ビットコイン、壊滅的な災害を招く気温上昇の原因に?

ビットコイン・マイナーのファンを点検する従業員。

ビットコイン・マイナー(採掘所)のファンを点検する従業員。

  • 新たな調査によると、ビットコイン業界は20年以内に地球の気温を2℃以上上昇させる可能性があることが分かった。
  • ビットコイン取り引きは、アーカンソー州の年間排出量と同じ量の二酸化炭素を排出する。
  • 2℃以上の気温上昇は我々が生きる環境を変える可能性がある。結果として、干ばつ、熱帯性暴風雨、海面上昇などの気候関連の災害を引き起こすかもしれない。

ビットコインは、ホームレス問題人身売買世界的な金融危機まで、我々が直面している大きな課題を解決する手段となり得ると、支持者たちはアピールしている。

不正行為やセキュリティリスクを軽減することにより、ビットコインはマーケットで最も透明性の高いデジタル通貨となった。ビットコインは各国の二酸化炭素排出量を明らかにし、世界の二酸化炭素排出量を削減するためのマーケットを生み出すための重要な手段となり得ると考える人も少なくない。

だがビットコインにはダークサイドもある。ハワイ大学の新たな研究は、ビットコインが広く採用されると、その取り引きに使用される膨大な電力によって2033年までに地球の気温が2℃以上上昇する可能性があることを明らかにした。

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、地球の気温が2℃上昇すると、ある地域では利用可能な水の量が最大30%減少し、北極熊やトナカイといった北極圏の生物は絶滅の危機にさらされる。また、現状よりもさらに1000万以上多くの人が洪水の被害にあうことになる。

アメリカにおいてビットコインは、農業や輸送業のような産業ほどではないが、驚くべきペースで二酸化炭素を排出している。

他の多くの仮想通貨と同様に、ビットコインは二酸化炭素排出量の多い石炭産業安価なエネルギー源として利用している。

研究者らは、まだ短い歴史しかなく、暴騰と下落を繰り返しているビットコインの将来を予測できないことを認めつつ、比較的保守的なモデルを展開。仮にビットコインが自動車、クレジットカード、空調といった普及速度が最も遅いテクノロジーと同じくらいの速さで広がったとしても、我々が暮らす環境をすぐに変える可能性があると研究を主導したカミロ・モラ(Camilo Mora)氏は語った。

「今年、(ハリケーン・マイケルによって)フロリダで何が起きたかを考えてみるだけでいい。現時点では地球の気温はまだ1℃までは上昇していない。だがハリケーンがすでに引き起こした災害を見てほしい」

ビットコインがより成長すると、干ばつ、熱帯性暴風雨、海面上昇など、気候に関連した災害が発生しやすくなる。

すでに、IPCCは2040年までに地球の気温は、1.5℃の上昇すると予測している。しかし、ビットコインは、予想よりも早く、地球の気温を2℃以上上昇させるかもしれない。

つまり、ビットコインは現在の気候に関連した災害の規模を倍増させる可能性があるとモラ氏は語った。

ビットコインと気候が生み出す災害の関連は低いと考えるなら、仮想通貨がどのように取り引きされるかを考えてみてほしい。

取り引きの際に、ビットコインはブロックチェーンと呼ばれるデジタル台帳を使って記録する。その記録はマイナーによって認証される ── そのプロセスには手間がかかり、かなりのコンピューターパワーが必要となる。

研究者らは、ビットコインのマイニングに使われるコンピューターの効率、マイニングが行われている世界中の場所、そしてそれらの国での発電による二酸化炭素排出量を調査した。

最近の調査によると、1回ののビットコイン取り引きに使われる電力で一般的な家庭の1カ月分の電力を賄うことができる。2017年だけで、ビットコインは6900万平方トンの二酸化炭素を排出、これはアーカンソー州の年間排出量とほぼ同じ。

排出量を削減する1つの方法は、1ブロック(データを記録するファイル)により多くの取り引きを記録することで、プロセスを遅らせること。だがこれはビットコインをここまで成功させてきたスピードと効率を低下させることになる。

より現実的な解決策はおそらく、よりエネルギー効率を高めることになる金銭上のメリットを生み出すことだ。だがそれでも、ビットコイン業界はすぐに行動しなければならない。

「現時点では、懸念する理由はない」とモラ氏。

「だが、ビットコインが成長を続けると、すぐにコントロールできなくなる可能性がある」

[原文:Bitcoin trading uses so much power that it could push global temperatures up past a threshold that yields deadly consequences

(翻訳:一柳優心、編集:増田隆幸)

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