保有国は2カ国のみ、ニミッツ級 vs ド・ゴール ── 米仏の原子力空母を比較

空母ドワイト・D・アイゼンハワーと空母シャルル・ド・ゴール

地中海を航行するアメリカの空母ドワイト・D・アイゼンハワー(手前)とフランスの空母シャルル・ド・ゴール。2016年。

US Navy

原子力空母は通常動力の空母よりも強力、それには2つの基本的な理由がある。

1つ目、原子力は化石燃料に比べて、カタパルトとセンサーにより多くのエネルギーを供給できる。

2つ目、化石燃料を積む必要がないため、より多くのミサイルや爆弾を搭載できる。

だが、原子力空母を保有する国は世界に2つしかない。アメリカとフランスだ。

フランスは原子力空母シャルル・ド・ゴール(Charles de Gaulle)1隻を保有、アメリカはニミッツ級(Nimitz Class)、ジェラルド・R・フォード級(Gerald R. Ford class)、合わせて11隻を保有している。

ただしフォード級で就役しているのは、同級1番艦の空母ジェラルド・R・フォード(USS Gerald R. Ford)のみで、まだ実戦配備されたことはない。一方、ニミッツ級1番艦の空母ニミッツは1975年に就役、数々の実戦経験を誇る。

フランスの空母シャルル・ド・ゴールも2001年の就役後、10年以上にわたって実戦に投入されてきた。

ともに実戦での高い評価を持つニミッツ級とシャルル・ド・ゴールを比べてみた。

見てみよう。

シャルル・ド・ゴールとニミッツ級、1つめの大きな違いは原子炉。

空母ドワイト・D・アイゼンハワーと空母シャルル・ド・ゴール

空母ドワイト・D・アイゼンハワー(左)とシャルル・ド・ゴール。2016年、地中海にて。

US Navy

ニミッツ級空母は、A4W加圧水型原子炉を2基搭載、1基あたりの出力は550メガワット。シャルル・ド・ゴールはK-15加圧水型原子炉を2基搭載、1基あたりの出力は150メガワット。

ニミッツ級は速力で勝る(ニミッツ級:時速55キロ以上、シャルル・ド・ゴール:時速50キロ)のみならず、核燃料の交換は約50年に1度で済む。シャルル・ド・ゴールは7年ごとに交換が必要とされる。

サイズも違う。

空母ドワイト・D・アイゼンハワーと空母シャルル・ド・ゴール

ヨーロッパで軍事作戦を実施したときの空母ドワイト・D・アイゼンハワー(奥)と空母シャルル・ド・ゴール(手前)。

US Navy

全長はニミッツ級が約333m、シャルル・ド・ゴールが約262m。ニミッツ級の方がより多くの艦載機を搭載できる。満載排水量もニミッツ級が約9〜10万トン、シャルル・ド・ゴールが約4万トンと2倍以上違う。

ニミッツ級はF/A-18F スーパー・ホーネット、EA-18G グラウラーなど75機以上を搭載可能。

空母ニミッツ

ハワイ・オアフ島の北241kmの海域を航行する空母ニミッツ。2012年にハワイ沖で実施された環太平洋合同演習にて。

REUTERS/Hugh Gentry


一方、シャルル・ド・ゴールは、ダッソー・ラファールなど最大40機。

空母シャルル・ド・ゴール

戦闘機ラファールと攻撃機シュペルエタンダールが任務に備える。2016年1月28日、ペルシャ湾にて。

Reuters

だが、シャルル・ド・ゴールもニミッツ級も艦載機の発艦にはカタパルトを、着艦には着艦拘束ワイヤー(アレスティングワイヤー)を使うCATOBAR(Catapult Assisted Take-Off But Arrested Recovery)を採用。つまり、艦載機はカタパルトで加速されて離陸し、着陸時には機体尾部のフックをワイヤーに引っかけて着陸する。

防御兵装は、ニミッツ級は概ね、8連装のシースパロー艦対空ミサイルランチャー2基、21連装のRAM(Rolling Airframe Missile)近接防空ミサイルランチャー2基、20ミリのファランクス近接防御火器システム(CIWS)2〜3基を搭載。

空母エイブラハム・リンカーン。

RIM-7P シースパロー・ミサイルを発射する空母エイブラハム・リンカーン。

US Navy

出典 :naval-technology.com

シャルル・ド・ゴールは、アスター15艦対空ミサイルを格納した8セルのシルヴァーVLS(垂直発射システム)4基、ミストラル短距離艦対空ミサイルを格納した6連装サドラル・ミサイルランチャー2基、20ミリ単装機関砲8門を搭載。

シルヴァーVLS。

シルヴァーVLS。

Wikimedia Commons

出典 :naval-technology.com

ニミッツ級もシャルル・ド・ゴールもかなりの実戦経験を誇る。特にニミッツ級は数々の戦闘に参加している。

空母ドワイト・D・アイゼンハワーと空母シャルル・ド・ゴール

地中海を航行するアメリカの空母ドワイト・D・アイゼンハワー(手前)とフランスの空母シャルル・ド・ゴール。2016年。

US Navy

ニミッツ級空母はベトナム戦争以降、湾岸戦争やアフガニスタンなど、さまざまな戦闘に投入されている。1番艦の空母ニミッツが初めて本格的に実戦に投入されたのは、1979年のイランでの「アメリカ大使館人質事件」。

シャルル・ド・ゴールは、アフガニスタンでの「不朽の自由作戦(Operation Enduring Freedom)」においてインド洋に派遣。また2011年の「アラブの春」の際には、国連によるリビア上空の飛行禁止区域の設定に参加、発艦回数は1300以上にのぼった。

最近では、イラクとシリアで行われたISISに対する軍事行動において、「シャマル作戦(Opration Chammal)」と呼ばれる空爆作戦に参加した。


[原文:These are 2 of the world's most powerful aircraft carrier classes — this is how they stack up

(翻訳:遠藤康子/ガリレオ、編集:増田隆幸)

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