ZOZO前澤氏が月に向かうロケットの「最終案」の詳細


ビッグ・ファルコン・ロケット

スペースXの創業者イーロン・マスク氏はビッグ・ファルコン・ロケットのデザインの「最終案」を発表した。2018年9月17日。

Chris Carlson/AP

イーロン・マスク氏は、民間初の月周回飛行に巨額の費用を支払う搭乗客をついに発表した。ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイの前澤友作氏。

2023年、前澤氏は6〜8人のアーティストとともにスペースXの新しい巨大ロケット「BFR」で月に向かう。BFRはBig Falcon Rocket(ビッグ・ファルコン・ロケット)の頭文字、 あるいはマスク氏はBig F---ing rocketとも呼んだこともある。

地球からの打ち上げ後、6日ほどかけてを周回する旅に出る。

9月17日(現地時間)夜、スペースXのロケット工場で行われた前澤氏のスピーチは多くの人を驚かせた。そしてマスク氏が発表したBFRの新情報と新イメージも同様に注目すべきものだった。

「これがデザイン検討における最終案」とマスク氏はプレスイベントに集まった約100人の記者に語った。

開発中の宇宙船のどこが変更されたのか、火星を植民地化するというスペースXの最終目的を実現するために、同社エンジニアが行った微調整がどれほど重要なのか。マスク氏が発表したBFRの最終案を見てみよう。

前澤氏の月飛行の発表の前後に、マスク氏はビッグ・ファルコン・ロケット(BFR)の新しいイメージとディテールを発表した。

スペースXのビッグ・ファルコン・ロケット

月に向かうビッグ・ファルコン・ロケットの予想図。

SpaceX/Twitter


マスク氏が初めてBFRシステムについて語ったのは、2016年9月の国際宇宙会議(International Astronautical Congress)。だが同氏は毎年、デザインを変更した。

イーロン・マスク氏

デザインの修正点を示すマスク氏。

Chris Carlson/AP

出典 :Business Insider

今年も同様、だがマスク氏はデザインにおけるBFRの「最終案」と呼んだ。

ビッグ・ファルコン・ロケット

SpaceX

出典 :Business Insider

全長はビル4階分ほど長くなった。348フィートから387フィート(約118メートル)となった。約100トンの積載物を軌道に投入できる点は変わらない。

ビッグ・ファルコン・ロケット

SpaceX


マスク氏はブースターはほとんど変わっていないと述べた。だが、宇宙船は2017年に発表したバージョン(下図)と比べると大きく変わった。

ビッグ・ファルコン・ロケット

2017年の国際宇宙会議でプレゼンするマスク氏。

Mike Brake/Getty Images


2018年バージョン。マスク氏は時々、ビッグ・ファルコン・スペースシップと呼んだ。

ビッグ・ファルコン・スペースシップの予想図:2018年バージョン

Elon Musk/SpaceX via Twitter


デルタ翼に代わって、ブースターの上部の新しい宇宙船には3つの尾翼のようなものがあった。

ビッグ・ファルコン・スペースシップの予想図:2018年バージョン

Elon Musk/SpaceX via Twitter; Business Insider

出典 :Business Insider

3枚の翼は宇宙船が地球や火星の大気圏内を飛行するためだけのものではないとマスク氏。着陸装置も兼ねる。着陸装置が格納式だった前バージョンからの大きな変更点。2018年バージョンでは、下部に載せた2階建てバスに相当する積載物に、着陸後、簡単にアクセスできる。

ビッグ・ファルコン・ロケット

SpaceX


ノーズのデザインも変更され、「フォワード・フィン」が付け加えられた。フィンは惑星の大気圏内を飛行する際に、BRF宇宙船の操縦、スピード制御、姿勢制御をサポートする。

ビッグ・ファルコン・ロケット:宇宙船

SpaceX


下部の熱シールドは大気圏への再突入の際、高温から機体を守る。

ビッグ・ファルコン・ロケット

SpaceX


十分にスピードを落とした後、軟着陸のためにエンジンを点火する。

ビッグ・ファルコン・ロケット

SpaceX


宇宙船のサイズは巨大。発表イベントの会場の壁には、宇宙船の底部が描かれた幕が飾られていた。参加したジャーナリストとスペースXの従業員が小さく見える。

ビッグ・ファルコン・ロケット:宇宙船の底部

Dave Mosher/Business Insider


だがBFRはマスク氏の絵空事ではない。最初のプロトタイプのパーツは、同社がロサンゼルス港に建てた2万平方フィートのテントの中で生み出されつつある。

ビッグ・ファルコン・ロケット:プロトタイプの部品

SpaceX

出典 :Business Insider

カーボンファイバー複合材で作られたシリンダー状のパーツ。ロサンゼルス港の巨大テントは、より巨大で、より使い勝手の良い、恒久施設が完成するまでは使用される。写真からはBFRのパーツを作るために同社が使っているテントの中には、直径約30フィート(約9メートル)の装置があることを示している。

ビッグ・ファルコン・ロケット:巨大なパーツ

Elon Musk/SpaceX; Instagram

出典 :Business Insider

巨大なパーツの中に立つ前澤氏。

ビッグ・ファルコン・ロケット

Yusaku Maezawa/Twitter


部材をカーボンファイバー複合材で包み、熱を加えると強度が増す。その後、従業員が装置を分解して、カーボンファイバーの胴体部を取り出す。

ビッグ・ファルコン・ロケット

SpaceX

出典 :Business Insider

おそらく最も重要なことは、BFR用のフルサイズのラプター(Raptor)ロケットエンジンを作り、テストすることとマスク氏は語った。このロケットエンジンがないと飛べない。

ビッグ・ファルコン・ロケット:エンジンの燃焼テスト

SpaceX


前澤氏の月飛行の軌道図。だが「フライトは100%この通りというわけではない」。月飛行だけでなく、BFRシステム全体に言えるとマスク氏。

ビッグ・ファルコン・ロケット:前澤氏の月飛行の軌道図

SpaceX


計画どおりに進めば、前澤氏と同行するアーティストはまず地球周回軌道に乘り、その後、ロケットエンジンを点火して月を目指す。作品を作るために。

ビッグ・ファルコン・ロケット

SpaceX


独創的な予想図に描かれた宇宙船の大きなウインドウ。マスク氏が2016年のプレゼンテーションで使ったもの。2017年のプレゼンには登場しなかったが、今回、復活した。

ビッグ・ファルコン・ロケット:宇宙船の内部の予想図

SpaceX

出典 : Business Insider (1,2)

最終的にスペースXは2024年以降、可能な限り早い時期に人類を火星に送り込むことを目標にしている。マスク氏は前澤氏は開発に貢献してくれたと語った。「彼は宇宙船とロケットに役立つ多くの金額を支払ってくれた」。

火星の写真

インドのマーズ・オービター・ミッションが撮影した写真をもとに描かれた火星。

ISRO/ISSDC/Emily Lakdawalla (CC BY-NC-SA 3.0)

出典 :Business Insider


[原文:Elon Musk just revealed the 'final iteration' of SpaceX's biggest and most powerful rocket ship — take a look

(翻訳、編集:増田隆幸)

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