LINE、メッセ、WeChat…異なるSNS同士が100言語以上でつながる——「ことつなチャット」開始

kotoznachat

100言語以上で、LINE、Facebookメッセンジャー、WeChat、カカオトークを横断して会話ができる。

撮影:木許はるみ

LINEとFacebookメッセンジャー、WeChatなど、異なるSNS同士でもつながれる。しかも、同時に100言語以上で会話ができるという、一見“夢のような”ツール「kotozna chat(ことつなチャット)」が9月18日にサービスを始めた。

上記のSNSに加え、10月にはカカオトークも対応予定。さらにヨーロッパ・アメリカを中心に広がるWhatsAppにも対応できるよう準備を進めている。翻訳はGoogle翻訳を使い、100言語以上に対応している。

使い慣れたSNSで母国語で会話が可能

ことつなチャットの使い方は、ユーザーが会話をしたい相手の専用QRコード(※)をスキャンする。すると、自分が使用する言語とSNSの選択画面が表示される。それぞれを選択すると、SNSの画面に遷移し、相手との会話を始められる。

ことつなチャット

kotozna chatは、異なるSNS上で母国語で会話ができる。

出典:Kotozna

例えば、ユーザーが利用言語を日本語、SNSをLINE、会話の相手が利用言語を英語、SNSをメッセンジャーと選択した場合、ユーザーが日本語でLINEから送信した言葉が、相手のメッセンジャーの画面で英語で表示される。相手からの返信も同様で、ユーザーは相手からのメッセージを日本語でLINE上で見られる。

翻訳の言語、精度はGoogle翻訳により、100言語以上に対応する。会話は、ことつなチャットの公式アカウントがユーザー同士を仲介し、言葉を翻訳し、各種SNSに自動で転送する。

ことつなチャット

kotozna chatは、公式アカウントがユーザー同士の会話を仲介し、翻訳、転送をする。

出典:Kotozna

※専用QRコードの発行方法:ユーザーがつながりたい相手のQRコードを読み取り、簡単なやりとりをすることで、自分のQRコードを得られる。最初のユーザーは、ことつなチャットの公式QRコードを読み取り、同様の手続きをすると、QRコードを得られる。

kotoznachat

ユーザーは会話した相手のQRコードをスキャンして、つながる。

出典:Kotozna

2020年度までに500万人目標

ことつなチャットは、ケンコーコム創業者の後藤玄利氏が代表を務める、Kotozna(ことつな、旧ジャクール)が開発した。ことつなは2016年10月に設立、QRコードによるインバウンド観光向けの多言語翻訳を行っている。

ことつなチャット

翻訳は、Google翻訳を使い、100言語以上に対応している。サービス画面は、今後改良する。

撮影:木許はるみ

ことつなチャットは無料。サービス開始時は、LINE、Facebookメッセンジャー、WeChatだけだが、10月にはカカオトーク、今後はWhatsAppへの対応も進めている。音声入力も10月頃に開始する予定だ。

利用者の目標は、2018年度中に国内外で50万人、2020年度までに500万人を見込む。ゲストハウスや観光案内所、飲食店など、事業者がQRコードを店頭に設置して普及を促進する。多言語に対応できるように、QRコードを記載した無料のPOPも配布する。

広告や事業者向けのビジネス版も計画、災害時も応用

チャット

収益化の柱は、広告と業種別ソリューションの2つ。

出典:Kotozna

サービスの収益化に向け、有料のビジネス版の提供を年内から年明けごろに、検討している。ビジネス版はホテルや観光案内所など事業者向けのサービスや、ユーザーの滞在場所や利用言語・SNSに連動した広告サービスなどを考えている。現在、ビジネスモデルの特許を申請中という。

後藤氏は、今回のサービスが、災害時の多言語対応に応用できると考えている。例えば、台風21号により関西国際空港に多くの外国人が孤立した際、代替の輸送手段の情報などを多言語で受け取ることができる。地震の時の炊き出しや給水の情報も同様だ。

今後は、多言語のグループチャットを可能にしたり、翻訳の精度を自社のAIで向上したり、サービスを改良していくという。

(文、木許はるみ)

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