メルカリも対応開始、Webサービスで広がる「第3の性」選択肢 —— 先行するFacebookは58種類の性がある


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メルカリの会員登録画面。女性、男性のほかに「無回答」が選べるようになった。

フリマアプリのメルカリが9月20日、メルカリIDの性別欄に、従来の男女に加え、「無回答」を選択できるようにした(iOS版でスタート、Android版は順次対応)。

今回の仕様変更は、メルカリが8月に正式発足させた社内のチーム「Diversity&Inclusion」(D&I)が担当する。D&Iは今後、ユーザーや社員が「自分らしく」、アプリを使ったり、働いたりできるように、社内外の環境を整える役割を担うチームになる。

メルカリの会員登録の際、これまではメールアドレスとパスワード、IDの名前に加え、性別を女性、男性から選択していた(Android版は必須、iOS版は不選択可)。今回から、この性別選択欄に「無回答」が追加される。性別は、アプリ上では表示されない。今回の仕様変更は、日本版のメルカリにのみ適用。

US版とUK版のメルカリの場合は、初回の登録時に「あなたはどちらの服装をより好みますか?(Who are you mostly shopping for?)」と聞かれ、「Female/Male」から選ぶ。

Facebook、Twitter、ヤフーも選択可

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Twitterは、性別を自由記述できる(登録は任意)。

出典:Twitter

SNSでは、Facebook(US版は、58種類の性別が選択可能)やTwitterなどが、性別を自由記述できる仕様にしている。国内では、Yahoo!JAPANも、IDの登録時の性別欄に男女のほか、「その他」「回答しない」を追加している(9月末より順次、変更)。

このような背景から、メルカリのD&Iは、性別選択の多様性が「海外では(男女以外の選択肢を設けることは)主流になってきている」と認識。メルカリは「新たな価値を生み出す世界的なマーケットプレイスを創る」をミッションに掲げており、グローバルスタンダートに合わせるという意味で、日本版のメルカリも仕様を変更した。

メルカリは、国内のサービスでも同様の取り組みが広がるよう期待している。 People & Cultureの執行役員、唐澤俊輔氏は「どんなバックグラウンドがあっても、気兼ねなく使ってもらえるサービスにしたい」と話している。

社内にもダイバーシティを推進

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3月のダイバーシティセミナーに登壇した、杉山文野さん(左)。杉山さんは、フェンシング元女子日本代表。性同一性障害と診断された体験から、トランスジェンダーやLGBTといった多様性のある社会にするための活動を続けている。右の3人は、セミナーの後に集まった、D&Iの中心メンバー。

出典:メルカリ

D&Iは、2018年3月にメルカリの社内で開かれた、ダイバーシティセミナーをきっかけに発足した。セミナーは、元フェンシング女子日本代表の杉山文野さんを招いて、性のダイバーシティについて学んだ。D&Iのコアメンバーは、さまざまな部門の8人で構成する。

社外向けにはアプリを改良し、社内向けにも、外国籍、女性、LGBT、宗教など、さまざまな観点から、ダイバーシティの環境整備に取り組んでいくという。まずは、働き方などに関するアンケートを社内で実施し、改善に役立てる。

特に、メルカリは、多国籍な社員を雇用しており、2018年10月入社の新卒者は、50人中40人が外国人。D&Iのメンバーも、日本、イギリス、ポルトガルの社員が所属し、多様性が保たれている。唐澤氏は、「メルカリは、グローバルテックカンパニーを目指している。誰もが自分らしく働いて、バリューを発揮できるようにしたい」と、働く上での障壁を取り除いていく予定だ。

(文、木許はるみ)

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