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時代は“聴く音楽”のその先へ──ソニーが探る音と視覚の新しいエンタテインメント

ライブでのビジュアル

2018年9月13日夜、表参道駅近くにあるイベントスペース「CASE W」(東京・渋谷区)は熱気に包まれていた。「trialog vol.3 音と視覚のさまよえる宇宙」が開催されたのだ。

「trialog」は、コンテンツメーカー「黒鳥社」を立ち上げた若林 恵氏とソニーが手がけ、「本当に欲しい未来は何か」をテーマに、さまざまなジャンルのクリエイターが三者対話を行うプロジェクト。

3回目のこの日、Oneohtrix Point Never(ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー、以下OPN)ことダニエル・ロパティン氏と、彼のパフォーマンスをビジュアル面から支えてきたアーティスト、ネイト・ボイス氏がスペシャルゲストとして登場した。OPNはこの前日の9月12日にShibuya O-EASTで来日公演を開催しており、ライブから連日で「trialog」に来場した熱心なファンの姿も多く見られた。

■登壇者の紹介

ネイト・ボイス(ビジュアルアーティスト): 1982年生まれ。サンフランシスコ在住。彫刻をベースに作品を発表し、OPNとは2010年からコラボレーションを続けている。日本公演でも披露した最新ステージ「M.Y.R.I.A.D.」では、変形スクリーンによる映像演出を手がけており世界中で話題となっている。

浅川哲朗((株)ソニー・ミュージックコミュニケーションズ プランナー):1996年から2007年までソニー・コンピュータエンタテインメント(現ソニー・インタラクティブエンタテインメント)で1stパーティソフトウェアのマーケティングを主に担当。2007年以降はソニー・ミュージックグループにて音楽マーケティング業務に従事。現在はカナダ・モントリオールを拠点とするマルチメディア・スタジオ「MOMENT FACTORY」の日本展開にも関わっている。

水口哲也(Enhance代表):ヴィデオゲーム、音楽、映像、アプリケーション設計など、共感覚的アプローチで創作活動を続けている。代表作に「Rez」や「ルミネス」など。独創性の高いゲーム作品を制作し続け、「全感覚の融合」を提示してきた“VR研究・実践のパイオニア”でもある。2006年「Digital 50」(世界のデジタル・イノヴェイター50人)の1人に選出される。金沢工業大学客員教授、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科特任教授。

「エモーショナルな経験」をライブ会場で共有したい

登壇するネイト氏

セッション1は来日中のネイト氏を中心にして、水口氏(左)、浅川氏(右)がトークを繰り広げる。

この日のキーワードは「音楽と視覚表現」。3つのセッションを通して、OPNが音と視覚の関係をどのように捉えているのかに迫る。

セッション1は「視覚と聴覚をグルーヴさせるためには」。ソニー・ミュージックコミュニケーションズのプランナー、浅川哲朗氏がモデレーターとなり、ネイト氏と、ゲームデザイナーの水口哲也氏が登壇した。

「イマーシブ(immersive=没入型)なVRの表現には興味がない」というネイト氏は、「私の映像は絵画のようなもので、ミュージック・ビデオとしての機能性はそれほどないと思う。ただ、視聴者とともに物理的に存在したい。部屋の中に照明を当てるような感覚です。ヘッドセットの中に閉じ込めることには関心がなく、また単純に新しいものでアッと言わせるのでもなく、エモーショナルな経験を共有したいんです」と語る。

ビジュアルで音楽が変わる?

ネイト氏

ネイト・ボイス氏(右)と、水口哲也氏。

浅川氏が、制作がチームワーク化しており、テクノロジーの多様化に伴って表現力が上がっていることについてどう思うかを聞くと、ネイト氏はこう答えた。

「私はプログラマーと一緒に作業し、ライブシステムを開発することで自分が自由になれたと思いました。以前は一人で作業し、他の人に手を借りることには抵抗がありましたが、今は大きな可能性を感じています」

水口氏の「ビジュアルがダニエルの音楽に影響を与えることはありますか」という質問には、「ダニエルと最初に作業し出した2010年頃のほうが、私の映像に求められる役割はスムーズだったと思います。今は1つのサウンドとしての役割、目で見るパーカッションの役割を担っています」と答えた。

そして最後に、「将来的には、ステージデザインにも関与し、双方向的なビジュアルシステムなど劇場型の音楽をつくりたい」と抱負を述べた。

多様化するクリエイターがインターネットで一つに

浅川氏

ソニー・ミュージックコミュニケーションズのプランナー、浅川哲朗氏。

OPNが制作しているのは、楽曲の世界観に合わせて作られたミュージック・ビデオとは違い、2人のクリエイターがそれぞれの創造性に基づいて制作しながら、1つの作品として成立させている音と映像の融合形である。

浅川氏は日本において同様のクリエーションは、初音ミクから顕著に行われていると解説。ソニー・ミュージックエンタテインメントでは2009年、「初音ミク」ユーザーによるクリエイター集団「supercell」制作のアルバムを発売している。

音、詞、映像がインターネットでつながる

セッション2に登壇する2人

セッション2で話すネイト氏、OPN、若林氏(左より)。

浅川氏自身も2012年から初音ミクの仕事に携わった経験がある。

「音を作る人、詞を作る人、映像を作る人、バラバラだったクリエイターがインターネットの中で1つになる。この時期から音楽の分業体制が加速した」と言う。 さらに、浅川氏はユーザー・ジェネレイテッド・コンテンツ(ユーザー制作コンテンツ)の可能性にも触れる。

ソニーでは、2013年に銀座ソニービル(現・銀座ソニーパーク)のコミュニケーションゾーン「OPUS(オーパス)」を提供し、高音質・高画質の機器を用いた「VOCALOID CINEMA PARTY 2013」を開催した。

主催したのが大学生ということにも驚かされたが、そこで上映された映像作品がアマチュアのクリエイターたちによる4K作品だったことにも驚かされたという。

「ソニーはハードメーカーですが、それを使って可能性を広げていくのはクリエイターたち。音楽も、音と言葉だけでなく映像でも表現可能になったように、テクノロジーが進化して、それを使うクリエイターが増えることで表現方法がより豊かになります」

音楽も嗅覚や触覚との融合があるかもしれない

ケータリング

このイベントのケータリングはインターネットをプラットフォームとした農学校を展開する「The CAMPus」による。見た目も美しく食感も楽しいおにぎり。

2016年には、ソニー・ミュージックコミュニケーションズは、カナダ・モントリオールを拠点とするマルチメディア・エンタテインメント・スタジオ「MOMENT FACTORY(モーメント・ファクトリー)」と提携。

浅川氏はその日本展開に携わり、大規模なライブでの映像と音楽の融合にもチャレンジしている。 さらに、アートの世界では新たな試みが行われた。

2018年、スペイン・バルセロナの美術館において、ソニーのパーソナルアロマディフューザー「AROMASTIC(アロマスティック)」を用いて、香りとともに絵画を楽しむ特別ツアーが開催されたのだ。

音楽も聴覚、視覚だけでなく嗅覚、いずれ触覚との融合もありうるかもしれない。聴くものからライブで体感するもの、場を共感するものへと進化していくでしょう」

エンタテインメントの可能性は計り知れない。本当に欲しい未来を手に入れるべく、ソニーはtrialogを通してその可能性を探っている。


そしてセッションは続く

若林氏

trialogプロジェクトの発案者、若林恵氏。

セッション2では「『M.Y.R.I.A.D.』という幽玄な世界の秘密」と題して、ダニエル氏とネイト氏が登壇、若林氏がモデレーターを務めた。 ニューヨークとロンドンで大成功を収め、前日に日本でも行われた最新ライブ「M.Y.R.I.A.D.」のプレゼンテーションを交えながら、このステージで表現したかったものについて解説。

セッション3は「多層的/複数的な宇宙を巡って」。ダニエル氏と若林氏、そして、OPNの最新作『Age Of』の歌詞翻訳監修を手がけたSF作家・樋口恭介氏が登壇。OPNから影響を受け自身の著作『構造素子』にも「ロパティン」を登場させた樋口氏は、彼らの多層的で複数的な世界に何を見ているのか語った。

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