この先どうなる? アメリカを目指す中米からの移民集団「キャラバン」の現状と今後

キャラバン

ホンジュラス出身のホセさん。4歳の甥っ子をおんぶし、アメリカを目指す(メキシコ、2018年11月1日)。

Associated Press/Rodrigo Abd

  • 中米からアメリカを目指す約4000人規模の移民集団(キャラバン)の一団は、着実に北上している。だが、いくつかのグループに細分化され、アメリカまではまだ数百マイルの道のりが残っている。
  • 彼らがいつ、どこから、どうアメリカの国境に到着するのかは、まだよく分かっていない。

中米からアメリカを目指す約4000人規模の移民集団(キャラバン)の一団は、数週間をかけ、着実に北上している。

アメリカのトランプ政権は国境警備を強化し、メキシコにこれ以上、移民たちを前進させないようプレッシャーを与えているが、キャラバンはその数を減らしつつ、いくつかのグループに細分化されつつも、その規模をほぼ維持している。

トランプ大統領は先週の記者会見でキャラバンを強く批判し、不法に入国した移民の亡命申請を禁止すると主張したが、そのような行為が法的に許されるかどうかは分からない。

キャラバンの現状と今後をまとめた。

キャラバンは今、どこに? アメリカにはいつ到着するのか?

地図

キャラバンの進路と、移民の数(推定)。

Shayanne Gal/Business Insider

AP通信によると、疲れ切った一部の移民が、移動手段を確保しようとしたが失敗したまとめ役に詰め寄る場面も見られたという。数千人がメキシコ、ベラクルス州のファン・ロドリゲス・クララやイスラの街に到達する一方で、同じ州でも北のティエラ・ブランカへ向かったグループもいた。

集団は1日あたり平均20~30マイル(約30~50キロメートル)進んでいる。大半が徒歩で移動しているが、ヒッチハイクをしたり、ピックアップ・トラックの荷台に乗せてもらうこともある。

移民たちはどのルートを進むのか、2000マイル(約3200キロメートル)あるアメリカの国境のどこを越えるのかを明らかにしていないため、彼らが具体的にいつアメリカに到着するかは分からない。ただ、ここ数日、メキシコ湾側に進んでいることから、テキサス州を目指しているのかもしれない。

彼らから最も近いのは、700マイル(約1100キロメートル)以上離れたテキサス州の南東部だが、同様のキャラバンが2017年春に向かった、2000マイル以上離れたカリフォルニア州サンディエゴを目指す可能性もある。

そして、このメインのキャラバンの後に、より規模の小さな複数のキャラバンが次々と生まれている。

トランプ政権はどうやってキャラバンを止めようとしているのか?

トランプ大統領

移民や国境警備について話す、トランプ大統領(ホワイトハウス、2018年11月1日)。

Associated Press/Susan Walsh

トランプ政権はここ数週間、さまざまな対応を取ってきた。直近では、国境沿いに7000人以上の兵士を展開させている

また、トランプ大統領は1日(現地時間)、アメリカでの亡命申請を厳しく制限し、不法に入国した移民の亡命申請に歯止めをかけたい考えを示した。

大統領は「来週中に」大統領令の中身を固めると述べたが、詳細は明かさなかった。

移民国籍法(Immigration and Nationality Act)によって、アメリカ政府はどのような手段で入国したかにかかわらず、移民の亡命申請を認めていて、トランプ大統領がどのような手段を使ってこれを変えるつもりかは分からない。

「この計画の下で、不法外国人はもはやこの国に勝手に入ることはできなくなる」と、トランプ大統領は言う。「その代わり、亡命希望者は通関手続地で合法的に振舞わなければならなくなる」

アメリカではこの発言の直後から、中間選挙を前にトランプ大統領が亡命制度を誤った形で伝え、反移民感情をあおっているとの批判も聞かれる。

メキシコは何をしている?

トラックに乗るキャラバン

トラックに乗ってアメリカ国境を目指そうとするキャラバンの人々(メキシコ、2018年11月2日)。

Associated Press/Marco Ugarte

メキシコ政府はここ数日、首都メキシコシティへ向かうバスを調達しようとする移民の動きを阻止することで、キャラバンの進行を大幅に遅らせている。

また、AP通信によると、メキシコ当局は高速道路を調べ、キャラバンに参加する153人の身柄を拘束。キャラバンの規模を少しずつ小さくしている。貨物トラックや定員超過のピックアップ・トラックから移民を下ろすこともある。

ただ、メキシコ政府はグアテマラとの国境沿いに数百人規模の連邦警察を配備したものの、キャラバンは進み続けた。

キャラバンがアメリカ国境に着いたら、何が起こるのか?

ヒッチハイクをする移民たち

ヒッチハイクをするキャラバンの人々(メキシコ、2018年11月2日)。

Associated Press/Marco Ugarte

彼らが具体的にどこを目指しているのか、どのくらいのペースで進み、どのくらいの規模になるのかは、分からない。

何を求めて彼らが国境を越えるのか、よく分かっていないこともその混乱の一因となっている。

その選択肢は次の3つだ。

  • 不法に国境を越え、そのまま見つからずにいる(ただし、大規模なグループでは国境警備に見つかってしまうだろう)。
  • 2017年春のキャラバンの例にならい、通関手続地から合法的に入って、亡命申請をする(ただ、貧困や就業機会がないことを理由に中米を離れた場合、アメリカの法の下では亡命申請の要件を満たさない)。
  • 先の2つの戦術を組み合わせて、不法に入国した上で、当局に拘束されたらすぐに亡命を申請する。どのような手段で入国したかにかかわらず、彼らには亡命を申請する権利がある(だが、トランプ大統領は1日、不法に入国した移民の亡命申請を禁止する考えを示している)。

もう1つ、現時点で見通しがつかないのが、キャラバンがアメリカ国境に到着した場合、米軍がどのような役割を果たすかということだ。民警団法(Posse Comitatus Act)の下では、兵士は国内法を執行することが禁じられているため、移民を直接拘束したり、追放することはできない。

代わりに、兵士たちは国境監視員を支援すると見られるが、そのくらいの数の移民が実際、国境へ到達するか次第で、必要とされる支援の規模も変わってくるだろう。

[原文:The migrant caravan from Central America is still hundreds of miles from the US border — here's everything we know about when it could arrive and what will happen next]

(翻訳、編集:山口佳美)

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