鉄工所や科学館で最先端テクノロジーとアートの秋フェス!初音ミクの国内初披露作品も

鉄工鳥フェスのサムネイル

MUTEK.JPのサムネイル

秋は何かしら文化的なことにも触れたくなる季節だ。 11月3日の文化の日前後の週末には、都内で先端的なテクノロジーを使った大規模なフェスが開かれる。

MUTEK.JP(11月1日~4日)と鉄工島フェス(11月4日)。

最新のテクノロジーを使ったライブ・パフォーマンスは、また夏のフェスの開放感とは違う楽しみ方ができそうだ。

■MUTEK.JP (公式サイト

MUTEK.JPは2000年よりカナダ・モントリオールでスタートしたデジタル・アートとエレクトロニック・ミュージックのフェスティバルで、メキシコシティやバルセロナなど世界数都市で開催されている。

日本では2016年から始まり、2018年で3回目。世界の最先端を行く国内外のアーティスト達が集まり、そのパフォーマンスを見ることができる。上の動画は2017年のものだが、メイン会場の日本科学未来館でのドームシアターを使った没入型のオーディオ・ビジュアル作品も見ものだ。

日本で初めて公開される演目も多い。

国外でも評価の高いRhizomatiks Researchの真鍋大度と堀井哲史による「phaenomena」や初音ミクのアートプロジェクト「Still Be Here ft.Hatsune Miku」の国内初披露、Ben FrostとMFOによる日本初のライヴセットなどに加え、デトロイト・テクノのパイオニアJeff MillsとMike Banksによるプロジェクト「X-102」の「Discovers the Rings of Saturn」の世界初演も行われる。純然たるクラブイベントとは違うが、MUTEK.JPはクラブ文化のように雑多で実験的な雰囲気を帯びた催しだ。

またRadioheadのThom Yorkeとのコラボレーションが話題になったヴィジュアル・アーティストTarik BarriとPaul Jebanasamによるパフォーマンスも楽しみだ。

その他にもいろいろ見どころはあるが、科学館というロケーションで爆音を楽しめる機会は1年でおそらくこの週末の夜だけだろう。

■鉄工所フェス(公式サイト

鉄工島フェスはものづくりの最前線、大田区の京浜島で行われる音楽とアートの祭典。クラウドファンディングでの資金調達により運営され、2018年で2回目の開催になる。

日本の経済発展を見届けてきた京浜島。そこに2016年に誕生した滞在制作型アートファクトリー「BUCKLE KÔBÔ」 を中心に須田鉄工所、 酒井ステンレス第二工場 、北嶋絞製作所といった現役の鉄工所が会場として使用される。

石野卓球、ボアダムズの∈Y∋、七尾旅人、KAKATO(環ROY×鎮座DOPENESS)などのライブに加え、水曜日のカンパネラのコムアイらの作品も展示される予定だ。

日本の町工場の音と映像をリミックスして配信する工場音楽レーベル化プロジェクト INDUSTRIAL JPも出演。正確に反復される産業機器による動作音やノイズが主役になる。

今年はオーストリア・リンツで開催される世界でも最も有名なメディアアートの祭典Ars Electronicaにも出演していたが、この鉄工島フェスほど彼らにふさわしいフェスもないだろう。

家電を中心にリサイクルされた電子楽器によって音楽を奏でるElectronicos Fantasticos は京浜島に滞在しながら、京浜島の職人たちとのコラボによる滞在制作型プロジェクトを進行中。和田永率いるバーコードリーダーによるパフォーマンスを取り入れた「鉄工島バンド」によるステージも見どころの一つ。

町工場特有の騒音や振動の問題 を避けるため埋立地へ「集団移転」したという経緯で、職人の集まる人工島となった京浜島。近年、工場の転廃業が増加している中で、今もシリコンバレーに向けて半導体を製造しているなど世界に誇るものづくりの拠点であることをアピールをしたいという狙いもある。

最新テクノロジーを駆使したライブパフォーマンス が見られるMUTEK.JPと産業としてのテクノロジーをアートと交差させた鉄工島フェス。フェスを楽しみながらテクノロジーの過去・現在・未来を行き交う、そんな文化の日の週末にしてみてはいかがだろう。

(文・類家利直)

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