マンハッタン在住のある父親はニューヨーク・ポストに対し、子どもの乳母に週に2度、90分間のマッサージをしてもらっていると語った。
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- ニューヨーカーはもはや子どもに中国語といった外国語を教えてくれる乳母(nannies)では満足できないようだ。
- ニューヨーク・ポストの記事によると、一部富裕層の親は自身のためにヘアメイクやマッサージ、ヨガ教室ができる、プライベート・アイスリンクの製氷車まで運転できる乳母を求めている。
- ある家事代行サービス会社の社長は同紙に対し、こうした家庭では通常の1時間20ドル(約2300円)の料金に10ドルを上乗せしているという。ニューヨーク市の乳母の中には、年収18万5000ドル(約2100万円)という強者もいる。
富裕層の親はつい最近まで、中国語といった外国語を子どもに教えることができ、キノアが料理できる乳母を求めていた。
しかし今、こうした親たちはさらに上を行く乳母を求めて、より高い料金を払っている。
ニューヨーク・ポストの記事によると、彼らは夫婦のためのマッサージやヘアメイク、家族全員のヨガ教室、スケートリンクの製氷車の運転まで、さまざまなタスクがこなせる乳母を求めている。
「富裕層の家庭には、ある共通した"ものの見方"があります」
マンハッタンにある家事代行サービス会社パビリオン・エージェンシー(Pavillion Agency)のバイス・プレジデント、セス・ノーマン・グリーンバーグ(Seth Norman Greenberg)氏はニューヨーク・ポストに語った。
「彼らは候補者の面接をしているうちに、自分たちの基本的なニーズ以上のものをもっと手に入れられるのではないかと考えるようになったのです」
マンハッタン在住のある父親はニューヨーク・ポストに対し、子どもたちの乳母に週に2度、マッサージをしてもらっていると語った。
コネチカット州グリニッジ在住の4人の子どもを持つある母親は、2人の息子と2人の娘にそれぞれ1人ずつ乳母をつけていて、娘たちの乳母に子どもの面倒とヘアメイクをしてもらっているのに加え、毎日、自身のヘアメイクもしてもらっているという。
これらの追加サービスに対し、こうした家庭は通常の1時間20ドルの料金に10ドルを上乗せしていると、家事代行サービス会社アビゲイル・マディソン(Abigail Madison)の社長エリン・マロニー・ウィンダー(Erin Maloney-Winder)氏はニューヨーク・ポストに語った。しかし、ニューヨーク市や高級住宅地のハンプトンズ、フロリダ州パームビーチで富裕層の自宅やオフィスの採用活動を手伝っているハイア・ソサエティー(Hire Society)のCEOデビッド・ユドビン(David Youdovin)氏によると、ニューヨーク市では、富裕層向けの乳母はもっと稼ぐことができるといい、その年収は最高で18万5000ドルにものぼる。
富裕層の家庭が依頼するサービスの中には、一般的な家事の範疇を大幅に超えるものもある。
グリーンバーグ氏は、プライベート・アイスリンクを整備してもらいたいというニュージャージー州の家庭のために、製氷車を運転できる乳母を探したと言う。
同氏はまた、中西部に住む別の家庭から、クマを威嚇するために空砲が撃てる「ニューヨークの敏腕乳母」を見つけてほしいとの依頼を受けたが、これは要求が高すぎたと言う。
こうした、いわゆる「スーパーナニー(super nannies)」の台頭は、一部の人々が少しの時間の余裕、ぜいたく、プライバシーのためなら、もっと多くのお金を払う意思があることを示している。
ニューヨーク市にある昼寝のできるラウンジでは、利用者は暗い、プライベート・ポッドで好きな時間に昼寝をするために、月に最大250ドル(約2万8000円)を払っている。
ミラー(Mirror)という会社では、自宅にいながらワークアウトのクラスをライブ・ストリーミングできるインタラクティブ・ミラーを1500ドル(約16万9000円)で販売している。
そして、理論上でのみキャンプが好きな人々は、1泊700ドル(約7万9000円)で1500スレッドカウントの高級リネンや電気、Wi-Fiを完備した豪華なテントで「グランピング」を楽しむこともできる。
(翻訳、編集:山口佳美)