏。

現金信仰が根強かった日本が、変わりつつある。経済産業省は2018年、「キャッシュレス・ビジョン」を発表。キャッシュレスに関するスタートアップも次々に立ち上がっている。

東大受験や投資などをテーマに、物事の本質を突く作品がベストセラーとなっている漫画家、三田紀房氏と、キャッシュレス社会推進の主要プラットフォームの1つとしての役割を担うクレジットカード会社より、アメリカン・エキスプレス日本社長の清原正治氏が、キャッシュレス化で変わる未来について、語り合った。

なぜ若者はコンビニで募金をするのか

三田氏が話す様子

三田紀房氏(以下、三田):日本でキャッシュレスが進まないのは、多民族社会でないことが影響しているのではないでしょうか。同じ言語を話すので相手への信用度が高い。現金決済には、その信用が不可欠です。

清原正治氏(以下、清原):そう思いますね。日本では、お店の人の釣り銭計算能力も素晴らしい。“キャッシュ社会”の完成度は世界一だと思います。一方で、最近では現金をやり取りしないことの便利さを実感する人が増えているのも事実です。

三田:今の若者は小銭を持つのが面倒なようです。コンビニで一円玉や五円玉のお釣りをもらうと、レジの横の募金箱に入れてしまうんですね。あと20〜30年もすれば世代交代が進み、そういう若者が社会の中核を担うようになって、日本もキャッシュレスが当たり前な社会になっているかもしれません。

野球場、劇場で人は「お金を使いたい気分」になっている

野球場の様子

三田氏はキャッシュレス化が野球やコンサートなどの場に広がることで、いい場面を見逃すことなく飲み物などが購入でき、売り上げも伸びると指摘する。

清原:キャッシュレスはこんなに便利という実例を多く提示できれば、一気に進むと思っています。私たちが今進めているのは、サインや暗証番号の入力も不要な「コンタクトレス」というクレジットカードを使った、新しい決済サービスの1つです。

日本では、大手ファストフードやコンビニエスストアのチェーンで、今年から続々と導入されています。

海外の例で言えば、ロンドンの地下鉄などでも既に導入されています。ロンドンの地下鉄は路線が入り組んでいるうえに、時間帯によって料金が変わるという複雑なシステムですが、私たちのクレジットカードでは国際規格のチップをカードに搭載し、今では自動改札機にクレジットカードをタッチするだけで乗れます。日本の交通系電子マネーのようなイメージですね。

三田:日本も早くそうなるといいですね。

私は野球が好きなのでよく球場に行き、観客席で生ビールを買います。お金のやり取りをしているうちにいい場面を見逃したりするので、これがキャッシュレスになったら便利だなあと。スポーツやコンサートといった場に、お客さんはお金を使う気分で来ていますから、ビールに限らずキャッシュレス化すると売り上げも伸びるのではないでしょうか。

清原:そうですね。あとは飲食店です。お客様から注文を聞き、料理を運び、レジで会計して、店員が忙しく立ち働く光景を見ることがしばしばあります。注文はタブレットなどでオーダーできるようになっているお店もありますが、会計もスムーズにできるようになったら、どんなにいいだろうと思います。

そうなると、お店の人も「今日はどうでしたか」「いいお酒が入りましたよ」といったお客様とのやり取りをぐっと増やすことができ、より質の高いサービスの提供につながると思いました。

三田:おもてなしに時間を使えるんですね。

清原:そのとおりです。キャッシュレスというと、無機的で非人間的なイメージを持つ人もいますが、見方を変えると、その印象も大きく変わってきます。

現金を扱うことで生じる時間やコストを削減できる。その空いた時間やお金を、人間らしいこと、人間にしかできないことに使えるようになります。

新しいものには賛否がある

清原氏の話す様子

コスト面で断念しているビジネスも、キャッシュレスによって可能になると語る清原氏。

清原:中国の大都市では店員がいない、つまりキャッシュレスの無人コンビニが営業しています。日本でも実現したら、オフィスビル1棟に必ず1店、というほどコンビニの数が増えるかもしれません。つまり今はコスト的な制約で出店できない商圏への出店も可能になります。

三田:キャッシュにこだわることが、制約につながる可能性があるということですね。キャッシュレスを推進し、テクノロジーを活用することで大きなビジネスチャンスを生むということなのでしょう。

清原:もちろん世の中では制約がなくなり、自由になることで失敗することもある。キャッシュレスに限らず、SNSなどもそうですね。新しいものが浸透する過程では必ず賛否両論が出てきますが、頭から否定するのではなく、時には失敗しながらも、そこからいろいろな学びを得て、前に進むのが良いと思っています。

あの漫画の登場人物になれる?!

三田氏の漫画「インベスターZ」

『インベスターZ』は何人もの著名投資家に取材して出来上がった経済書ならぬ経済漫画だ。ドラマ化もされている。

三田:私の事務所では、一部の漫画(『ドラゴン桜2』)の絵を描く作業を外注しています。作画を自分でやらないことは、クオリティ面とコスト面で心配だったのですが、5年前に踏み切りました。むしろそれを私たちが抱え込むことは“社会悪”だと考えたんです。

外注化することで、漫画に関わる若い人が増えていく。私がすべきことは、漫画をより精緻に描くよりも、漫画という領域を広げ、漫画に携わる人を増やすことだと思っています。

清原:息子が今経済学部の4年生なのですが、教授から、投資家の世界を描いた先生の作品『インベスターZ』を読め、と勧められたそうです。「下手な経済書を読むより、よほど経済の仕組みが分かる」と。

三田:それは光栄です。『インベスターZ』 を描くうえでも、何人もの著名投資家に取材しました。いま雑誌に連載している『ドラゴン桜2』では、新しい試みとして読者が作品に登場できる権利を売り始めました。

清原:面白いですね。自分が出るとなると、テレビはハードルが高い、小説だとイメージが湧きにくい。その点、漫画はいいですね。

三田:写真を送ってもらって、それをもとに作画します。著名人の時間を売買できる、タイムバンクというネット上のアプリを利用しており、もちろん売買はキャッシュレスです。最近はSNSで自分の感想を簡単に発信でき、作者がそれにコメントを返すこともあって、作品と読者の距離がどんどん近くなっている。読者の参加志向が高まっています。

それならいっそ登場してもらおう、と思ったのです。こういった取り組みが漫画家発でできるようになったのも、キャッシュレスのプラットフォームが浸透してきたからだと思います。

200万円の車よりも、20万円のクラウドファンディング

三田氏と清原氏が退団する様子

三田:私たちの世代は、お金でモノを揃えることで幸せになれる、という価値観の中で育ちました。今、お金至上主義から、皆の幸せが第一、という価値観に変わってきていると感じます。

清原:今の20代、30代は、車も不動産も所有しなくなり、「一度に最も大きくお金を使う金額は15万円」というくらい、お金を使う単位が小さくなっていますね。

三田:使うお金の単位が小さくなっても、経済は縮小しないと思っています。200万円の車は買わなくても、20万円のクラウドファンディングにはお金を使う。社会への投資をしよう、お金を回していこうという空気が生まれつつあります。クラウドファンディングはその一例ですが、テクノロジーの進化によって、若い人の行動も意識も変わりつつあります。

清原:そうですね。選択肢を増やし、生活や仕事の質を向上させるものなら、新しいテクノロジーをどんどん活用したほうがいい。キャッシュレスもそうです。何もお年玉までキャッシュレスでとは思いませんが、その先にどんな未来が開けるのか。わくわくします。

三田:変化することを、前向きに楽しんでいきたいですね 。

アメリカン・エキスプレスについて


三田紀房:漫画家。1958年生まれ、岩手県北上市出身。明治大学政治経済学部卒業。 代表作に『ドラゴン桜』『インベスターZ』『エンゼルバンク』『クロカン』『砂の栄冠』など。『ドラゴン桜』で2005年第29回講談社漫画賞、平成17年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。現在、『ドラゴン桜2』『アルキメデスの大戦』を連載中。

清原正治:アメリカン・エキスプレス・インターナショナル日本社長。1962年生まれ。1985年住友化学工業入社。1999年GEコンシューマー・ファイナンスへ移り、常務取締役、GEMoneyファイナンス社長など歴任。2011年日産自動車へ。タイ日産販売金融会社社長、日産自動車アジア・パシフィック副社長などを務め、2014年9月より現職。

ソーシャルメディアでも最新のビジネス情報をいち早く配信中