民族解放軍(ELN)の兵士たち(コロンビア、2002年)。
Carlos Villalon/Getty
世界経済フォーラム(World Economic Forum)が10月16日に発表した報告書「世界競争力報告(Global Competitiveness Report)」は、国の経済と治安が密接に結びついていることを指摘している。
以下、世界で最も危険な国 ワースト20を紹介しよう。
20位 インド
抗議集会で、警察に向かって石を投げる参加者(ノーガム、2018年10月24日)。
Danish Ismail/Reuters
インドは、アルカイダやISISの分派を含む11のテロ組織の拠点となっている。
19位 チャド
チャド軍の兵士たち(2007年4月)。
Uriel Sinai/Getty
ダルフール紛争の結果、チャドには数十万人規模の難民が流入し、多くの国民が住む場所を失った。CIAは30万以上のスーダン難民がチャドで暮らしていると見ている。
ボコ・ハラムとISISが国内で存在感を持っている。
CIAによると2011年現在、国民の約半数が貧困に苦しんでいるという。
18位 ドミニカ共和国
デモ隊に向け、催涙弾を撃つ警察官(ナバレテ、2005年)。
Ramon Espinosa/Associated Press
人口の3分の1近くが貧困に苦しんでいる。
17位 ギニア
首都コナクリで、暴徒を制圧しようと立ち向かう治安部隊。
Youssouf Bah/Associated Press
人口の約半数が貧困に苦しんでいる。
16位 マリ
炎上する首都バマコの近くの観光リゾート(2017年6月)。
Baba Ahmed/Associated Press
アルカイダやISISの系列グループが、マリをテロの恐怖に陥れている。
15位 コンゴ民主共和国
首都キンシャサで、デモの参加者を追いかけるコンゴの治安部隊。ヒューマン・ライツ・ウォッチによると、デモを解散させようとした治安部隊が、教会の外にいた男性2人を撃ち殺したという(2017年12月)。
John Bompengo/Associated Press
CIAによると、コンゴは50万人を超える難民及び亡命希望者を抱えている。2014年現在、人口の3分の2近くが最低ラインの貧困生活を送っている。
14位 メキシコ
ベラクルスの共同墓地の近くを警備する警察官。2018年9月、ここから少なくとも170人分の人間の頭蓋骨が見つかった。
Felix Marquez/Associated Press
メキシコでは、殺人発生率が上昇している。
エコノミスト(Economist)は2017年、メキシコで2万4000人以上が殺害されたと見ている。
13位 ブラジル
スラム街をパトロールするブラジル軍(リオデジャネイロ、2018年2月)。
Pilar Olivares/Reuters
CIAによると、ブラジルは世界第2位のコカイン消費国でもある。
12位 トリニダード・トバゴ
Shirley Bahadur/Associated Press
トリニダード・トバゴでは2017年、殺人、家庭内暴力、性的暴行がそれぞれ増加している。
Source: US Department of State.
10位 ジャマイカ
首都キングストンの警察署が押収した銃(2009年撮影)。
Ricardo Arduengo/Associated Press
USA Todayによると、アメリカ国務省は旅行者に対し、ジャマイカで蔓延する性的暴行に気を付けるよう呼びかけている。
9位 南アフリカ
首都プレトリアにある国会議事堂の外で、偽物の銃を構える経済的解放の闘士の支持者。
Brent Stirton/Getty
南アフリカでは長きにわたり、政府の腐敗が続いている。
8位 コロンビア
2015年、メデジン近くの農場の遺体遺棄現場を調べる捜査員。当時、当局は2人の女性と2人の子どもの遺体が見つかったと述べ、容疑者は少なくとも20人を殺害したと自供した。
Luis Benavides/Associated Press
CIAによると、コロンビアの人口の3分の1近くが最低ラインの貧困生活を送っている。
アメリカは、コロンビアで活動するテロリスト集団として、民族解放軍(ELN)とコロンビア革命軍(FARC)の2つの組織を認定している。
コロンビアは世界最大のコカイン生産国で、アメリカにとって2番目に大きなヘロイン供給国だ。
7位 フィリピン
Bullit Marquez/Associated Press
アメリカは、フィリピンでISIS、ジェマ・イスラミア、新人民軍、アブ・サヤフの4つのテロ組織を認定している。
CIAによると、50万人近くのフィリピン国民が住む場所を失っている。
2016年に就任して以来、フィリピンのドゥテルテ大統領は麻薬撲滅戦争を進めていて、しばしば裁判なしに麻薬の密売や使用の疑いがある人々を殺害している。
6位 グアテマラ
2017年、サン・フアン・サカテペケスで誘拐・殺害された10歳と11歳の男の子、2人の棺を運ぶ家族たち。
John Moore/Getty
こうした犯罪が、暴力から逃れたいと願う家族をアメリカへと向かわせている。
5位 ホンジュラス
Esteban Felix/Associated Press
マラ・サルバトルチャ(MS-13)やバリオ18につながるギャングによる暴力、脅し、強制によって、ホンジュラスでは20万人近くが住む場所を失っている。
ホンジュラスは世界で最も殺人発生率が高い国の1つだ。
4位 イエメン
Khaled Abdulla/Reuters
イエメンは数年に及ぶ内戦の真っただ中にある。この内戦は、イエメンの中央政府を支援するサウジアラビアと、フーシ派を支援するイランとの代理戦争と見られている。
アラビア半島のアルカーイダ(AQAP)やISISも、イエメンで存在感がある。まだ見つかっていない地雷原がいくつもあり、食料不足が悪化する中、国民の半数以上が貧困に苦しんでいる。
3位 ナイジェリア
ドイツ人考古学者の誘拐現場を見張る警備員(2017年2月)。
Lekan Oyekanmi/Associated Press
ナイジェリアでは、ボコ・ハラムとISISが存在感が持ち続けている。石油資源があるにもかかわらず、人口の3分の2近くが極度の貧困状態にある。
2位 ベネズエラ
首都カラカスで治安部隊と衝突したデモ隊。治安部隊は催涙弾を放った。
Ariana Cubillos/Associated Press
ベネズエラは、失業と人身売買に苦しみ続けている。テロ組織、民族解放軍(ELN)の拠点にもなっている。
1位 エルサルバドル
当局は、国内で起きる犯罪の多くが数千人のギャングのメンバーによるものだと言う。
Rebecca Blackwell/Associated Press
エルサルバドルでは、2017年だけで4000件近い殺人事件が起きた。当局は、大半の犯罪はマラ・サルバトルチャ(MS-13)やバリオ18といったギャングによる暴力の結果だと言う。
エルサルバドルで上昇する殺人発生率は、数千人の国民をアメリカへ向かわせている。