メキシコにある移民シェルターで出会った、ホンジュラス出身の妊婦(2017年4月)。
Carlos Jasso/Reuters
- アメリカのトランプ大統領は「出生地主義」の市民権を廃止するため、大統領令を活用したい考えを示した。
- 「出生地主義」は、その国で生まれた全ての子どもに自動的に国籍を与える制度。
- 世界では30カ国以上がこの「出生地主義」を認めている。
中間選挙を1週間後に控え、アメリカのトランプ大統領は「出生地主義」の市民権を廃止するため、大統領令を活用したい考えを示した。
「出生地主義」は、その国で生まれた全ての子どもに自動的に国籍を与える制度だ。
Olivia Reaney/Business Insider
アメリカでは1868年の憲法修正第14条の下、この「出生地主義」が認められている。
出生地主義を批判する人たちは、これが移民を流入させ、「アンカーベビー(編集注: 在留許可のための子ども。アメリカで生まれた子どもは無条件で市民権が得られ、その家族にも在留許可が出るため、外国人の妊婦がアメリカで出産をする)」を持つことにつながっていると主張する。
この政策を批判するトランプ大統領は、アクシオス(Axios)に対し、「国外からやってきて子どもを持てば、その子どもは原則アメリカ市民になる国など、世界で我々の国だけだ」と語った。
だが、それは事実ではない。国際的に見れば、出生地主義を認めている国はかなり少ないが、30カ国以上で認められている。
出生地主義による国籍を認めている国:
- アンティグア・バーブーダ
- アルゼンチン
- バルバドス
- ベリーズ
- ボリビア
- ブラジル
- カナダ
- チリ
- コスタリカ
- キューバ
- ドミニカ
- エクアドル
- エルサルバドル
- グレナダ
- グアテマラ
- ガイアナ
- ホンジュラス
- ジャマイカ
- レソト
- メキシコ
- ニカラグア
- パキスタン
- パナマ
- パラグアイ
- ペルー
- セントクリストファー・ネイビス
- セントルシア
- セントビンセント・グレナディーン
- タンザニア
- トリニダード・トバゴ
- ツバル
- アメリカ
- ウルグアイ
- ベネズエラ
※ただし、出生地主義を認めている国の多くが、そのルールを駐在する外交官の子どもには適用していない。
出生地主義を一部認めている国
孤児や無国籍の親の子どもなど、出生地主義を特別な場合のみ認めている国もある:
しかし、大半の国で国籍は「血統主義」によって与えられている。国によって多少違いはあるが、基本的には少なくともどちらか1人の親がその国の国籍を持っていることが必要となる。
インドやマルタなど、近年、出生地主義から血統主義へ変更した国もある。
[原文:More than 30 other countries recognize birthright citizenship — here's the full list]
(翻訳、編集:山口佳美)