日本で出れば確実にiPad Proキラーになる「Galaxy Tab S4」【実機レビュー】

Galaxy Tab S4

サムスンの最新タブレット「Galaxy Tab S4」はiPad Proには決してマネできない特徴を持っている。

「10.5インチiPad Pro」をリモートワークや出先用のサブノート的に使う人が筆者の周囲で増えている。人気があるのは、以下の4つの要素があるからだと思っている。

  • 本体が軽量である程度実用的なキーボード(カバー)が使える
  • 手書きメモができるペンが利用可能(これは業種による)
  • キーボードやペンを快適に使えるアプリ群
  • LTEでの常時接続が可能

実際、この4要素を満たすタブレットは、いま市場にほとんど存在しない。

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しかし、サムスンが8月2日にグローバル向けに発表した10.5インチタブレット「Galaxy Tab S4」は、まさにこの4要素を満たすiPad Proに対抗する新製品だ。グローバルでは既に発売中で、価格はAmazon.comではWi-Fi・64GBストレージ版が647.99ドル(約7万4000円)となっている。

筆者は、発表時点で「iPad Pro対抗」になり得る製品になるだろうと注目していたが、その実機に先月、ドイツ・ベルリンで開催された「IFA 2018」で触れることができた。ファーストインプレッションをお届けする。

軽量薄型な本体と高精細な有機ELディスプレー

Galaxy Tab S4の正面

一見すると普通のAndroidタブレット。

Galaxy Tab S4は、10.5インチの「有機EL」ディスプレーを搭載したAndroidタブレットだ(液晶ではないところに注目)。画面解像度はWQXGA(2560×1600ドット)で、表示は非常に鮮明。ネットフリックスやアマゾンプライムビデオなど高画質なビデオストリーミングサービスの視聴とも相性が良さそうだ。

Galaxy Tab S4の側面

厚さは7.1mmと、10.5インチiPad Proと比べると1mm厚い。

タブレットのみの状態では重さは483g(Wi-Fi版は482g)、厚さは7.1mm。10.5インチ版iPad Proは重さ477g(Wi-Fi版は469g)、厚さ6.1mmと、サイズ感としてはどちらも大きく変わらない。

Galaxy Tab S4の背面

背面には1300万画素のカメラと各種ロゴが並ぶのみ。

Galaxy Tab S4の実機を片手で持った感じはかなり軽い。背面のガラス素材は高級感もある。

キーボードとペン機能の使い勝手も良好

Galaxy Tab S4のSペン

Galaxy Tab S4付属のSペンは、0.7mmの先端で4096段階の筆圧検知に対応している。

専用ペンである「Sペン」に関してもスマートフォンの「Galaxy Note」シリーズで培った使い勝手や機能を踏襲している。

ガラス面に書き込んでいるのに実際の紙に近い摩擦の感覚や筆圧検知、手の甲が画面に触れていても問題なく書き込めるパームリジェクション処理は、まさに長年ペン対応タブレットをつくってきたノウハウが生きている部分だ。

Galaxy Tab S4のペン機能

Tab S4でもNoteシリーズ同様の一部機能は利用できる。

Galaxy Tab S4のキーボード

別売の専用キーボード「Book Cover Keyboard」。

Noteシリーズと比べて劣るところと言えば、Sペンを本体にしまえないところと、Note9で対応したBluetooth接続をサポートしていないので、カメラシャッターやプレゼン時のリモコンとしては利用できない点がある。ただ、Tab S4付属のSペンはNote9のものと比べて太く実際の万年筆やボールペンなどに近い握り心地だった。

なお、別売キーボードに関しては、グローバル向けの英字キーボードしか触ることができなかったが、文字を打ってみた感覚はMacBookよりキーストローク(押した時の深さ)はあり、これもiPad Pro向けのSmart Keyboardに近いタッチを感じた。

仕事で12.9インチiPad ProとSmart Keyboardを実用している身としては、十分満足できる質だった。

隠された目玉機能「Samsung DeX」

Galaxy Tab S4でSamsung DeX

DeXモードでエクセルとブラウザーを開いたところ。ウィンドウのサイズは自由に変更できる。

Galaxy Tab S4の隠れた目玉かつiPad Proには絶対にマネできないと言える機能が「Samsung DeX」だ。

DeXは、Galaxy S8/Note8シリーズ以降から登場しており、別売の専用周辺機器(アタッチメント)にスマートフォンを接続すると、テレビやディスプレーに「PCのようなデスクトップ画面」を表示する機能だ。

しかし、Tab S4のDeXはスマホ版と一味違い、単体で表示できる。つまり、10.5インチの大画面でPC風の使い勝手を実現する機能になっている(アタッチメントも当然不要)。

PC風の使い勝手とは、サイズを変更できるマルチウィンドウと、異なるアプリ間でドラッグ&ドロップでのファイル操作が可能といったものだ。

こういったモバイルデバイスに詳しい人なら、かつてモバイル端末でPC風の機能を実装したケースでは、処理性能や対応アプリの少なさからあまり使い勝手がよくない印象もあるだろう。

Galaxy Tab S4のDeXモードを実機で試してみると、複数のアプリを起動していても動作にもたつきはなく、アプリもサムスン純正アプリはもちろん、マイクロソフト純正のOfficeアプリもしっかり最適化されており、Officeの編集や閲覧、筆者のようにネットで調べ物をしながら文字を書くといった使い方には十分であると感じた。

前例のある販路を絞った売り方なら日本でも展開可能か?

12.9インチiPad ProとGalaxy Tab S4

筆者は10.5インチではなく12.9インチiPad Pro(写真左)ユーザーだが、DeX機能や便利なSペン機能をもつGalaxy Tab S4(右)は非常に魅力的な端末に見えた。

なお、サムスン電子ジャパン広報によると、Galaxy Tab S4の国内発売は「現状未定」となっている。ただ、同社は現在、Tab S4と同様にSペンが使えるWindows搭載の2in1 PC「Galaxy Book」をコストコやAmazonで販売している。

キャリアや家電量販店などに卸すとなると、それ相当の在庫コスト等が発生する。同社は過去に「Galaxy Tab S」シリーズをキャリアモデルとして取り扱ったことがあるが、あまり好調な売れ行きとは言えなかった。しかし、Galaxy Bookはその売り方から“知る人ぞ知る”マニアックな人気のある製品になっている。Galaxy Tab S4もBookと同様のスキームで販売されることを期待したい。

(文、撮影・小林優多郎)

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