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アマゾン、アリババに対抗するたった1つの道──リテールイノベーションで、日本の小売りを変える

2018年9月、日本の小売業界の活性化策を考える「リテールイノベーションコンソーシアム」が設立された。事務局を務めるエスキュービズムの社長、薮崎敬祐氏にその目的や思いを聞いた。

原点はウェブ2.0時代にあった

エスキュービズムの社長、薮崎敬祐氏

エスキュービズム社長の薮崎敬祐さん。1979年兵庫県生まれ。2002年東京大学経済学部卒業、2004年東京大学大学院経済学科修了。新卒でリクルートに入社し、新卒および中途採用を中心にした人材サービスのソリューション営業を経て、2006年5月のエスキュービズムを設立。テクノロジー、小売、製造、農業、ヒューマンキャピタルなど広範な領域に事業展開。2018年はテクノロジー領域に再度注力、リテールテックのリーディングカンパニーとして躍進を続ける。

──薮崎さんはリクルートを経て独立され、さまざまな事業を手掛けてきました。なぜ今小売りに注目されるのでしょうか?

私が起業したのはウェブ2.0が流行語になっていた2006年のこと。ほとんどの企業がホームページを持つようになった頃で、私たちはそこから一歩踏み込み、EC(電子商取引)サイトの構築を始めました。企業がもっとインターネットを事業に生かしていく時代になる、と予想したからです。

その鍵となったのが2007年にリリースした EC構築システム。顧客に対し、ソースコードを開示した上で納品したのです。非開示が主流の時代にこのやり方は画期的。500社ほどが導入してくれ、カテゴリーNo.1企業になりました。

20億円の事業を4つつくった理由とは

事業の年表。

この成功を起点に、コンビニや書店など、実店舗を持つ小売業にも入り込んでいく中で、ネットと店舗を分断させるのではなく、ネット上での購買行動と店舗でのそれを連携させる仕組みが必要になることに気づきました。

そこで2011年にPOSシステムと連動させたタブレットのレジシステムをリリース。これにより、ECと店舗の在庫を共通化でき、購買履歴の記録やポイントカードの発行などの販売管理も一元的に行えるようになったのです。これも当時としては画期的な製品で、評判になりました。

ドロップシッピング、家電、中古車販売……何でもやってみる

開発商品一覧の一部。

東日本大震災後、家庭用のレタス水耕栽培装置を発売。今は売却済み。どの事業にも、意思決定の速さがうかがえる。

2009年には在庫を抱えないネット通販であるドロップシッピング事業をスタートさせ、4年で20億円の事業に育て上げました。

2014年には家電事業も始めました。製品第一号はLEDライトを使ってレタスを育てる装置です。その他にもテレビや冷蔵庫を開発し、量販店で販売しました。この家電事業も4年で20億円の事業に成長しました。

同じ年にネットを使った中古車販売にも乗り出しました。当時、ネットでの販売率が最も低い商品の1つが車でしたが、手数料の開示と低価格路線を貫いて成功し、こちらも4年で20億円になりました。

2018年、一気に“リテールテック”へ

ポスレジ

エスキュービズムがかつてつくっていたポスレジ。

実は、ITベンダー事業も同じような事業規模になっていました。20億円の事業が4つあったのです。どこかに力を入れるとそれが伸びるものの、他がへこんでしまう状態が数年続いていたのですが、リテールテック(流通業のデジタル化)という言葉が出てきたように、昨今の小売業界におけるデジタル化の波がかつてないほど大きくなってきました。

その波に乗って、さらに大きな成長を遂げるべく、2018年4月、会社の舵を大きく切り創業時に立ち戻ることに。さまざまな事業で培ったナレッジをリテールテック事業に集約することにしました。

小売業に顕著な「横並び」

薮崎敬祐氏

──日本の小売業の課題をどのように捉えていらっしゃいますか。

デジタル技術をうまく使った無人スーパーや無人コンビニが次々にオープンしているアメリカや中国に比べると、周回遅れと言っていいでしょう。その理由は、ずばり「横並び」です。

先進的な技術やブレイクスルーになり得るアイデアがあったとしても、「同業他社はどうなの?」と様子見をするだけ。リスクを取って、新たな海に飛び込むファースト・ペンギンがなかなか現れないのです。

もう1つ、「ツール信仰」という問題もあります。デジタル化の牽引役となるべき大手のシステムインテグレーターは、ウェブ技術にそれほど通じていないという現実があります。そのため、デジタル化をしようとすると小さなベンチャーのSaaSのようなツールの活用という形しか取れなくなる。数店舗規模の企業ならそれでもいいのですが、100や1000といった単位になると、対応ができなくなってしまいます。

さらに言えば、アメリカのアマゾン、中国のアリババといった、リテールテックを推進する強力な企業が不在、という問題もあるでしょうね。

ユニクロのウィンドウ前に立つ女性。

gettyimages

そうした中で頑張っている企業もあります。自分たちを情報製造小売業と独自定義するユニクロがその代表格です。

その他、私たちがお手伝いした丸善ジュンク堂書店の例があります。池袋本店に並ぶ本の種類は、実はアマゾンの在庫より多い。その強みを生かすべく、ネットで注文した本を会社帰りに店頭で購入する、というサービスを始めたところ好評で、利用者が伸びています。強みを認識し、ITでそれを増幅できれば、実店舗がネットに打ち勝つことも可能なのです。商品購入に至らなくても、滞在そのものが楽しくなる店舗をつくり、そこにカフェを併設して利益を出している企業もあります。

今後、カフェの利益がさらに増えれば商品をディスカウントすることができ、その魅力で新たな客を集めることができるかもしれません。

この例のように、今の日本の小売業界では、考えられないような変革が起こる可能性がある。その際に重要な働きをするのが、デジタル技術であるのは言うまでもありません。

“ファーストペンギン”を生むカンファレンスに

薮崎敬祐氏の手元

──2018年11月には、リテールイノベーションコンソーシアムの最初のカンファレンスが開催されます。コンソーシアムの狙いとカンファレンスの見どころを教えてください。

日本にはファースト・ペンギンが現われないからデジタル化の波に乗り遅れていると言いましたが、逆に言えば、それさえ現れれば後を追うペンギンは山ほどいるのです。

そこで最初のチャレンジャーを生み出すべく、私たちがマイクロソフト、Business Insider Japanに理事に入ってもらって立ち上げたのがイノベーションコンソーシアムです。

小売り、メーカー、テクノロジー企業などが会員で、お互い切磋琢磨しながら、勉強だけに終わらせず、イノベーティブな実践事例を1つでも多く出していきたい。

カンファレンスでは、「先進小売企業」「海外」「流通専門家」「生活者」「他業界」という5つの視点から、登壇者を選定しました。

他業界という点では、ディズニーランドの人気の秘密に迫ります。今の小売業にとって、ライバルは国内の同業ではないのです。

カンファレンス当日は変わりたいけれど変われない、方法がわからないという小売企業に、ぜひとも来ていただきたいですね。


エスキュービズムは、2018年11月7日に「リテールイノベーションカンファレンス」を開催します。ストライプインターナショナル、アクセンチュアなどを登壇者として迎え、「専門家の視点」「先進リテールの視点」「海外の視点」「生活者の視点」「他業界の視点」という5つの視点から小売りについて話します。ぜひお越しください。

リテールイノベーションカンファレンスのバナー。

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