フィンランドが「就職しても受給できるベーシックインカム」を試験導入

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Bruce Bennett/Getty Images

失業している人に2年間お金を支給し、その間に再就職できる制度をフィンランドが試験導入する。

施行期間は2017年1月1日から2019年12月末まで。フィンランド社会保険庁事務所(Kela)によって約590ドル(約66000円)が2000人の失業者に支給される。

受給者が期間中に仕事を見つけたか否かにかかわらず、給付金は月初に支給される。昨年話題となった「ベーシックインカム」の試験的な実施だ。

UBI(ユニバーサル・ベーシックインカム)では、国民は生存しているだけで、基準となる額の現金を受給することができる。現金を全国民に支給することで、収入の額にかかわらず、国民がないがしろにされるのを防ぐのに役立つと、UBI支持者は語る。

Kelaの法定給付庁の代表、マルユッカ・トゥルネン(Marjukka Turunen)氏は、このフィンランドの試験的試みは、2つの領域に貴重な洞察をもたらすはずだという。

まずはじめに、ベーシックインカムがフィンランドの複雑な社会保障システムを整理するための一助になるかどうかだ。特定のニーズによって異なるものの、国民は40ある保障制度の1つを受けている可能性があるとトゥルネン氏は言う。それらの保障は病気、失業、学生と様々で、恩恵はそれぞれで算出され、もし、受給資格に何らかの変化があれば、保障内容も変えなくてはならない。

「受給者とKelaにとって、このような受給資格の変化の届け出があることはかなりの負担です」と、トゥルネン氏はBusiness Insiderに語る。ベーシックインカムの形態は、国民が1つの無期限的な受給資格に応募すればいいだけで、受給資格変化の届け出などは必要ない。

この試験的試みは、国民が無償の現金を受給している間にどのような行動をするかを知る手がかりにもなるだろう。懐疑派は、国民が怠けるようになると主張する。支持者は、国民が生活の質を上げるのにお金を使うと主張する(発展途上国からの限られた証拠によると、どちらかと言えば後者が多い)。

トゥルネン氏は、この試みは少なくとも起業家志望者にビジネスをスタートさせる大きなきっかけを与えるだろうと予想する。今日のフィンランドの事業主は廃業してしまったら失業手当を受け取れないため、起業は大きなリスクとなっている。それはアメリカの多くの州と違いはない。

「現行の制度は、何かにチャレンジし、人生から何かを得ようとする人たちにかなりマイナスなものになっています。それがどれだけ小さなことでもです」と、同氏は語る。

ベーシックインカムは、そのようなリスクのある行動をもっと安全な選択肢に変えるかもしれない。

トゥルネン氏は、この試みがフィンランドでさらに大きなベーシックインカムの研究に繋がるとは思っていないという。現在の試みは非課税で、フィンランドのような小さな国家にはコスト負担が大き過ぎる。

しかし、他の長期的な試験的施策がその不足を補っている。カナダ、インド、オランダでは、ベーシックインカムは政府の議論の的である。シリコンバレーのベンチャーキャピタル「Yコンビネータ」によるパイロットプロジェクトがカリフォルニア州のオークランドで開始予定であるし、チャリティー事業のGiveDirectlyはケニアにて12年にわたる大規模な研究をスタートさせた。

トゥルネン氏は、これらの研究でポジティブな結果が返ってくる限り、ベーシックインカムは人気を集め続けるだろうと予想する。

「家のソファで寝転がっている人もいるでしょう。もちろん、仕事に行く人もいるでしょうね。どういう結果になるかはまだ分かりません」

[原文:Finland just launched an experiment giving 2,000 people free money until 2019

(翻訳:Wizr)

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