アップルCEO、ティム・クック。
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- 新しいiPhoneは過去のモデルように、すぐに売り切れにならなかった。
- シティのアナリストは検索トレンドから、「顧客は新型iPhoneに以前よりもエキサイトしなくなっている」と推察した。
アップルは10月19日午前3時(現地時間)、iPhone XRの予約を開始した。マックワールドによると、朝になってもほぼ全モデルの在庫がまだあった。
これはアップルにとってはひとつの変化だ。これまで、新型iPhoneを初日に手に入れたければ、事前予約のために朝早く起きなければならなかった。iPhone XS/XS Maxの販売開始日のアップルストアの行列も以前より短かった。
これらは、新型iPhoneがおそらく以前ほど話題にならなくなっていることのサインかもしれない。
これがGoogleの検索トレンドを使って、シティのアナリストが顧客向けノートに記した結論だ。
「毎年、新型iPhoneの発表イベントの後は、検索する人が急激に増えることが分かっている。そして、徐々にその勢いが落ちてきていることも分かっている」とアナリストは記した。
「これはマーケットが成熟しつつあることを示しているだろう。顧客は新型iPhoneに以前よりもエキサイトしなくなっている」とアナリストは続けた。
「我々はマーケットにおけるiPhoneのイノベーションのスローダウンと飽和が原因と考えている」
シティの結論は下記のチャートを見ればひと目で理解できる。
Citi
検索トラフィックが年ごとに減少していることには多くの理由があるだろう。そしてこのことが必ずしもiPhoneの売り上げが低下することを示しているとは限らない。
「『スーパーサイクル』は期待していないが、iPhoneは1桁成長を継続的に達成していくと確信している」
問題の1つはスマートフォン市場全体が飽和していることだろう。iPhoneの大きな新機能である耐水性能、顔認証システムのFace ID、ディスプレイなどは他のスマートフォンも搭載している。
そしてカメラの性能が大きく進化し、ディスプレイが毎年大きくなった4、5年前のiPhoneと比べると、どの機能も大きな飛躍はない。
これまで見てきた検索トレンドはiPhone XRの予約が始まる前にも見られた。iPhone XRは今回発表されたモデルの中で最も人気のモデルになると期待されていた。
理由は何にせよ、新型iPhoneの発売に関する話題が小さくなっていることは確かだろう。これがおそらく、アップルが研究開発に多くの資金を投入している理由 ── 次の大きな何かを見つけるために。
(翻訳、編集:増田隆幸)