撤退はない模様、グーグルCEOが中国再進出を初めて公式に語る

サンダー・ピチャイ氏

グーグルCEO、サンダー・ピチャイ氏

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  • グーグルのCEO、サンダー・ピチャイ氏は、中国における検閲対応の検索エンジン立ち上げについて、初めて公式にコメントした。
  • グーグルは過去10年ほど、中国で利用できない状態が続いている。再進出プランは、同社の従業員やアメリカの政治家からの激しい批判を引き起こしている。
  • ピチャイ氏は、グーグルのミッションは世界に情報を提供することであり、専用に開発された検索エンジンは中国の人々がより信頼のおける医療情報にアクセスすることをサポートすると語った。
  • 同氏の力強い口調は、同社が計画を撤退するつもりはないことを示唆した。

グーグルのCEO、サンダー・ピチャイ氏は10月15日(現地時間)、議論の的となっている中国での取り組みについて初めて語り、開発プロジェクトの存在と社内でのテストがうまく行ったことを認めた。

WIREDの記事によると、同誌の25周年を記念した会議に登壇したピチャイ氏は、「(ユーザーが入力した)検索キーワードの99%以上をうまく処理できたことが分かった」と語った。

「現在入手可能な情報よりもよい情報を我々が提供できそうな分野は多岐にわたる」と付け加え、その例としてがん治療などの医療情報をあげた。

「今は偽のがん治療情報と役に立つ情報が混ざっている」

グーグルは過去10年ほど、中国で利用できない状態が続いている。そして、言論の自由を抑圧することで批判を浴びている中国への再進出計画は、大きな議論を巻き起こしている。

ニュースサイトのInterceptは、中国の検閲に関する法に従った専用のAndroidアプリの開発にグーグルは取り組んでいると2018年8月に報じた

ピチャイ氏は、グーグルは世界中の人々に情報を提供したいと主張、「プロジェクト・ドラゴンフライ(Project Dragonfly)」と呼ばれるプロジェクトへの内外からの批判への答えを暗に示した。

WIREDによると、同氏は「我々はすべての人に情報を提供するという我々のミッションに従っている。そして中国は世界の人口の20%を占める」と述べた。

さらにピチャイ氏は、中国政府によるインターネットの検閲といった厄介な問題について検討したと付け加えた。

事実、中国の地方当局は、インターネット企業と通信企業(おそらく、グーグルも含まれる)は、同国の少数民族であるイスラム教徒を監視する際に極めて有用であることをちょうど明らかにした。

「完全に理解することはできないが、人は常に価値のバランスを取っている。だが、我々も各国の法に従っている」とピチャイ氏は語った。

グーグルは批判に耳を傾けていないようだ

ピチャイ氏がコメントした際の力強い口調、そして、とにかく同氏がこの件を公の場で語ったという事実は極めて大きい。

Interceptが8月1日に最初にプロジェクトについて伝えてから、2カ月以上もピチャイ氏は公式な発言を避けてきた。

8月31日に上院議員に向けて書簡を送ったが、プロジェクトに関する新しい情報はほとんどなかった。また、9月に少なくとも1回は、共和党議員と面会したと伝えられた。

この期間中、シニア・サイエンティストの辞職から、中国の国民に対する「抑圧と操作」にグーグルがより力を与えるのではないかという上院議員の苛立ちまで、同社は続出する批判に対応してきた。

だが、グーグルは計画から撤退するようには見えない。

ピチャイ氏は11月、アメリカ中間選挙後に開かれる下院の公聴会で証言する予定。より厳しい追及を受けることは間違いない。

[原文:Sundar Pichai spoke about Google's China plans for the first time and it doesn't look like he's backing down

(翻訳:仲田文子、編集:増田隆幸)

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