アメリカでは、15の小売業者が破産を申請もしくは会社の清算を発表している。
AP/Charles Krupa
- アメリカでは小売業者の破産申請が記録的なペースで相次いでいる。
- 15日(現地時間)に申請したシアーズ(Sears)もその1つだ。他にも、ナインウエスト(Nine West)や クレアーズ(Claire's)、ボントン・ストアーズ(Bon-Ton Stores)が今年に入って破産を申請している。
消費者の買い物習慣が変化する中、アメリカでは小売業者の破産申請が記録的なペースで相次いでいる。
2018年に入って、これまでに15の小売業者が破産を申請もしくは会社の清算を発表している。
以下、振り返ってみよう。
1. ナインウエスト(Nine West)
AP
ナインウエスト・ホールディングス(Nine West Holdings)は、4月に破産を申請した。
女性向けの服やフットウエアを扱っていた同社は、同社の「ナインウエスト」と「バンドリーノ(Bandolino)」事業の売却を容易にするために連邦破産法11条の適用を申請したと述べた。その負債額は10億ドル以上にのぼる。
2. クレアーズ(Claire's)
Business Insider/Mary Hanbury
アクセサリーを販売するクレアーズは、3月に破産を申請した。ショッピングモールの客足が減ったことが、同社の業績悪化につながったと言う。
「小売業界全体が、消費者の購買習慣や選好の変化による挑戦を受けている」と、クレアーズは述べた。
同社は92店舗を閉店する計画で、その大半はショッピングモール内にある。
3. ザ・ウォーキング・カンパニー(The Walking Company)
Facebook/The Walking Company
靴の販売をしていたザ・ウォーキング・カンパニーは、アメリカ国内で208店舗を展開していた。2018年3月、連邦破産法11条の適用を申請した。
4. ボントン・ストアーズ(Bon-Ton Stores)
AP Images / Rusty Kennedy
ボントン・ストアーズは「ボントン(Bon-Ton)」「バーグナーズ(Bergner's)」「ボストン・ストアー(Boston Store)」「カーソンズ(Carson's)」「エルダー・ビアマン(Elder-Beerman)」「ハーバーガーズ(Herberger's)」「ヤンカース(Younkers)」といった複数の百貨店チェーンを所有していた。同社は2月に破産を申請し、8月に事業を清算した。
5. トイザらス(Toys R Us)
Business Insider/Jessica Tyler
トイザらス(Toys R Us)は破産による再生に失敗し、そのアメリカ事業を清算した。9月に破産法の適用を申請し、トイザらスとベビーザらスのサイトを閉鎖をした。
6. レミントン・アウトドア(Remington Outdoor)
AP Photo/Jessica Hill
銃の売り上げが低迷する中、レミントンは3月に連邦破産法11条の適用を申請した。
202年の歴史を誇る同社の2017年の売り上げは、30%減の6億ドルだったという。
銃の売り上げが低迷しているのはレミントンだけではない。このトレンドは、トランプ大統領が銃産業を支持していると見られることから「トランプ・スランプ」と呼ばれている。
7. A'gaci
Facebook/A'gaci
女性向けのアパレルと雑貨を販売していたA'gaciは、1月に連邦破産法11条の適用を申請した。同社は当時、76店舗のうち49店舗を閉店する計画だとしていた。
8. Kiko USA
Facebook/Kiko USA
化粧品を販売していたKiko USAは1月に連邦破産法11条の適用を申請し、29店舗のうち4店舗を除く全てと、ニューヨークの本社を閉じると発表した。
9. Bertucci's
Bertucci's Facebook
イタリアン・カジュアル・ダイニング・チェーンのBertucci'sは、4月に連邦破産法11条の適用を申請し、15店舗を閉店した。
同社は国内に59店舗を展開していて、その資産を約2000万ドルでRight Lane Dough Acquisitions LLCに売却することで合意したと述べた。
10. サウスイースタン・グローサーズ(Southeastern Grocers)
Facebook/Winn-Dixie
食料品チェーン「ウィン・ディキシー(Winn-Dixie)」や「ハーベイズ(Harveys)」「Bi-Lo」の親会社サウスイースタン・グローサーズは、3月に連邦破産法11条の適用を申請した。
その手続きの一部として、同社は全体の約16%にあたる94店舗を閉店した。残りの582店舗は今も営業している。
11. トップス・マーケット(Tops Markets)
Facebook/Tops Markets
トップス・マーケットは「トップス・フレンドリー・マーケット」という名前のスーパーマーケットを、ニューヨーク州、ペンシルベニア州、バーモント州で174店舗営業していた。同社は2月に破産を申請し、具体的な数は明らかにしなかったが、一部店舗を閉店する計画だと述べた。
12. ブルックストーン(Brookstone)
Mario Tama / Getty Images
ブルックストーンは、8月に連邦破産法11条の適用を申請した。同社はショッピングモール内にある店舗を全て閉店し、 eコマース事業と空港内にある店舗の買い手を探すと述べた。
ブルックストーンは、ショッピングモールの客足の減少が、同社の業績低迷の主な理由の1つに挙げた。
13. ナショナル・ストアーズ(National Stores)
Facebook.com/FallasStores
ディスカウントストア・チェーンの「Fallas」や「Conway's」「Factory 2-U」の親会社ナショナル・ストアーズは、8月に連邦破産法11条の適用を申請した。同社は344店舗のうち74店舗を閉店し、すぐにクリアランス・セールを始めると発表した。
同社は破産の理由として、Conway'sの買収にかかったコストやハリケーンによる収入減、2017年のデータ流出事件などの影響を挙げた。
14. マットレス・ファーム(Mattress Firm)
Business Insider/Mary Hanbury
アメリカのマットレス専門店最大手マットレス・ファームは、10月5日に連邦破産法11条の適用を申請した。
同社は最大700店舗を閉店する計画だとしている。ウェドブッシュ(Wedbush)のアナリスト、セス・バシャム(Seth Basham)氏によると、マットレス・ファームはアメリカ国内に3272店舗(推定)を展開する、アメリカのマットレス専門店最大手だ。同社は、Casperといったマットレスのショッピング体験を革新し、市場シェアを拡大している新たなスタートアップからのプレッシャーにさらされていた。
(翻訳、編集:山口佳美)