グーグルは、新型スマートフォン「Pixel 3」シリーズを発表。日本での取り扱いも明らかにした。
出典:グーグル
- グーグルの新型スマートフォン「Pixel 3」「Pixel 3 XL」が発表
- 同社の最新の画像処理機能やAR、アシスタント機能が利用できる
- 日本での発売も決定。日本向け直販サイトではおサイフケータイの対応も明らかに
約3年ぶりに「グーグルスマホ」が日本上陸する。
米グーグルは日本時間10月10日、新製品発表会「Made by Google 2018」を米国・ニューヨークで開催。発表会では同社の新型スマートフォン「Pixel 3」「Pixel 3 XL」などを発表した。2モデルともに日本でも発売される見通しだ。
最大の特徴は同社の最新技術を結集させたカメラ機能
Pixel 3/3 XLのカラーバリエーションは、クリアリーホワイト、ジャストブラック、ノットピンクの3種類。
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Pixel 3は5.5インチ、3 XLは6.3インチの有機ELディスプレーを搭載。3 XLはアップルの「iPhone X」など最新機種で見慣れた、画面上部の額縁に出っ張りをつくった「ノッチデザイン」を採用する。
心臓部であるチップセットは最新のXperiaやGalaxyなどと同じクアルコム製「Snapdragon 845」、メモリーは4GB、ストレージは64GBもしくは128GB(microSDカード非対応)という仕様だ。
Top Shotはシャッターを切った時点からさかのぼって「真のシャッターチャンス」をレコメンドしてくれる。
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ユーザーにとって「グーグル純正」のスマートフォンの最大の魅力は、グーグルの機械学習の知見を生かした新機能を、世界で最も早く体験できるという点にある。とくにその特徴が如実に表れているのが前機種「Pixel 2/2 XL」でも好評だったというカメラ機能だ。
例えば、標準カメラアプリに内蔵された「Top Shot」機能は、動きのある写真を撮影した際、シャッターを押した前後のタイミングによりよいシーンがあったとAIが判断した場合、レコメンドしてくれるといったものだ。グループ撮影時に目をつぶったり、ペットの撮影でここぞという時に動いてしまった……というときでも失敗しない、ベストなカメラ機能といえる。
発表会では、暗所でアップルの最新機種「iPhone XS」とPixel 3で撮影したそれぞれの写真を比較。グーグルは画質や補正にかなり自信があるようだ。
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カメラの性能は、Pixel 3/3 XL共通で背面が1220万画素のシングルレンズで、正面が800万画素×2のデュアルレンズ構成。正面は97度の視野をもち、グーグルは複数人でのセルフィーでも安心して撮れるとしている。
日本にも来る?アメリカ限定“電話AI”機能
米国のみに展開される「Screen Call」は、どうしても電話がとれないときの対応や迷惑電話の撃退法として役に立つ。
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前述のとおり、Pixel 3/3 XLの日本発売は決定済みだが、完全にアメリカ仕様と同じ機能が使えるというわけではないようだ。その一つが、発表会の中で一際盛り上がった機能「Screen Call」だ。
Screen Callは、連絡先などに登録がない不明な発信者から電話がかかってきた場合、Googleアシスタントが代わりに用件を聞いてくれたり、返事をしてくれる機能だ。
とはいえ、アシスタントが勝手に返答をするわけではなく、着信側がかかってきた番号を確認し、Screen Callを有効化。アシスタントはGoogleのAIであることを発信者に伝え、用件を聞く。発信者がアシスタントに話した内容は自動的にテキスト化され着信者の画面に表示される。その内容次第で、着信者は折り返しかけるか、迷惑電話として拒否するかなどの選択ができるといった具合だ。
Call Screenの紹介動画。
同社は5月に開催した開発者会議「Google I/O 2018」で、Googleアシスタントが飲食店などの予約をしてくれるシステム「Duplex」を公開している。今回のScreen CallもDuplex同様に人と人との間に入るAIとしての現実的な機能と言えるだろう。
なお、DuplexもPixel 3発売と同時にアメリカのユーザー向けに展開される。リリース文によると、今年後半からニューヨーク、アトランタ、フェニックス、サンフランシスコのベイエリアのレストランの予約が可能となる見通し。「Duplexは、将来的にほかのアメリカの地域でも展開予定」とアナウンスされているため、Duplexなどが日本を含むアメリカ以外の国や地域で展開されるのには、まだしばらく時間がかかりそうだ。
おサイフ対応で日本に本気。気になる価格は?
Pixel 3の日本向けの商品ページには、スペック表にFeliCa対応、利用できるサービス一例に「おサイフケータイ」の文字がある。
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日本向けの朗報は、日本向けの製品ページにおサイフケータイ対応が明記されていることだ。これはSuicaなどを含む日本版「Google Pay」という形で提供される。
Pixel Standはグーグル純正のワイヤレス充電(Qi)スタンド。Pixel 3/3 XLシリーズを置くとGoogleアシスタントが起動し、スマートスピーカーやフォトフレームのような機能が使える。
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今回、Pixel 3と同時発表された純正ワイヤレス充電スタンド「Pixel Stand」(税込9504円)などのアクセサリーの日本向け製品ページもある。
2015年に日本発売したグーグルスマホ「Nexus 6P」「Nexus 5X 」にはおサイフ機能はなかった。今回はおサイフも、専用アクセサリもあることをから、日本展開の本気度は高そうだ。
日本向けの製品価格は、現時点では「未定」。公式サイトでは、日本の購入希望者にアップデートした情報をメール通知するウェイティングリスト登録が案内されている。
参考までにアメリカ向けの価格を下記にまとめた。ただし、この価格には、日本にまだ上陸していない有料サービス「YouTube Music Premium」6カ月分の利用権が含まれている。
グーグルの新型スマートフォンPixel 3/Pixel 3 。NTTドコモやソフトバンクといった国内通信事業者の取り扱いも一部報道では噂されている。
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- Pixel 3 64GB版(SIMフリー) 799ドル(約9万円)
- Pixel 3 128GB版(SIMフリー) 899ドル(約10万2000円)
- Pixel 3 XL 64GB版(SIMフリー) 899ドル(約10万2000円)
- Pixel 3 XL 128GB版(SIMフリー) 999ドル(約11万3000円)
また、NTTドコモやソフトバンクといった国内通信事業者の取り扱いも一部報道では噂されており、もし仮に扱われる場合は毎月の通信費に対する割引も行われるだろう。グーグルだけではなく、キャリア発表の今後の動向にも注視したい。
(文・小林優多郎)