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リコーがベンチャー共創に「本気」の理由 ── BONXと創る「リモート」時代のコミュニケーションシステム

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働く人の「非効率」を減らして生産性をあげ、多様な働き方をつくっていく「働き方改革」。この言葉がバズワードになる一方で、テレワークを実施した企業のなかには、チームの情報共有に課題を感じたり、実際には“ただの労働時間削減になっている”といった例も少なくない。

別々の場所で働きながら、情報共有の速度を落とさず、むしろ生産効率が上がる方法はないのか? このほど、総合商社の従業員組合が行った、あるテレワークの試験導入と結果は、その解決のヒントになるかもしれない。

総合商社の組合が試験導入した「スタートアップの技術」

丸紅従業員組合 副書記長の小澤悠氏

丸紅従業員組合 副書記長の小澤悠氏。丸紅従業員組合では、一般的な組合活動としてイメージする報酬交渉や待遇の改善だけではなく、組合主導で社員の働く環境の改善を提案するのが、ユニークなところだ。

プロジェクトを推進した丸紅従業員組合 副書記長の小澤悠氏によると、社員への調査で、「働き方の選択肢を広げること」、つまりオフィス以外でも働けるようにすることに関心が強い組合員が多かったことが、丸紅従業員組合が働き方改革に取り組んだ発端だった。

さまざまなツールを検討した結果、試験導入をしたツールの1つが、創業4年目のスタートアップ、BONXの遠隔音声コミュニケーションツール「BONX for BUSINESS」だった。

BONX for BUSINESS

BONX for BUSINESSで使用するヘッドセット「BONX Grip」。法人向けシステムは管理コンソール機能などが使える。月額課金により同時通話人数を30人まで増やせるほか、要望に応じた機能追加などのカスタマイズも可能だ。スタンダードプランは1人あたり月額¥875円(税別)。

BONX for BUSINESSはスマートフォンとリンクさせて使う「ヒアラブル」機器だ。独自の「発話検知」技術によって、発信ボタンなどを押さなくても、耳につけて喋るだけで、最大30人までのチーム全員と机を並べて仕事をしているかのように話せる。通話内容を録音する機能などが使える業務向けコンソールもある。

丸紅従業員組合では、一部の部署を対象に2017年度から、BONXやほかのテレワーク支援ツールを使ったトライアルをはじめた。

「テレワークトライアルを推進する際に重視したのは、“コミュニケーションの双方向性”でした。既存のツールでは、“電話をかける”ような発信操作がどうしても必要です。けれども、現実のオフィスワークでは、“小澤さんちょっと相談が”というような、一瞬で済む双方向性のある口頭確認で業務が進みます。テレワークトライアル下でもこれができないと、結局オフィスに来ないと仕事なんてできないという短絡的な思考に陥ってしまう。そこをツールで改善できないか、と考えました」(小澤氏)

小澤氏は、効果検証のためいくつかのユースケースを試した。興味深い結果が出たのが、営業部のある例だった。

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営業部の協力で、精鋭社員の一人を丸1週間、東京から中部支社(名古屋)へ「出張」という形でテレワークトライアルをしてもらった。多忙なチームのパフォーマンスが落ちる懸念があったが、双方向性のコミュニケーションを担保することで、払拭できると提案した。

支社-東京間の口頭連絡にはBONXを使い、会議のホワイトボードは、リコーの電子黒板『インタラクティブホワイトボード(IWB)』で複数拠点で同じ内容がリアルタイム共有をできるようにした。「Sococo」というテレワーク向けのバーチャルオフィスツールも組み合わせた。結果は、手応えを感じるものだった。

「1週間の検証期間で、まず課のパフォーマンスは一切落ちませんでした。さらに重要なのは、名古屋地域のお客様との接点が大幅に増えたことです。お客様に“1週間、名古屋にいます”とお伝えしたところ、2回の会食と3回の面談が実現しました。通常の出張では、“月に1回の訪問と、場合により会食”が平均的です。オフィスを離れてお客様の近くにいながら、接点が増やせて業務効率も落ちないと確認できたことは、大きな成果でした」

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リコーがスタートアップに4.5億円出資した理由

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BONXのCTO・楢崎雄太氏

BONXのCTO・楢崎雄太氏。東京・駒沢のBONX本社にて撮影。

丸紅従業員組合がトライアルした「BONX for BUSINESS」とリコーの電子黒板「IWB」などを組み合わせた着想は、丸紅従業員組合独自のアイデアだったが、実はリコーとBONXはいま、資本関係にある。

リコーは2018年7月にBONXに対し約4.5億円の出資をして資本業務提携を結んでいる。いまはBONXとともにBONX for BUSINESSを組み合わせたソリューションやパッケージ開発を進めている真っ最中だ。

リコーでBONXとの提携を担当しているワークフローソリューションセンターパートナー戦略室室長の児玉哲氏によると、リコーがスタートアップに出資することは、これまでほぼ例がなかったことだという。

「リコーはこれまでコピー機などオフィス機器の開発・製造を得意としてきました。しかし、今後はソフトウェアが重要になります。周囲の競争環境とともに、お客様の“働き方”も変化しています。その中で、スピード感を持ってお客様に新しい価値を提供していく最適な方法は何か? それを考えて、リコーとしてスタートアップとの協業を決めました」(児玉氏)

BONXのCTO・楢崎雄太氏によると、これまでも大手からの提携の相談はいくつかあったが、結果として実らなかった。その経験から、当初はリコーからの打診も「結局、立ち消えになるのでは」と思っていたそうだ。

リコー デジタルビジネス事業本部 ワークフローソリューションセンター パートナー戦略室室長の児玉哲氏

リコー デジタルビジネス事業本部 ワークフローソリューションセンター パートナー戦略室室長の児玉哲氏。

両社で話を進めるなかで「本気だ」とわかったのは、「(リコーにはない)音声を使ったソリューションを一緒に作って行きたい。そのために資本を入れ、一緒の船を漕いでいくつもりだ」(児玉氏)という、リコー側の熱意がわかったからだという。

いったん手を組むと決めた両社の業務提携発表までのスピードは爆速だった。

楢崎氏が提携打診を受けたのが2018年3月。両社で検討を進めて、出資決定のリリースを配信したのは2018年7月17日。リコーとして不慣れなスタートアップへの出資ということを考えると、約4カ月という速さは異例のスピードだ。「ベンチャーキャピタルの出資決定より早いほどのスピードだった」(楢崎氏)という口ぶりには、BONX側の驚きが現れている。

児玉氏は、この決定の背景に「社長の山下の『どんどんどんどんやっていけ』というスタンスが後押し」だったと、トップの強い意思を明かした。

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スタートアップと大企業が「二人三脚で走る」意味

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BONXの楢崎氏は、リコーと手を組むことの利点として、「BtoBビジネスをつくる際に欠かせない、目に見えない信頼や安心感」を挙げる。

スタートアップにとって一筋縄ではいかないのが、ビジネスに欠かせない「ブランドと信用」をつくることだ。

資本業務提携後、BONX for BUSINESSはリコーの販売子会社・リコージャパンが窓口となって販売する。「スタートアップの我々と違って、すでにリコーと取引関係がある企業が多い。口座開設の待ち時間がなく、提案がまとまったらすぐにビジネスを開始できる」(楢崎氏)ことは、大きな違いだ。

リコーと一緒に走ることのスピード感について、楢崎氏は「今まで自分たちがやってきた進め方との違いを感じることは確かにあります。ただ、その多くは児玉さんが巻き取って対応してくれているので、ストレスに感じることはないですね」と語る。

一方で、苦笑いするのは児玉氏。リコー側はやはり大変だ。

「リコーがBONXのスピード感にあわせるのは、率直なところ簡単ではありません。ただ、私の所属する組織は、意思決定が早いことで助けられています。BONXのスピードに合わせて我々も走らないと、(この速さで)新しいプロダクトはつくれないですから」(児玉氏)

苦労もあるが、スタートアップの小回りと開発スピードに対する、社内、特に若手からの期待と驚きは大きい。

特に、音声の品質などの現場からの改善要望を送って、その次のバージョンが戻って来るまでのスピード感はいままで社内で体験したことのないものだと語る。「スタートアップのスピードとはこういうことか、と」(児玉氏)。

ビジネスの非効率をAIや自動化でサポートする

リコーとBONXの資本業務提携は、もちろんBONX for BUSINESSを販売することだけが目的ではない。

目下、2社で進めているのは、BONX自体を音声インターフェイスとして使う、新たなビジネス支援システムの開発だ。リコーは、今年度の成長戦略としてデジタルビジネスに力を入れていくことを掲げている。BONXとの協業は、この新しいデジタル領域の成長戦略の1つにあたるものだ。

BONXを使ったソリューションでは複数のプロジェクトが走っている。リモート拠点・多言語会議の自動翻訳機能といったものや、BONXに話しかけることで、音声ボットが必要な情報を探してくれる「音声業務ボット」のようなものも、すでに検討・開発が進んでいる。

BONX for BUSINESSの管理コンソール

BONX for BUSINESSの管理コンソール画面。会話の録音データの参照や管理もここから行える。

音声を媒介に、「ビジネス現場の非効率をAIや自動化でサポートする」これが、リコーとBONXが考えているビジネスの将来像だ。

モノづくりに自信をもつリコー社員のなかには、スタートアップとの協業を必ずしも諸手を挙げて賛成する人ばかりではないのでは? こう聞いた時の、児玉氏の回答は興味深い。

「リコーのものづくりと、基礎技術を組み合わせれば、何年後かにBONXのようなものはつくれたかもしれません。でも、BONXのみなさんと話して思ったのは、彼らはすでにサービスを商品化していて、すでに丸紅従業員組合さんのように、リコー製品と組み合わせて使ってくださった事例も持っているわけです。現段階の技術に改善の余地があったとしても、“すでにビジネスで評価されている”という事実に勝る説得力はありません」

最高の技術で最高の製品がつくれたとしても、3年後では意味がない ── 山下社長の旗振りの下、リコー社内の意識改革が進んでいるのだとすれば、こうしたマインドを持つ社員が現場から徐々に増えている、ということなのかもしれない。

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