ミレニアル世代の採用がうまくいっている企業は●●をしている「ミレニアルズの攻略法」イベントルポ

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ミレニアルに「人気の企業」とは?(写真はVorkersのサイトより)

出典:Vorkers

いまの20代から30代を指すといわれる「ミレニアル世代」。日本では消費に関して消極的、かつ世代のボリュームもない年代として、企業からは「軽視されてきた」世代でもある。

しかし、海外ではいまやミレニアル世代はもっとも重要な顧客層として注目を集める。日本でも徐々にその価値観や行動について関心が寄せられてきている。

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ビジネスインサイダーでは「アクティブ・ミレニアルズの攻略法」というイベントを開催。メディア(NHK)、菓子メーカー(明治)、社員口コミサイト(Vorkers)、スタートアップ(favy)という異なる分野でミレニアルをターゲットにした施策を打ち出してきた4人のゲストを招いて、ミレニアル世代の攻略法を聞いた。

記事では、第2部「マーケターはミレニアル世代をどう見る?」を抜粋した。

<ミレニアルの攻略法まとめ>

  1. 人事担当は「入社前に多くの社員と合わせる」べき
  2. 商品のPRには「学びや体験」を付加価値に
  3. 飲食店は「サブスクサービス」を活用して“モノからコト”に

入社前にはより多くの社員に会わせること

Vorkers

Vorkersには、さまざまな企業の口コミが掲載されている。

出典:Vorkers

ミレニアルは「下積みをしたくない」世代、というのは、転職・就職サイトVorkersの恵川理加さん。Vorkersは実際勤めている人たちのその企業に対する口コミサイトだ。

「2018年も、新卒で入社して1カ月での転職サイトへの登録者数が増えている。活躍できます、といってその約束を守らないと、本当に1カ月で見切りをつけます」(恵川さん)

自分は3年後に絶対転職する、じゃあその3年間で成長させてくれる企業はどこだろう、と考えて行動するケースが多いそう。

採用担当者は、「とりあえず入社後3年」などのボヤッとした言葉で語るのではなく、「これをやった後にはこういう結果がくる」となるべく具体的にキャリアの展望が見えるように説明することが必要だという。

さらに、「採用前に、より多くの社員に合わせる企業は採用の確度が高い」という。現場の生の声を聞くことで、成長カーブのイメージがよりつきやすくなるからだ。

「学び・経験」を付加価値に

明治ザ・チョコレート

明治ザ・チョコレートの包装紙はシンプルなクラフト風のもの。

大ヒットを記録した「明治 ザ・チョコレート」の商品開発を担当した山下舞子さんは、「ミレニアルは、学びや経験に対してとても積極的」という。これは、ミレニアルより上の世代と比較しても、顕著な傾向だそう。

板チョコレートの包装紙といえば、情報がてんこ盛りで、目立たせるために原色系の背景がほとんどだった。そんな中「明治 ザ・チョコレート」は2016年、あえてクラフト風のシンプルなデザインの包装紙を採用した。

明治の山下舞子さん。

「明治ザ・チョコレート」の開発に携わった山下舞子さん。

上層部からの反対の声に「あなたの年代がターゲットではないんです」と言って彼らを説得した、というエピソードはすでに有名だ。

「明治 ザ・チョコレート」はその新しい価値を伝えるため、明治本社やサロン・デュ・ショコラ(パリで毎年開催されるチョコレートの祭典)で「明治カカオレッスン」というワークショップを開催している。

チョコレート製造のようすを見せたり、飲み物とチョコレートを合わせる「マリアージュ」体験など、自分が実際に「学び、経験できる」コンテンツの人気が高いという。

さらにミレニアルに向けたマーケティングとして意識しているのは、「10年以上かけて商品を開発した、開発者たちのこだわり(クラフトマンシップ)をストーリーに載せて伝えること、だという。ただ食べておいしい、というだけでなく、その背景までしっかりと届けることが、ミレニアル向けのサービスのコツと言えそうだ。

「サブスク活用」で売り上げアップ

favy執行役員の足立さん

favy執行役員の足立成彦さんも、ミレニアル世代。

日本初の月額制コーヒースタンド「coffee mafia」を2016年10月にスタートしたfavy執行役員の足立成彦さんは、「飲食店にも、“モノ”から“コト”への流れがある」という。その例の一つが、「飲食のサブスク」だ。

「coffee mafia」は、月額3000円で、西新宿と飯田橋の2店のコーヒーがいつでも飲める。特にオフィスユーザーに広まっており、ミレニアル(20代〜30代)の比率は3割ほど。

サブスクサービスでの認知度が高い同社だが、実は売り上げの8割ほどは、サブスクサービスによるものではなく、非会員による単品購入やクロスセル(関連商品の購入)だ。

フラッと来店した客などがまず商品を買ってくれ、その人がファンになりサブスクサービスを購入してくれるというコンバージョンの流れができている、という。

<登壇者>

山下舞子(明治菓子商品開発部)

2001年入社。研究所にてチョコレートの味つくりを担当。2008年、菓子商品開発部異動(現部署)。明治ミルクチョコ群、メルティーキッス、チョコレート効果などの商品開発を担当。2016年明治THE Chocolateの専任担当へ。趣味はおいしいものを食べにいくこと、ホットヨガ、ウォーキング。

恵川理加(ヴォーカーズ マーケティングマネージャー)

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)卒業。2006年博報堂に入社。広告戦略の企画・立案や商品開発などに携わる。2011年マッキンゼー・アンド・カンパニーに転職。東日本大震災をきっかけにキャリアパスを見つめ直し、台湾への語学留学を経て、2013年より家業の輸入業で海外との交渉や営業全般を担う。その後転職活動で出合ったVorkersに衝撃を受け、入社。マーケティング、広報担当として、メディア対応や「働きがい研究所」の企画運営などを行う。

足立成彦(favy執行役員 マーケティング担当)

1991年生まれ、静岡県出身。大学卒業後、新卒として株式会社マネタイズに入社し、SEMやSEOなどWebを中心としたプロモーションの戦略立案、実行に従事。社内新規事業として分散型グルメメディア「favy」起ち上げ、2015年に株式会社favyへ創業メンバーとして参画。現在はメディアを中心に、マーケティング施策の全般の統括を行う。

(文・写真、西山里緒)

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