アンダーアーマーは、アメフトといった男性中心のスポーツにそのマーケティングを集中させてきた。
Facebook/Under Armour
- ルルレモン(Lululemon)の創業者、チップ・ウィルソン(Chip Wilson)氏は著書『Little Black Stretchy Pants』の中で、2008年にアンダーアーマー(Under Armour)の代表と会い、買収の可能性について話し合ったことを明らかにした。
- だが、その「マッチョな哲学」から、結果的にアンダーアーマーを買収しないことを決めたとウィルソン氏は書いている。
- アンダーアーマーは以前から、女性消費者にリーチできていないと批判されてきた。
ルルレモンの創業者、チップ・ウィルソン氏は新しい著書『Little Black Stretchy Pants』でも全く手加減しない。
その本の中で、ウィルソン氏は2008年に、アンダーアーマーの創業者でCEOのケビン・プランク(Kevin Plank)氏と会い、ルルレモンによる買収について話し合ったことを明らかにした。
ウィルソン氏は、プランク氏と会ったときのある経験から、アンダーアーマーと何かをともにすることはないと心に決めたと書いている。
「2008年、アンダーアーマーのCEOケビン・プランクと会った後、ケビンのマッチョな哲学が(我々の)"スーパー・ガールズ"とうまくいくとは思えなかった」と、ウィルソン氏は書いた。「アンダーアーマーにはどんなことをしても勝つ、男性優越主義、周囲を圧倒するといった挑戦的なイメージがあると感じた」
"スーパー・ガールズ"は、ウィルソン氏がルルレモンのターゲットである顧客層を説明するのに使うフレーズだ。
ウィルソン氏の主張について、Business Insiderはアンダーアーマーにコメントを求めたが、回答は得られなかった。
2008年当時、アンダーアーマーはまだ比較的若いブランドだった。ウィルソン氏は「感受性の強い10代の少年や自分に自信のない成人男性向けに、大きなロゴ入りの服を作っていた」と表現している。
その後、バレリーナのミスティ・コープランド(Misty Copeland)といった女性にアピールするであろう有名人とスポンサー契約を結ぶなど、アンダーアーマーは変わった。しかし、同社は今も女性消費者を掴み切れていないと批判されている。
「店舗デザインやマーケティング、商品は依然として男性中心で、アンダーアーマーは女性で苦労し続けている。女性向けのスポーツ・フィットネス分野が市場で急成長し続ける中、これは機会損失だ」と、コンサルティング会社グローバルデータ・リテール(GlobalData Retail)のマネージング・ダイレクター、ニール・ソーンダース(Neil Saunders)氏は4月、投資家向けのメモに書いている。
アンダーアーマーのプランクCEOもこの問題について、5月に開かれた同社の年次株主総会で語っている。
「本来のポテンシャルに到達しているとは感じられない」
(翻訳、編集:山口佳美)