デビットカードが拒否され豆腐が買えなかった、地下鉄で泣いた ── ニューヨークのトップ不動産ブローカーが成功を掴んだ瞬間

ライアン・サーハント氏

Hollis Johnson/Business Insider

  • リアリティーショー「ミリオンダラー・リスティング 豪邸を売れ!(Million Dollar Listing)」のスター出演者、ライアン・サーハントは、ニューヨークのトップ不動産ブローカーとなる前、オフブロードウェイで演技し、手のモデルをしていた。
  • サーハントは食料品店でデビットカードの決済が拒否され、キャリアの瀬戸際に追い込まれた。そして2008年に不動産仲介のライセンスを取る決心をした。
  • サーハントは、成功は恐れとモチベーションのバランスから生まれると学んだ。

不動産業界の大物で、リアリティーショー「ミリオンダラー・リスティング 豪邸を売れ!(Million Dollar Listing)」のスター出演者、ライアン・サーハント(Ryan Serhant)は、ニューヨークのトップ・ブローカーとなる前、いくつか奇妙な仕事をしていた。

2008年に不動産仲介のライセンスを取る前、サーハントは俳優になるためにニューヨークに住んでいたとBusiness Insiderのポッドキャスト番組「This is Success」で語った。

俳優の仕事がない時は(オフブロードウェイのエドガー・アラン・ポーの舞台に、時計の役でギャラなしで出たが)、彼は手のモデルをやった。

サーハントは、残りの人生を手のモデルで終えたくなかったと語った。だが、うまくいかないと考えていたため、副業に手を出そうとも思わなかった。

「やりたくなかった。だから文字通り、お金がなくなるところまで追い込まれた。59番街の店で豆腐のパックを買おうとしたが、デビットカードが拒否された。地下鉄で泣いた」とサーハントは著書「Sell It Like Serhant」に記した。

そして、この経験がキャリアを変えるモチベーションになったと語った。

「あれが私の限界だった。もう2度と思い出したくない瞬間。恥も外聞もなかった」

2008年、友人の1人がサーハントに不動産仲介のライセンスを取るよう言った。そして彼がライセンスを取得したその日、リーマン・ブラザーズ破綻した。

失うものは何もなかったとサーハント。金融危機の真っ只中、彼はすでに無一文だった。彼は路上で見知らぬ人に近づき、不動産投資に興味はないかと話かけた。

「高級百貨店サックス・フィフスアベニューから出てきた人にアプローチした。我々のオフィスがその近くにあったから。百貨店から出てきた人がショッピングバックを2つ以上持っていたら、近づいて、不動産投資に興味はないかと聞いた。失うものは何もなかった。もしニューヨークで完全に失敗したら、コロラドに帰るしかなかった。残りの人生を家のフェンスにペンキを塗って過ごすことになる。それは私にとって地獄だった」

サーハントは最終的に、恐れとモチベーションのバランスを取ることができた。そして、それは彼を成功に導いた。

「誰もが毎日、このシーソーに乗っていると思う。片方には恐れ、片方には自信。誰もシーソーを押さえつけて、片方だけに乗ることはできない」とサーハント。

「なぜなら、いつも怖がってばかりいたら、あなたは何もできない。逆にいつも自信たっぷりなら、嫌な人間になる。誰もあなたと一緒に働こうとは思わない」

サーハントは最後にこう語った。

「あなたの中の恐れが、あなたの原動力となるバランスを見つけなければならない。その原動力が、毎日やるべきことをやるために必要な自信となる。そして、やがて成功につながる」

[原文:A 'Million Dollar Listing' star was so broke his card was declined buying tofu at the grocery store and he cried on the subway — and he says that's the moment that set him up for success

(翻訳、編集:増田隆幸)

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