Apple 渋谷の店舗前にて。一般利用ができる3階までを強調したデザインが外観にも及ぶ。元は普通の商業ビルでも、ここまで手が入ると見違えてしまう。
渋谷のアップルストアこと、「Apple 渋谷」が10月26日午前8時に再オープンする。10月24日、プレス向けの内覧でひと足早く店内を体験できた。
Apple 渋谷店は、2005年に国内4店舗目の直営店として開店。国内でもかなり古いアップルストアといえる。当然、アップルストアのデザインフォーマットとしても初期のものだったこともあり、リモデル休業するまでは「年季が入った店舗」という印象があったのは否めない。
Apple 渋谷の責任者は、「Apple 渋谷は、アップルが数年をかけて日本の直営店に大規模な投資を行なっていく一貫として、リモデルを行なった最初の店舗」だと説明した。
こうした方針は、本社幹部自ら、日本市場への再投資を明言していることもあり、今後歴史の長い店舗などが対象となっていく可能性がある。
ストアのデザインコンセプトは京都などと同じ直営店の最新デザインを反映。以前は2階までだったフロアも4階まで広げ、国内では京都に続き2店舗目となる法人顧客向けの商談・会議スペース「BOARDROOM」(ボードルーム)を新たに4階に設けた。
さらに、外観を見ても分かる通り、展示スペースは1〜3階は全面ガラス張りの開放感あるデザインを採用。以前のApple 渋谷を知っている人からすれば、「まったく新しく生まれ変わった」という印象を持つはずだ。
入り口のある1階の突き当たりにある螺旋階段。このまま3階まで続いている。
象徴的なのは、1階を入った奥にある螺旋階段。以前も階段はあったが2階まで。それが3階までフロアを突き抜けた螺旋階段として再設計されている。
手すりはスティーブ・ジョブズシアターやApple 京都でもおなじみの天然大理石。デザインも共通のものになっている。
1階を逆方向から。渋谷の中でもこのエリアは坂道に面していて、上にはホテル「koe」など新しい商業施設も続々と増えている独特の雰囲気を持つエリア。
細かいところに手が込んでいるのがアップルストアの特徴。たとえばこの階段の、おそらくアクリルガラスと思われる部分は、どこにも支柱がなく、美しいカーブのまま、上のフロアまで続いている。
スティーブ・ジョブズシアターと同じ構造、素材だという手すり。Apple 京都も統一された意匠。とはいえ渋谷は螺旋階段なので、同じデザインテイストでも「曲がり」が入っている。
螺旋階段を上から見下ろす。下に吸い込まれそう。
螺旋階段をのぼった2階〜3階の見るべきスポット
階段をのぼった2階はジーニアスフロア。修理やトラブル相談などができる。
螺旋階段から2階を見下ろしたところ。
もちろん壁紙は「渋谷」。
こちら側の壁面にはSTEM系の教育ガジェットが並んでいる。
全店舗の壁紙をコレクションしたくなる。
Apple Watchの展示も豊富。ガラスケースを置かずに展示するのは、新しい店舗に共通する最近のスタイルだ。
2階のジーニアスフロアでは、写真スポットになりそうなところも。壁際の大きなガラス窓にあるアップルロゴが、晴天には床に影を落とす
ガラスにギリギリに近づいて撮ると、店内、屋外、アップルロゴ(の影)と情報量の多い写真ができあがる。
3階は、クリエイティブなアップル製品の使い方を教えてくれるワークショップ「Today at Apple」の実演フロアになっている。
3階のワークショップフロア。複数のテーブルで少人数でのワークショップが毎日体験できる。もちろん無料。
こんな形でデモを体験。今回は、iPad版Keynoteを使って、アプリのプロトタイピングを試そうというもの。
Keynoteはプレゼンツールだが、ページ間のリンク処理などをうまく使うことで、本物のアプリのような画面遷移やUIデザインのプロトタイピングにも使えるとのこと。
4階にある特別な部屋「BOARDROOM」に入ってみた
さらに、内覧当日は特別に4階まであがることができた。
4階にはApple 京都に続き国内2店舗目の、法人向けの商談スペース「BOARDROOM」がある。法人顧客向けの応接室、といったところだろうか。
室内の調度品は京都と基本的に同じ。チェアは、広島の木工家具の老舗・マルニ木工の「HIROSHIMAアームチェア」。革張り仕様だ。
BOARDROOM。8人ほどが座って打ち合わせできるスペース。
壁際には、大理石の手すりのカットモデルもある。これ、実は指先でワイングラスを鳴らすように弾くと、とても綺麗な鐘のような音がする。店舗の手すりは特に響かないので、試せないのですが。
まさに、上から下までフルリノベーションされたApple 渋谷。アップルによると、10月26日午前8時のオープン時は、Apple 新宿やApple 京都と同様に、先着限定のTシャツなどノベルティの配布を予定しているという。
Apple 渋谷のオープン記念ノベルティ。
背中には「渋谷」の文字がある。
(文、写真・伊藤有)