制裁にはそれを上回る「報復」を —— サウジアラビア、行方不明の反政府記者をめぐり、国際社会に警告

ムハンマド・ビン・サルマン皇太子

サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子。

Nicolas Asfouri - Pool/Getty Images

  • サウジアラビアの反政府記者、ジャマル・カショギ(Jamal Khashoggi)氏が行方不明になっている問題で、サウジアラビアに対する制裁を求める声が高まる中、同国政府は制裁を受ければ報復すると明言した。
  • ワシントン・ポストのコラムニストでもあったカショギ氏は、10月2日にトルコのイスタンブールにあるサウジアラビア領事館を訪れた後、消息が分からなくなっている。サウジアラビア当局は、カショギ氏は領事館を去ったと主張しているが、トルコ当局は、同氏がサウジアラビアの工作員によって殺害された可能性があると見ている。
  • アメリカのトランプ大統領は、それが事実であれば「厳罰」を科すとしていて、報道陣に対し、「非常に大きな」影響が出ることになるだろうと話した。
  • サウジアラビア政府は14日(現地時間)、経済制裁を受ければ「それを上回る行動で対応する」と警告した。
  • しかし、サウジアラビアの株式市場は14日、最大で7%下落し、投資家の懸念を示している。

サウジアラビアの反政府記者、ジャマル・カショギ氏が行方不明になっている問題で、サウジアラビアに対する制裁を求める声が高まる中、同国政府は制裁を受ければ報復すると明言した。

ワシントン・ポストのコラムニストでもあったカショギ氏は、自身の結婚に必要な書類を集めるため、10月2日にトルコのイスタンブールにあるサウジアラビア領事館を訪れた後、消息が分からなくなっている。サウジアラビア当局は、カショギ氏は領事館を去ったと、何ら証拠を示すことなく主張しているが、トルコ当局は、同氏がサウジアラビアの工作員によって、領事館の中で殺害された可能性があると見ている。

14日に放送されたアメリカのテレビ番組『60ミニッツ』のインタビューの中で、トランプ大統領は、サウジアラビアがアメリカで暮らすカショギ氏を殺害したことが事実であるとアメリカが結論付ければ、「厳罰」を科すとしていて、現在、捜査中であると語った。また、大統領は13日、もしサウジアラビアに責任があると分かれば、「非常に大きな」影響が出ることになるだろうと報道陣に述べた。

フランス、ドイツ、イギリスも14日、カショギ氏の行方を明らかにし、自らの行動の責任を取るよう、サウジアラビアに対する圧力を強めている。

ジャマル・カショギ氏

ジャマル・カショギ氏。

Chris McGrath/Getty Images

サウジアラビアはカショギ氏の殺害疑惑への関与を否定しているが、複数の個人や主要企業が、サウジアラビア及びムハンマド・ビン・サルマン皇太子と距離を置き始めている。そして、20人以上のアメリカ上院議員がトランプ大統領に対し、カショギ氏の失踪について捜査し、その関係者に制裁を科すよう要請した

サウジアラビア政府は14日、同国に対する批判に対し、制裁には「それを上回る行動で対応する」と警告した。

「王国は、経済制裁の発動警告や政治的圧力、もしくは事実に反する疑惑を繰り返すことによる、いかなる脅威や中傷の試みにも決して屈しない。これにより、王室やその確固とした地位、アラブ、イスラム、世界における立場が損なわれることはなく、こうした無力な企ては、過去の試み同様、失敗に終わる」と、サウジアラビアのニュースメディアは「当局の情報」をもとに述べている。

その上で、「王国はいかなる行動にも、それを上回る行動で対応すると述べ、その経済は国際経済に影響力のある、重大な役割を果たしていて、王国の経済は世界経済によってのみ影響を受ける」と述べた。

サウジアラビアのサルマン国王は14日、トルコのエルドアン大統領と、カショギ氏の消息やこの件に関する「ワーキング・グループ」設置の検討について話し合ったと、トルコ及びサウジアラビアの国営メディアが報じている。

しかし、サウジアラビアに対する批判は広まり、その影響はすでに出始めている。

サウジアラビアの株式市場は14日、トランプ大統領の「厳罰」発言を受け、最大で7%下落し、投資家の懸念を示している。

[原文:Saudi Arabia vows retaliation against US sanction 'threats' following Jamal Khashoggi's disappearance]

(翻訳、編集:山口佳美)

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