アル・ゴア氏。
Lehtikuva/Vesa Moilanen/Reuters
- 米証券取引委員会(SEC)との和解によって、テスラ(Tesla)のCEOイーロン・マスク氏は、3年は同社の会長職を退くことになった。
- テスラの取締役会は、同社の株価下落の原因となったマスク氏の不規則発言を止められなかったことで、批判されてきた。
- フィナンシャル・タイムズは10日(現地時間)、現在、テスラの取締役を務めているジェームズ・マードック(James Murdoch)氏が新会長の最有力候補だと報じた。
- この報道に対して、マスク氏は「誤りだ」とツイートしている。
- 他にも、アル・ゴア(Al Gore)氏やウォーレン・バフェット氏、アラン・ムラーリー(Allan Mulally)氏などの名前が候補に上がっている。
米証券取引委員会(SEC)との和解によって、テスラのCEOイーロン・マスク氏は、3年は同社の会長職を退くことになった。マスク氏は2003年の同社創業以来、ずっとこの地位にあった。
2018年、マスク氏には不規則発言が目立った。会社の財務状況をについてジョークを言ったり、金融街のアナリストと決算発表で言い争ったり、タイで少年を助けたイギリス人ダイバーを侮辱したり、和解から4日後にはSECまで攻撃した。
企業の取締役会は本来、経営陣を監督し、株主の最大の利益のためになっていることを確認する責任がある。しかし、テスラの株価下落の原因となったマスク氏の不規則発言を止められなかったことで、同社の取締役会に対する批判も聞かれる。新たな会長はこうした評判を回復できるかもしれない。
しかし、その仕事は簡単ではない。
テスラの従業員いわく、マスク氏は頑固で要求が多く、気難しいボスだ。新会長は、従業員たちにベストを尽くそうと思わせるマスク氏のリーダーシップ・スタイルを生かしつつ、彼の衝動的な行動を抑えなければならない。
フィナンシャル・タイムズは10日、現在、テスラの取締役を務めているジェームズ・マードック氏が新会長の最有力候補だと報じた。
この報道に対して、マスク氏は「誤りだ」とツイートしているが、マードック氏が"最有力候補"というのが誤りなのか、"候補"に名前が挙がっていること自体が誤りなのか、どの部分について「誤りだ」とつぶやいたのかは分かっていない。Business Insiderはツイッター経由でマスク氏にコメントを求めたが、回答は得られなかった。
以下、これまでに名前が挙がっている8人の新会長候補を紹介しよう。
1. アラン・ムラーリー(Alan Mulally)氏
Spencer Platt/Getty
ムラーリー氏は2006年から2014年まで、フォード(Ford)の社長兼CEOを務めた人物だ。その前は、ボーイング(Boeing)のエグゼクティブ・バイス・プレジデント、ボーイング民間航空機部門の社長兼CEOを務めた。
Source: Bloomberg, CNBC, Wall Street Journal
2. アル・ゴア(Al Gore)氏
Lehtikuva/Vesa Moilanen/Reuters
アル・ゴア氏は、1993年から2001年までアメリカの副大統領を務めた。その前は、アメリカの上院議員、下院議員を務めていた。
Source: Bloomberg
3. ジム・マックナーニ(Jim McNerney)氏
Charles Rex Arbogast/AP
マックナーニ氏は2005年から2015年まで、ボーイングの会長、社長兼CEOを務めた。その前は、3MとGEアビエーションの社長兼CEOだった。
Source: Bloomberg
4. インドラ・ヌーイ(Indra Nooyi)氏
World Economic Forum / Flickr
ヌーイ氏は2006年からペプシコのCEOを務めていて、2007年からは会長になった。10月に同社CEOを退任する予定で、2019年初めに会長からも退くという。
Source: CNBC, Wall Street Journal
5. ゲイリー・コーン(Gary Cohn)氏
Drew Angerer/Getty images
コーン氏は2017年1月から2018年4月まで国家経済会議(NEC)の委員長を務めた。ゴールドマン・サックスの元社長兼COO。
Source: CNBC
6. ジェームズ・マードック(James Murdoch)氏
Greg Sandoval/Business Insider
マードック氏は、2015年から21世紀フォックス(21st Century Fox)のCEOを務めていて、テスラの取締役会にもその名を連ねている。その前は、イギリスの放送局スカイ(Sky)やスター・テレビジョン(Star Television)のCEOだった。
フィナンシャル・タイムズは10日、マードック氏がテスラの次期会長の最有力候補だと報じた。
7. ウォーレン・バフェット(Warren Buffett)氏
Alex Wong / Getty Images
バフェット氏は1970年から、バークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway)のCEO兼会長を務めていて、アメリカ史上最も成功した投資家の1人。
Source: Wall Street Journal
8. ハワード・シュルツ(Howard Schultz)氏
AP/Elaine Thompson
シュルツ氏は1987年から2000年、2008年から2017年にスターバックスのCEOを務めた。同社の会長職にも就いていた。
Source: Wall Street Journal
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(翻訳、編集:山口佳美)