リクルートが買った「ホテル口コミサービス」ドイツベンチャーCEOが語るトレンド

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ドイツで2008年に創業した「TrustYou」は、世界中の「ホテルの口コミ」を収集・分析し、ホテルやOTA(オンライントラベルエージェンシー)、グーグルなど、企業向けに提供する。ホテル口コミの世界最大級のプラットフォームとして躍進を続ける同社は2017年、リクルートに買収された(買収金額は非公開)。

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大手求人情報サイトIndeedの買収など、リクルートは近年、情報系プラットフォームの海外M&Aを推進している。さて、95%の人が予約する前に目を通している(TrustYouの調査)というホテルのレビューの点数や口コミで、世界の覇者となりつつあるTrustYouの実力とは?

世界250のサイトから毎週300万のホテル口コミを収集

TrustYou

TrustYou CEOのベンジャミン・ヨスト氏。

ホテル予約における口コミの重要性は高まり続けているが、既存のOTAやホテルが収集する口コミには、そもそもの数が少なかったり、すべてのホテルの口コミを網羅できていなかったり、といった問題もある。

TrustYouの場合、 世界約250のOTAやホテル予約サイト(じゃらん、楽天トラベル、Expediaなど)で公開されている、毎週300万以上という膨大な数の口コミ情報を自動でクローリングしているため、50万施設という多くのホテルの口コミデータを活用できる。また、それを世界30カ国以上の言語で提供し、広く市場を押さえている点も強みだ。

今後10年のトレンドは“チャットボット”

同社は2008年にドイツ・ミュンヘンで設立。世界5万軒以上のホテル、ホテル料金比較サイト(スカイスキャナー・KAYAK・グーグルなど)、OTA(LINEトラベル・Hotels.com・Cansellなど)にTrustYouは口コミデータを提供しているという。

例えばグーグルで「帝国ホテル」と検索すると、2000以上の口コミとレーティングが表示される。この口コミの一部をグーグルに提供しているのがTrustYouだ。

trustyou-google

Googleでホテルを検索したときに出てくるレビューと口コミ。

出典:Google

TrustYouのサービスを利用することは、特にOTAに頼らないと予約が取りづらい、中小ホテルにとってもメリットがある

TrustYouが収集・分析した多くの口コミデータを活用して自社の改善点を見つけてサービスを向上できるほか、その口コミを自社サイトに表示し、直接予約の増加も見込むことができるからだ。

TrustYouの利用ページのスクリーンショット

TrustYouの利用ページのスクリーンショット。

提供:TrustYou

同社CEOのベンジャミン・ヨスト氏によると、今まで口コミはホテルを去ってから2〜4日経ってから行われるのが普通だったが、この10年間で宿泊客の口コミや評価がよりリアルタイムで行われるようになっているそうだ。

ホテルと宿泊者との「タビマエ・タビナカ・タビアト」を通じた密なコミュニケーションが口コミに直結する、という傾向はこれからも続いていくという。

口コミに関するトレンドといえばチャットボットだ、とも同氏はいう。次の5年間で大手ラグジュアリーホテルチェーンが、そのさらに次の5年で独立系のホテルが、宿泊客とのやりとりにチャットボットを導入するだろう、と同氏は予測する。

これに伴い、スマートスピーカーの重要性も加速していく。同社は2017年、シカゴのホテルでAmazon Echoの音声AIアシスタント「アレクサ」を接続したサービスの提供を開始している。

(文・写真:西山里緒)

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