グーグルの共同創業者、ラリー・ペイジ。
Andrew Kelly/Reuters
- 大手テック企業の創業者たちにますます大きな世間の注目が集まっている中、グーグルのラリー・ペイジは公の場から姿を消しつつある。
- ペイジのグーグルへの関心は日に日に薄れ、カリブ海にある自身のプライベート・アイランドで多くの時間を過ごしているとブルームバーグは伝えた。
- ペイジはまだ現職に就いているが、空飛ぶタクシーのスタートアップへの投資など、先進的なプロジェクトに時間を割いている。
- 9月に行われた上院情報委員会の公聴会への出席も拒否。公聴会ではツイッターのCEO、ジャック・ドーシーやフェイスブックのCOO、シェリル・サンドバーグが証言した。
ラリー・ペイジは公の場から姿を消しつつある。
最近、フェイスブックのマーク・ザッカーバーグ、ツイッターのジャック・ドーシーといった大手テック企業の創業者は世間の注目を集めざるを得ない状況に陥った。一方、ペイジは公の場から姿を消し、カリブ海にある自身のプライベート・アイランドで過ごすことが増えている。ブルームバーグが伝えた。
ペイジは1998年、セルゲイ・ブリンとともにグーグルを創業。2人とも同社の親会社アルファベットのシニア・エグゼクティブを務めている。
ブルームバーグによると、ペイジは1990年代に声帯の麻痺が発覚。2013年に病気を公表した。声が弱くなり、1人で長い時間話すことが難しくなったと語った。
ペイジは2014年のTEDトーク以来、公の場で話をしていない。グーグルは最近、トランプ大統領から左寄りで、独占禁止法に違反していると批判されているが、これに対しても発言はない。
ペイジは9月5日(現地時間)に行われた上院情報委員会の公聴会も欠席。公聴会にはツイッターのCEO、ジャック・ドーシーやフェイスブックのCOO、シェリル・サンドバーグが出席した。グーグルは、ペイジおよびCEOのサンダー・ピチャイも出席を拒否、公聴会ではグーグル用の空席の証言席が、これ見よがしに残されていた。
バージニア州選出の民主党上院議員、マーク・ワーナー(Mark Warner)は、グーグル幹部の欠席を激しく非難。
「自らの規模と影響力を考えれば、グーグルの幹部はこれらの課題をいかに真摯に受け止めているかを示し、この重要な公開討論をリードしようと思うはずではないだろうか」と述べた。
ブルームバーグは、初期のグーグルに投資し、後に批判的になったロジャー・マクナミー(Roger McNamee)にペイジの欠席について聞いた。
「グーグルは今まで、極めて『幸運』だった。フェイスブックの失敗に大きな注目が集まっていた。だが、どっちもどっち」とマクナミーはブルームバーグに語った。
「グーグルが欠席したことで、フェイスブックは大いに助かった。もしあなたが株主なら、激怒しているはず。彼らが約束したのは対策の強化だけ」
公の場にこそ姿を表していないが、ペイジはテック業界から完全に身を引いたわけではない。ブルームバーグによると、ペイジはグーグルの売り上げなどにはもう関心はなく、先進的なプロジェクトに興味を向けている。
例えば、キティ・ホーク(Kitty Hawk)やブラックフライ(BlackFly)といった「空飛ぶ車」の企業に積極的に投資している。
ペイジは常にプライバシーを守ってきた。だが公の場に現れないことが一部の怒りを買う可能性もある。グーグルには今、フェイスブックと同様、多くの注目が集まっている。
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※敬称略
(翻訳:Ito Yasuko、編集:増田隆幸)