クリスマスソングは購買意欲を高めると言われている。
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- クリスマスソングがやってきた。
- 12月25日まで、耳にする機会はもっと増えるだろう。
- しかし、同じ歌を何度も何度も繰り返し耳にすることは、メンタルヘルスにネガティブな影響を及ぼしかねない。
今はまだ、クリスマスソングから何とか逃れることができたとしても、12月に入ればどんどん難しくなる。マライア・キャリーの「恋人たちのクリスマス」、ワムの「ラスト・クリスマス」を流す店が増えることは覚悟した方が良い。
クリスマスソングが好きな人もいれば、嫌いな人もいる。もし、あなたはクリスマスソングが嫌いなタイプなら、すでにクリスマスソングを聞き続けているであろう小売店従業員に同情してあげてほしい。
あるいは小売店で働いていて、すでにクリスマスソングがメンタルに悪影響を及ぼし始めているように感じているなら、あなたは間違っていないだろう。
臨床心理学者のリンダ・ブレア(Linda Blair)氏によると、絶え間なく流れ続けるクリスマスソングはメンタルを疲弊させる可能性がある。
「クリスマスに小売店で働いている人たちはクリスマスソングを“シャットアウト”しなければならない。もしそうしなければ、本当に他の何にも集中できなくなってしまう」とブレア氏はスカイ・ニュースに語った。
「ただ耳に入ってくる音楽を無視するために、全エネルギーが費やされている」
クリスマスソングは最初はノスタルジーを呼び起こしてくれるだろう。しかし、マイケル・ブーブレのクリスマスアルバムがスピーカーから10回、20回と流れてくる頃には、いらだち、退屈さ、そして苦痛すら感じるかもしれない。
これは「単純接触効果(mere exposure effect)」と心理学者のビクトリア・ウィリアムソン(Victoria Williamson)氏はNBCに語った。
基本的に同じ音楽を一定回数聞くと、脳は飽和状態になり、その音楽を不快に感じ始める。そうなると、お金や旅行、親戚に会うことなど、他のストレスも増幅されかねない。
しかし、クリスマスソングはなくならない。小売業者たちは、顧客の購買意欲をかきたてるチャンスと考えている。
事実、クリスマスソングが良いバランスになっていると、顧客はその環境をより好意的に感じるようになるとある研究は示している。
一部の小売店が顧客の消費を煽るために、松やシナモンのような「クリスマスの香り」も店内に放っているのも、同じ理由だ。
だが小売業に身を置いている人たちは、しばらくはクリスマスから逃れられない。耳栓を買った方が良いだろう。
[原文:Too much Christmas music could be bad for our mental health]
(翻訳:Yuta Machida、編集:増田隆幸)