東京・渋谷に編集部を置くビジネスインサイダーの編集部員は15人ほど。この日はビジネスエアポート六本木にて、編集会議を開催中。
「今月の最終週、ビジネスエアポートを1週間使えることになりました!」
編集会議で発表があると、編集部員の間で歓声が上がった。
ビジネスエアポートは東急不動産が展開しているシェアオフィス。新橋、丸の内、東京、神田、青山、六本木、品川と、都内7カ所に拠点があること。そのうちどの店舗を使っても大丈夫なこと。それを伝えたとき、20代の女性記者が一番に反応した。
「自宅が東京の東側なんですよね。取材もそちら側っていうこともあるし、新橋とか丸の内、便利そう!」
神奈川方面から通う記者も続ける。
「品川が便利そうだな。えっ、お客さんも呼んでいいんですか?ちょうど著者との打ち合わせが続くからよかった」
「働き方の記事をやっているけれど、自分たちはいつも同じオフィス。コワーキングスペースやシェアオフィス、使ってみたいと思ってたよね」
皆が自分のスケジュールに合わせて思い思いに使い方を想像する。こんなやり取りから、ビジネスインサイダー編集部員たちの「1週間体験利用」は始まった。
「カフェと違って邪念が生まれない」20代女性記者Nの場合
今回編集部が試したのは、新橋の個室を編集部の拠点として利用し、加えて都内7か所のシェアワークプレイスも利用できる「サービスオフィス会員」。編集部員が日常的に集まる打ち合わせには個室 を、個々の作業はシェアワークプレイスを活用した。
新橋に入っているプチローソン。キャッシュレスは、ビジネスインサイダーとして追いかけているテーマの1つ。リアルに利用されているところを目の当たりに。
月曜の朝、新橋店に“出社”した記者N。
「入り口どこですか?あ、すぐにわかった!」と編集部にスラックでメッセージが。 Nのカバー領域は、ミレニアル世代のカルチャーや、デジタルテクノロジー全般。急な事件や会見に駆けつけることも多い。速報対応をするときは、取材後近くのカフェに飛び込んで記事を書いている。
「ただ、カフェって食べ物の匂いや人の話し声が気になるんですよ。仕事モードになるのに、時間がかかっちゃう。それと、意外に六本木や丸の内って、電源やWi-Fiのある静かなカフェが少ない。いつもカフェ難民になっていて」
邪念が生まれなかっただけでなく、安心感のあるスペースで仕事をできたと話す。
「カフェや図書館だとセキュリティ面で不安で、ラップトップを抱えてトイレに行くほどだった。ここだと受付の方もいるので、荷物を置いて飲み物を取りに行ったり、トイレに行ったりできて便利ですね」
「品川、めちゃかっこいい!」40代男性記者Cからのスラック
ビジネスエアポート品川は高層ビルの28階に。窓からはオフィスビルと線路が見える。
体験利用の2日目、記者Nが新橋を利用している間に、記者Cからスラックが。
「こちら、今日はビジネスエアポート品川に来ています。眺めがめちゃくちゃいいですよ〜!高級感がある」
取材時以外、常時スラックを見ている編集部員から、すぐに「いいね!」マークがつき、「こちらは六本木にいます。六本木のほうが、私は好き」という返信も。
横浜方面から渋谷に通っている記者Cは、急ぎの原稿対応のために自宅で作業をすることや、社外の著者との打ち合わせが多い。普段からリモートワークに慣れていると言えるが、自宅との違いはどうだったのか。
「照明やBGMが良くて、気分が上がった。自宅は自分だけだし、オフィスは社内の人だけで、ある意味気楽ですよね。その点、ビジネスエアポートでは周りの目があるので、ちゃんとしなくちゃ(笑)と、いい緊張感がありました」
「1週間だけでなく普段からビジネスエアポートを使ったら、企画が生まれやすくなるのかも」と言う。
「打ち合わせのとき、喫茶店ハシゴしていると、一日中コーヒー、となりがちじゃないですか?ここは昆布茶もあったりして、気が利いているなと思った」
原稿執筆に集中したいときはパーテーションのある席、資料の読み込みや企画を考えるときはリラックスできるソファ席……と転々としながら1日過ごしたという。
打ち合わせで招いた外部著者の反応は?
「普段コワーキングを使う機会はあまりないらしくて、『こんなに進化しているんだ!』と言われて。体験利用できるなんて、ビジネスインサイダー、いいなあと言われました」
「気付いたら20時!もっと長くやってほしい」30代記者Hの場合
ビジネスエアポート神田のシェアワークプレイス。大手町などでの取材や会見の前後に重宝しそうだ。
記者Hも、元新聞記者で速報記事を書くことが多い。
「シェアワークプレイスは気に入りました!アロマの香りがして。居心地良くて原稿を書いていたら、もうクローズです、って言われてしまった。気付いたら20時だったんですよ。欲を言えば、22時くらいまで開けていてほしいなあと思いました。もちろん、編集部の拠点になっている新橋の個室に戻れば24時間使えるんですけどね」
時間で区切ることが難しい原稿執筆の仕事。拠点によって終了時間は異なるが、その時間を意識することで逆に集中力を高める、という利用方法もありそうだ。
皇居に沈む夕日に感動
ビジネスエアポート丸の内は皇居を望むビルの6階に入っている。
取材の予定に合わせて、新橋店だけでなく丸の内店をよく利用した。取材に出かけるだけでなく、急なときは電話取材をすることも。
「丸の内店はゴージャス!電話や食事ができるエリアがあって、電話取材もスムーズにできましたよ。品川店や東京店は見晴らしが良くて、テンションが上がりました」
特に東京店で、皇居に沈む夕日と真っ赤に染まる夕焼けを一望したときは、「感動すら覚えた」という。
広い会議室に、「気分はCXO?」・ビジネス担当Kの場合
週1回、編集部員全員が集まる会議。今回は六本木の会議室で行った。会員はウェブから会議室などを予約できる。
ビジネス担当のKは、クライアント訪問や社外の人との打ち合わせが多い。
「今週、ビジネスエアポートを利用しているんです。打ち合わせ場所、渋谷じゃなくてもいいですか?」
そう伝えた相手は皆、口を揃えて「いいですねー!行ってみたい!」という反応。前後の移動の関係から、六本木の会議室で来客を受けた。
来客予定を事前登録しておけば、ティーサーブも
ティーサーブがあり、スムーズに打ち合わせに入ることができる。
この日の来客には、編集長も対応。事前にマイページから予約した会議室で待っていると、スタッフがティーサーブをしに来た。
「こんなこともしてくれるの?」と驚きの言葉が。 続いて、編集部員全員が集まる週1回編集会議も、この六本木店で行った。
「このガラス張りの会議室、ドラマに出てくるCXOの部屋みたい!という声も。できるビジネスマンになったような感じで(笑)、楽しい雰囲気で会議が進みました」
1週間の中で、思いがけない出会いが
2018年8月27日にオープンしたビジネスエアポート新橋。入り口入ってすぐに、ブックシェルフがある。ビジネス雑誌も揃っている。
今回、印象的な出来事があったというK。
「ばったり読者の方に会ったんです!ビジネスインサイダーではよく読者を交えてオフラインイベントも行っているのですが、六本木店で仕事をしていたら、あら?知っている人だ、と。あるスタートアップの経営層の方なのですが、その場にいた社員を紹介してもらうこともできた」
ビジネスインサイダーの眼〜1週間の利用を終えて〜
1.取材前後の「あきらめていた時間」が「生きた時間」に
2.ビジネス特化の空間で、集中力が上がった
3.ゲストも利用でき、ビジネスインサイダーのイメージがアップ
1週間の利用を終えて、編集長が振り返る。取材や社内外との打ち合わせで、スケジュールはびっしり。今回、編集長自身はビジネスエアポート六本木と品川を重点的に活用した。
「仕事の中で、一番の無駄は移動の時間。その時間をうまく使えることが、コワーキングスペースの価値だと思う。カフェと違って、ビジネス利用に特化しているので集中できて、仕事がはかどった」
体験利用の翌週に、こんな声も上がった。
「今週、インタビュー取材があって、気の利いた背景の場所で撮影をしたいのだけど……いいところ知りませんか?」
「こんなときにビジネスエアポートがあったらよかったのに!」
マスター会員入会をすれば、都内7カ所の上質なシェアオフィスをいつでも使用できるビジネスエアポート。より生産性高く、より心地良く働くために、働く場所を自由に選ぶ。そんな未来の働き方は編集部員それぞれが体験したビジネスエアポートの中にもヒントがありそうだ。