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“女性の健康”で生産性が上がる——「健康経営」に女性の視点が不可欠に

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経済産業省・商務サービスグループヘルスケア産業課係長の紺野春菜さん。

従業員の健康が、会社の業績にも影響する──。「健康経営」という考え方が、じわじわと浸透している。とりわけ「女性が輝く社会づくり」を掲げるこの時代に、企業は女性の健康に対してどのような取り組みをしているのだろうか。健康経営を推進する経済産業省商務・サービスグループ・ヘルスケア産業課係長・紺野春菜さんに現状を聞いた。

人材を大切にする企業と認知され、新卒採用で有利に

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企業が、働く人の健康を重視する時代が来ている。たびたび聞くようになったのが「健康経営」という言葉だ。

健康経営とは「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践すること」(経済産業省)。経済産業省では2014年度から東京証券取引所と共同で、健康経営に取り組んでいる上場企業を「健康経営銘柄」として選定。2016年度からは未上場企業や医療法人などの法人も対象にした「健康経営優良法人認定制度」も開始した。さらに2018年度からは健康経営銘柄選定において女性の健康を重点化し、企業に対して行う「健康経営度調査」の質問票の中には、女性特有の健康課題について具体的な質問項目が盛り込まれた。

「従業員個人の健康を応援するだけでなく組織として盛り上げることで、メリットがあることを企業には伝えています。生産性が上がったり、イノベーティブな発想が生まれる。そのほか、最も短期的な効果としては人材を大切にする企業として認知され、学生が企業を選ぶ際に有利になるという結果が出ています。離職率の低下にもつながります」(経済産業省商務サービスグループヘルスケア産業課係長の紺野春菜さん)

成果が出るまで「2年」

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具体的な取り組みは企業によってさまざまだ。社内に健康器具を置く、栄養バランスに配慮したメニューを社員食堂で提供する……。一見、経営とは遠いように思えるが、確実に成果は出ているという。

「日経スマートワークプロジェクトの調査で、健康経営に取り組んで2年後にROA(総資産経常利益率)とROS(売上高営業利益率)が上昇しているというデータがあります。少しタイムラグはあるものの、数字として表れるのは嬉しいですね」(同)

メタボ対策より、「女性の健康」

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これまで企業の健康対策というとメタボ対策、生活習慣病対策が多かった。だが最近、健康経営を積極的に推進する企業において、女性特有の健康問題に高い関心が寄せられているという。

「日本の全従業員数のうち女性が占める割合は約44%(2016年)。月経に伴う症状による労働損失は4911億円と試算されています。つまり女性の健康問題に対応し、働きやすい環境を整えれば業績向上に結びつく。しかし、現状では多くの企業がどのように取り組めばいいか分からず困っている状況です」

上司が男性の場合、月経や不妊治療、妊娠、更年期の悩みは心理的に相談しにくい。上司が女性であってもその症状、職務への影響は個人差が大きいため、「理解されないのではないか」「そんなことぐらいで、と捉えられてキャリアパスに影響するのではないか」という不安がある。

一方、上司側にしても「サポートが必要なのではないか」と感じても、自分からはなかなか言い出しづらい、的確なアドバイスができないという面がある。さらに、妊娠においては上司が「無理をさせてはいけない」と気を使うあまり、本人が望んでもいないのに仕事の負担を過度に軽くしてしまうという問題もあるという。

必要なのはリテラシー、相談窓口、職場環境の整備

女性従業員が会社に求めるサポート

「女性の健康については、テレワークやシフト改善、休暇制度などシステムの整備に加え、従業員が不調を相談したり、管理職側がどのような対応をすべきか相談できたりする産業医やカウンセラーによる相談窓口の設置が求められています。人員配置についても人事部が柔軟なサポートを行えることが望ましい。また、男性はもちろん女性自身も女性の体の仕組みや健康について知ることが重要。リテラシーを高めて上司とコミュニケーションが取りやすい環境づくりが課題と言えます」

実際、こうした問題にいち早く対応している企業も出始めている。

NTTドコモでは、入社5年目の女性従業員と上司(主に男性)を対象とした「女性のライフステージと健康セミナー」を開催。20代後半に差し掛かり結婚や出産を現実的に考えるタイミングの女性従業員と上司が一緒に、その女性従業員の健康とキャリアプランを考えるという内容だ。

小松製作所は女性の健康に対応する相談窓口を開設。女性比率は12.0%と低いが、女性活躍推進には積極的だ。逆に女性従業員が多い日本航空は、高度な不妊治療を行う場合に一定期間休職できる画期的な制度を設定。

パソナグループでは低BMI(痩せすぎ)の女性に対して、保健師や管理栄養士による健康サポートプログラムを実施している。

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事例として大企業の名が多く挙がったが、紺野さんはこう指摘する。「組織が大きいと各地に拠点が分散していたり、一人事業所があったりして取り組みが難しいケースもあります。むしろ、経営者の関心が高ければ、中小企業のほうが人数が少ない分、健康経営を推進しやすい」

地方では、自治体レベルで顕彰制度をつくって盛り上げ、都心部への人材流出を食い止めようという動きもある。今後、健康経営に対する企業の意識は、全国的に高まっていくと見られている。経済産業省としても、今後健康経営を一段と推進してくために、健康経営と企業業績の関連性を示す研究成果を収集し、豊富なエビデンスを示していきたいとしている。


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